2008年6月30日

韓国 米牛肉輸入告示に怒り 徹夜の実力デモ 7・2ゼネスト貫徹へ

週刊『前進』06頁(2349号5面2)(2008/06/30)

韓国 米牛肉輸入告示に怒り 徹夜の実力デモ
 7・2ゼネスト貫徹へ
 国際連帯が壁を破る力

 6月26日、韓国政府は米国産牛肉の輸入再開を「官報」に告示、即日発効させた。ふざけるな! 韓国人民100万決起を踏みにじってただですむと思うな! 怒りが爆発した。6・26告示を手配したことが明らかになった25日から夜を徹した激しい闘いが続いた。
 6月10日、ソウルの70万人を先頭に全国100万人の労働者人民、学生、市民が「イミョンバク(李明博)アウト!」を叫んで大統領退陣を迫った。眼前の革命的事態に震え上がったイミョンバク政権は、怒りをかわそうと韓米牛肉追加交渉へと動いたものの、交渉結果は新たな怒りを呼ぶものでしかなかった。

 第1章 “イミョンバクは退陣せよ”

 この怒りを逆なでするように農林水産食品部は25日、米国産牛肉の新たな輸入衛生条件の告示(官報掲載)を指示し、010強行方針に出たのだ。
「告示撤回」を求める徹夜闘争が始まった。
 午後7時、ソウルの世宗路十字路に続々と結集、2万人となった労働者・学生・市民らは、「告示強行は国民への戦争宣言だ」「イミョンバクは退陣せよ」と叫んで青瓦台(大統領府)をめざしてデモで進撃した。行く手を阻む警官隊と各所で激しく激突した。また、釜山の2000人デモを始め、仁川、大田、蔚山、春川など各地で怒りのデモ行進が闘われた。
 総勢139人が逮捕された。だが、闘う労働者・学生は一歩も引かず、突撃し続けた。逆に逮捕者を乗せた戦闘警察の大型バスがデモ隊に包囲され身動きできなくなった。赤ちゃんを抱いた母親たちも戦闘警察と対峙、12歳の小学生までが戦闘警察バスに押し込まれる事態となったが、猛然と抗議して即釈放をかちとった。誰も弾圧など恐れていないのだ。弾圧が団結を拡大している! 法大の闘いと同じだ。

 第2章 倉庫前で牛肉運送を阻止!

 26日午前9時、京畿道竜仁東冷蔵第2倉庫の前で、民主労総の公共労組と運輸産業労組が「米国産牛肉運送阻止」の座り込みに突入した。BSE対策会議主婦実践団の女性たちも「ここに米国産牛肉があります」「BSE牛肉は必ず阻みます」と書かれたプラカードを手に、労働者とともに倉庫から出てくるトラックを止め、積み荷の原産地を確認する行動に立った。この冷凍倉庫運送阻止闘争は、京畿道12カ所のほか釜山4カ所、仁川1カ所で米国産牛肉が保管されている冷凍倉庫で展開された。
 「官報掲載、即効力発揮」という事態に直面した民主労総は26日午前1時すぎ、「ゼネスト指針1号」を発した。①「即刻ストライキ突入が可能な事業場から順次ストライキに入る」とし、②26日夕にはソウルと地方都市で「国民健康権をかちとるための民主労総ゼネスト出征式」を開催。③26日9時から米国産牛肉出荷阻止闘争を展開し、④週末27〜29日まで全国同時民主労総集会をもって、各地のロウソク集会に総力で結集する。
 しかしこの「民主労総ゼネスト指針1号」は、「政府が長官告示を強行したら直ちにゼネストを宣言する」とされた当初方針からは明らかに後退している。政府の強硬姿勢を前にしてイソッケン民主労総委員長は25日、“スト動力の不足と追加交渉以降、牛肉民心は急速に鎮静局面に入った”として、「告示即ゼネスト」の計画を白紙化し、「ロウソク集会に集中」して7・2ゼネストに向かうと表明した。しかしこれこそ敵の思うつぼだ。「運動が鎮静化!?」——冗談じゃない! 怒りは充満、一触即発だ。今闘わずしていつ闘うのか。うち砕かなければならない壁は今や世界共通だ。革命の現実性にたじろぎ、闘いを内部から腐らせる体制内指導部をぶっ飛ばして革命的分岐をかちとる時だ。
 この壁を打ち砕く力は国際連帯にある。職場でとことん議論し団結して勝利してきた動労千葉労働運動、階級的労働運動を貫いて進むのだ。交戦国であるアメリカとイラクの労働者のメーデー連帯ストを見よ! 労働者階級は一つ、団結こそが世界を変える。
 イミョンバクは7月9日の洞爺湖サミット拡大会合に初参加し、国際強盗同盟に加わってG8に忠誠を誓おうと、100万韓国人民を敵に回して米牛肉を輸入しようとしている。他方、米帝・ブッシュはその100万決起に震え上がって訪韓を中止した。朝鮮半島情勢のかぎを握っているのは労働者人民だ。7・2ゼネスト貫徹こそ、歴史を変える結節環だ。労働者の未来を切り開く力だ。
 闘う労働者階級の国際連帯闘争としてイミョンバクとブッシュを日本の地で迎え撃とう! 7・2ゼネストと呼応しサミット決戦を打ち抜こう。