2008年7月 7日

社保庁の首切り許すな 団結しストライキで闘おう

週刊『前進』08頁(2350号7面2)(2008/07/07)

社保庁の首切り許すな
 団結しストライキで闘おう

 6月30日、政府の有識者会議「年金業務・組織再生会議」(座長・本田勝彦日本たばこ産業相談役)が、社会保険庁を解体して2010年1月に発足する「日本年金機構」(注)の業務内容や運営に関する最終報告書をまとめた。▼新組織発足時の正規職員は社保庁よりも約2割少ない▼懲戒処分歴のある職員を採用する場合は1年契約の有期雇用とする▼保険料未納者への督促などの業務の外部委託を進める——などの方針を示した。年金業務の遂行や不明年金記録の解明などより、職員解雇・労組解体を最優先させている。政府は、この最終報告書を新機構の基本計画として4日に閣議決定する。

 第1章 動労千葉に続け

 社保庁解体・職員解雇攻撃は、日帝の戦争と改憲、新自由主義(民営化=労組解体、貧困化)の攻撃の一環である。最末期の帝国主義が争闘戦を激化させ、世界金融大恐慌の過程に突入し、世界戦争に向かう中での日帝の絶望的延命策だ。
 社保庁労働者は今こそ体制内労働組合運動指導部の労使協働路線による屈服と制動を打ち破り、資本・当局との非和解的関係をはっきりさせ、社保庁解体・大量首切り粉砕へストライキで闘う時だ。「信頼回復」の名で一時金返納や労働強化、リストラ解雇の攻撃を当局と一緒になって進める体制内指導部を現場労働者の怒りで打倒しよう。
 動労千葉は、国労や動労カクマルら他の一切の勢力が屈服する中、国鉄分割・民営化攻撃に唯一ストライキで反撃し、以来二十数年、一層団結を固め、階級的労働運動の国際的な指導部として立ち、前進している。社保庁解体・職員解雇の国を挙げた攻撃に、動労千葉のように絶対反対を貫いて闘うことだけが団結を固め、勝利を切り開く。

 第2章 正規職25%削減

 再生会議の報告書によると、現在1万3113人の社保庁の正規職員を2010年1月の日本年金機構発足時に17%減の1万880人とする。民間からの外部採用は1000人とするため、社保庁から移行できる定員枠は9880人で、実質25%の削減だ。正規職員は約2230人圧縮され、約3230人が「余剰」となる。「余剰人員」のうち、定年退職の約300人と、非正規職員として採用される約1400人を除いた約1530人がリストラ(人員整理)の対象だ。
 政府は、この1530人に対して、厚労省内の部署への配置転換、他省庁での採用、民間への再就職をあっせんし、あるいは退職勧奨を行うという。いずれにも応じなければ分限免職だ。

 第3章 非正規大量解雇

 他方、日本年金機構設立時の有期雇用職員は約6950人で、契約期間は年金機構設立時は1年だ。懲戒処分歴をもつ職員867人も有期雇用にされる。自民党政治家らの年金保険料不払いを暴露した労働者が多い。「勤務成績が優秀な場合」に認められる契約更新は、原則として3年だ。移行計画完了時(時期不定)には有期雇用契約を打ち切られる。この時点での非正規職員は3700人となる。非正規職員は総計4050人がリストラ解雇される。当局は、労働者に生き残りをかけた競争と蹴落とし合いを強制し、団結を破壊しようとしているのだ。
 報告書がリストラ対象の1530人に再就職あっせんをするとか、被懲戒処分者にも有期雇用—正規職員化の道があるとか言うのは、職員を競争と分断にたたき込み、闘いと団結を解体しようとしているからだ。
 逆に、社保庁解体・職員解雇攻撃に断固反対を貫いて闘う労働者が出現すれば、それは新たな国鉄1047名闘争の始まりだ。労組がストライキで闘えば新たな動労千葉の誕生だ。支配階級は社保庁解体・職員解雇、労組解体の攻撃をかけながら自ら戦慄(せんりつ)しているのだ。体制内派の屈服、譲歩・取引を許さず、断固粉砕・絶対反対を貫いて闘う時、必ず勝利の展望が開かれる。
 日本年金機構 厚生労働大臣の委任・監督のもと、政府が管掌する厚生年金保険事業と国民年金事業の運営業務(適用、徴収、裁定、給付など)を担う年金公法人。職員は非公務員。