2008年8月18日

8・6ヒロシマ アーリーン・イノウエさんの発言 国際的団結で戦争と核なくそう

週刊『前進』06頁(2355号6面4)(2008/08/18)

8・6ヒロシマ アーリーン・イノウエさんの発言
 平和と連帯求める私たちは一つ 国際的団結で戦争と核なくそう

 8・6ヒロシマ大行動でのアーリーン・イノウエさんの発言を紹介します。(編集局)

 第1章 若者を擁護して闘うことに誇り

 広島の被爆から63年目の8月6日、みなさんと一緒にこの場にいることを私は厳粛な気持ちで受け止めています。核戦争は絶対に阻止され、核兵器は廃絶されなければなりません。アメリカとロシアに真っ先に核武装の完全放棄を迫らねばなりません。私たちは全世界の労働者民衆の団結で戦争と核爆弾をなくすよう強く訴えます。
 私自身は第2次世界大戦の申し子であると思っています。第2次世界大戦が私を形成し、私に平和への強い願望を植え付けました。私が昨年の教育労働者集会で口にした「私ってすごいかも」「私たちってすごいな」は、私の活動の基盤を意味しています。私は、教育者、労働組合活動家として若者の擁護者として闘うことほどに時間とエネルギーをかける価値があるものはないと思っています。
 若者が悲劇をくり返さないために、本当の戦争の歴史を教え、その記憶を絶やさないようにすることは、私たち全員の責務です。今の指導者にその目指す方向を変えることを強制し、緊急に平和を実現していかねばと思います。

 第2章 "野獣の胃の中"にあるアメリカ

 私はアメリカが選んだ進路を思うとあ然とします。人類になくてはならないものを犠牲にして核兵器をためこみ、軍事力を最優先させています。アメリカは地球上で最も軍事化された国です。「アメリカ人は野獣の胃の中にいる」という表現があります。子どもたちは、生まれたときから戦争おもちゃや暴力が当たり前のテレビ番組で教え込まれ、さらには軍の宣伝や映画により戦争が美化されます。
 アメリカの軍事費は、09会計年度では7110億㌦(78兆円)に達します。一方、医療、福祉、教育、住宅そして労働関連の連邦人件費は、連邦予算のわずか30%です。アメリカの軍事支出は、2位以下の15カ国の軍事支出の総額と同じになるというのは衝撃的です。今日、世界には2万6千発もの核兵器が存在しており、その95%以上がアメリカとロシアの兵器庫にあるのです。また、日本も世界で6番目に多い軍事支出をしており、国家予算の相当部分を自衛隊につぎ込んでいます。
 この30年間、アメリカは社会福祉、教育、医療への支出を大幅に削減する一方で、不公平税制と企業権力を背景に、多数の人びとのための政策・やり方を、一部の富裕層のためのシステムへと転換してきました。
 愛国者法により拷問が正当化され、「言論の自由のための憲法修正第1条」が脅かされていることにアメリカ人は気づきだしています。住宅危機が起こり、ガソリンの価格は3倍になり、環境破壊とあからさまな人種差別が引き起こされています。アメリカの労働者人民、貧困層が直面する悲惨な現実が明白となっています。当然のことながら、アメリカ人の間に激しい怒りがわき起こっています。しかし、行動をともなわない怒りは意味ある変化も異なった道筋も生み出しません。

 第3章 露骨な募兵活動に激しい怒り

 「話し方と言語の教師」としてロサンゼルスの高校で働き始めた10年前、私は初めて露骨な募兵活動を目撃して激しい怒りを覚えました。こうした募兵活動は、9・11とイラク侵略の後、全国の高校に広がっているのを知りました。私は、募兵官が授業時間中や昼食時に学生に話しかけ、放課後は家までついていくのを目撃しました。募兵官は無料のビデオゲーム、ポスター、資料、帽子、時には軍の装備まで高校に運び込みます。
 「落ちこぼれ防止法(NCLB)」は、01年に署名されました。これは、募兵官が学校に自由に立ち入り、中高生に関する個人情報を入手できるようにした法律です。募兵活動は、どこでも、なんの制限も受けずに行われています。
 そのため私たちは「校内の軍国主義に反対する連合(CAMS)」を立ち上げました。創設以来、50の高校を組織し、学生のプライバシー保護が必要であること、さらに学生へのいやがらせや攻撃的勧誘への注意を喚起し、募兵活動の制限などを要求してきました。
 私は学生たちに、入隊した兵士たちが実際に体験した事実を話し、「それでもあなたはアメリカ帝国主義が生き残るために罪のない人びとを殺したいの」と聞きましたら、何百人もの学生が入隊を考え直したことは本当に素晴らしいことでした。CAMSは下からの組織化と重層的・組織的働きかけで、学校と社会の軍国主義と対決できると確信しています。

 第4章 みなさんは希望ガンバッテ!

 私たちは活動の範囲を国内外に広げ、みなさんの闘いとも連帯できるようになりました。みなさんの「教え子を再び戦場に送らない」という勇気と決意、新自由主義政策に反対するデモンストレーションに拍手を送ります。私たちは平和への希求と連帯で一体です。
 兄弟姉妹のみなさん。今まさに、核をなくし平和を希求する国際的に団結した運動を構築する時がやってきました。闘いを続けましょう。みなさんは私たちにとって平和への道標です。みなさんは次の世代にとって希望への礎です。みなさんは世界を変革します。私たちはみなさんの闘いを断固支持し、常にみなさんとともにあります。
 ガンバッテ!