2008年11月 3日

「農地明け渡せ」とNAAが提訴 三里塚 反対同盟、怒りの会見

週刊『前進』08頁(2366号5面1)(2008/11/03)

「農地明け渡せ」とNAAが提訴
 市東さん「実力で阻止」
 三里塚 反対同盟、怒りの会見

 成田空港会社(NAA)は10月17日、三里塚反対同盟の市東孝雄さんが親子3代90年間にわたって耕作してきた農地について、「明け渡して出ていけ」と要求する裁判を千葉地裁に起こした。(前号速報)
 成田空港の事業認定が失効し、強制収用の手段をなくした日帝権力・空港会社は、あろうことか農地と農民の権利を守るために制定された農地法を使って、市東さんの農地を奪おうとしているのだ。そもそもNAAの農地「取得」は、市東さんに無断で行われたものであり、一から十まで違法でデタラメだ。こんな暴挙は絶対に許せない。
 三里塚反対同盟は10月29日午後、市東さんの畑のすぐわきで記者会見を行った。空は青く澄みわたり、市東さんの畑ではピーマンやブロッコリー、大根、キャベツ、白菜などがすくすくと成長中だ。そのすぐ脇での青空記者会見に、多数の記者が集まった。
 会見は萩原進事務局次長の司会で進められた。まず北原鉱治事務局長が記者会見の趣旨を明らかにし、「この市東さんの畑は、祖父の代から90年間3代にわたって耕作してきた土地だ。それを空港会社が恫喝的に『耕作の期限が切れたから返せ』と言うのは絶対に許せない」と弾劾した。
 続いて鈴木謙太郎さんが反対同盟の声明(6面に掲載)を読み上げた。声明で反対同盟は、「この攻撃は……空港用地の強制収用攻撃である」と弾劾、「市東さんの農地と天神峰現闘本部建物を断固として守りぬき、42年間不屈の空港絶対反対闘争の勝利へ前進する」と表明した。
 時折、空港フェンスのすぐ向こうをジェット機が騒音を立てて走行する。市東さんの畑が暫定滑走路の誘導路を「へ」の字に曲げて、空港の完成を阻んでいる。
 市東さんは、満身の怒りを込めて今回の提訴を徹底弾劾し、「流血を辞さない闘いをやる覚悟だ」ときっぱりと表明した。(発言別掲)
 会見には浅野史生弁護士が同席し、提訴の不当性を図を示して弾劾した。反対同盟の農地死守、絶対勝利の確信と決意あふれた会見だった。
 畑は市東さんのものだ。現地攻防戦と裁判闘争に勝利しよう。労農連帯の力で、市東さんの農地を守り抜こう。