2008年11月10日

血債主義・糾弾主義を粉砕し労働運動の力で障害者解放へ 障害者解放闘争組織委

週刊『前進』06頁(2367号4面1)(2008/11/10)

血債主義・糾弾主義を粉砕し労働運動の力で障害者解放へ
 革共同障害者解放闘争組織委員会

 障害者解放闘争は、労働者階級の中に革命の指導部と拠点を建設しプロレタリア革命と蜂起を準備する階級的労働運動路線を断固推進して闘う。それは労働者階級が職場生産点を主軸に資本家階級を打倒して権力を握るための具体的道筋であり、また革共同の7月テーゼを踏まえて被抑圧・被差別人民の自己解放闘争をプロレタリア自己解放闘争の一環として位置づけ、全人民をプロレタリアートの独裁に向かって団結させることのできる闘いである。

 第1章 資本主義の差別・分断攻撃を打ち破って階級的団結を

 “プロレタリアートの特殊階級的解放をとおして、あらゆる搾取・抑圧と階級社会そのものを廃絶して、全人間の普遍的解放をかちとる”——マルクス、エンゲルスは『共産党宣言』で階級闘争の歴史がついに最後の決着をつける段階に来ていることを訴えている。
 プロレタリアートは生産手段を所有せず、賃労働をして生きているがゆえに、階級社会そのものを終わらせ、真に人間的な共同社会を築き上げることができる、そうしてしか自己を解放できない階級である。史上初のプロレタリアートの独裁、パリ・コミューンが示したように、社会を変える力をもつ労働者階級は、団結をとおして一挙に自覚を生み出して自己と他人のために闘う。
 資本主義・帝国主義による労働者階級への差別・分断支配の攻撃を打破し、階級的団結を圧倒的につくりだす闘いを軸に障害者解放闘争の新たな発展を切り開かなければならない。労働者と障害者に対するこれまでの見方、労働者と障害者との団結(地区党建設)から切り離された血債主義的、糾弾主義的な戦線主義的な誤った狭い見方から脱皮し、障害者を労働者階級(働く障害者、働けない労働者、働いていない労働者など)として一体的にとらえ、障害者解放闘争と労働者自己解放闘争の勝利がともにプロレタリアートの独裁と階級社会を廃絶した共産主義社会の実現にあることをはっきりさせて闘う。
 世界は革命情勢である。世界金融大恐慌は、実体経済を直撃し、大不況に進み、労働者・諸階層人民の生活を一挙に破壊している。しかし、労働者階級は資本主義・帝国主義を圧倒して闘っている。最末期帝国主義による新自由主義攻撃は逆にこの数年で瞬く間に国際プロレタリアートの反戦、反民営化、反首切り、反失業、「生きさせろ!」の闘い、ゼネスト、暴動、ランク&ファイルによる体制内労働運動との激烈な闘いを呼び起こした。それは本質的に共産主義をめざす新たな団結体を準備する闘いだ。農漁民・諸階層人民も、資本家による収奪と生活破壊に怒り、労働者とともに闘いを始めた。
 プロレタリアートは国境を越え、ついに資本主義300年の歴史を打ち倒し、賃金鉄鎖を打ち破る墓掘り人として登場している。帝国主義者は札束をちらつかせ「無言の民」のまま労働者階級を抑え込もうとしたが、失敗した。いまや自らが生みだした世界金融大恐慌という“破壊兵器”によって崩壊の危機にある。
 死すべきは資本主義だ。毎日受け取る賃金や契約は労働者と資本家とが一見平等であるかのように見せかけているが、その「公平・平等」の中にこそ、労働者から日々搾取してかすめ取る膨大な剰余労働が存在している。そしてこの剰余労働のみならず一切の労働と生産の成果を資本家だけが独り占めし富を築いてきたのだ。こうしたブルジョア的な私有財産制度——これこそ資本主義ではないか。
 労働者は自らの労働力を商品として売り、資本家のもとで奴隷のように働かなくては生きていけない、しかも資本を増殖する限りでしか仕事に就けない。生きる目的も欲求も全部資本家が支配する。労働者は人間性を根本から否定され、最も激しい差別・抑圧の中に置かれている。
 しかし、この搾取・収奪、差別・抑圧の体制は労働者の団結と革命的行動によって一挙に転覆される。
 世界では大恐慌下に体制内労働運動の制動を粉砕して30%以上の賃上げや、ゼネスト、工場占拠が繰り広げられ、武装警官との闘いが起こっている。日本でも動労千葉を先頭に国鉄分割・民営化反対と解雇撤回の原則を22年間曲げず、職場闘争を積み重ねる中から、「労働者に権力をよこせ! 資本家に代わって労働者こそが社会を運営する」という労働者の自己解放闘争と世界革命への進撃が始まっている。11・2労働者集会は、資本主義打倒を訴える自覚した労働者の国際連帯闘争として大成功した。障害者もその先頭でともに闘いぬいた。

 第2章 障害者も賃上げゼネストとプロレタリア革命へ闘おう

 障害者解放闘争は第一に、障害者の解放は労働者階級の解放と一体であることを徹底的に明らかにして闘おう。
 労働者は、賃労働によってしか生きられない、いわば利潤を生み出す搾取材料として登場した。賃労働とは飢餓賃金・長時間拘束であり、強制や懲罰でもあった。利潤の最大化のためには労働者を資本の都合のいい時だけ働かされ、都合が悪くなれば失業する。相対的過剰人口が形成される。
 労働者家族を養う再生産費は本来、資本が必要とするものだが、賃金込みであり、“冷たい現金勘定”のなかで結局、労働者は家族そのものも奪い尽くされている。仕事にありつけず貧困になれば受救貧民として施設内強制労働に追いやられ、残りごく一部に施設隔離の救貧保護が行われた。
 たしかに「障害者の労働からの排除」への怒りは強い。しかし「労働しているかどうか」だけを平等かどうかの基準にしてしまうのは一面的だ。資本主義のもとでの労働が“自己実現=人間実現”とは無縁の賃労働、疎外労働であることを徹底弾劾しなければならない。そして「誰もが生産と所有の主体である」という協働によった本来の人間的結びつきを、階級社会の廃絶をとおして復権すべきなのである。
 恐慌を周期的に爆発させていた資本主義は、独占の形成によって帝国主義段階に移行した。新たな戦争と革命の時代を切り開くと同時に救貧事業・社会保障をプロレタリア革命防止策として体系化させた。
 レーニンは、革命達成を見すえた1912年のプラハ協議会で「労働者保険綱領」を打ち出し、①保険事業の労働者自治、②労働者の保険料無料化・全額国家負担、③病気、災害、障害、死亡など労働能力を失った場合の保障、④労働者家族全員の保障——を掲げた。社会保障獲得の闘いは、労働者階級にとって最初から革命をめぐる戦場であり、プロレタリア的利害と離れた改良闘争的な分断とは無縁だったのである。
 1917年のロシア革命は、社会主義への過渡を切り開き、帝国主義を根底的危機に陥れた。このもとで2度の世界戦争とアメリカ帝国主義を基軸とする世界経済の擬制的統一、スターリン主義と社会民主主義による労働運動の屈服、体制内化を決定的にした国家独占資本主義政策、合理化、自然破壊、能力主義的分断・競争をはじめ極限的搾取・収奪が繰り広げられた。
 戦後高度成長期には社会的差別・抑圧が根底から激化した。これに反撃する被差別・被抑圧人民の自己解放闘争は、職場生産点からの労働運動の爆発に促されて開始された。障害者の自己解放闘争も「社会的差別の解消」や「救済」の枠を超えて資本主義を根本から転覆する革命希求の運動として闘われてきた。今日の金融大恐慌情勢下ではなおさらそうである。
 もはや生産手段をブルジョアジーに渡しておくわけにはいかない。自己と全人間を解放する共有財産に転化するために、プロレタリア革命に決起し、障害者も労働者と団結して大幅賃上げゼネストに総決起していこう。

 第3章 麻生政権打倒、民営化絶対反対、自立支援法撤廃へ!

 第二に、障害者自立支援法粉砕を麻生政権打倒・民営化反対闘争として闘おう。
 80年代臨調行革攻撃は、国鉄分割・民営化を突破口とする新自由主義政策であり、「社会福祉の基礎構造改革」を掲げた。以来、介護保険、障害者自立支援法など一連の社会保障解体攻撃が強行される。規制緩和・労働者保護撤廃・自己責任論をむきだしにした福祉の民営化のもとで、公務員労働運動の解体、外部委託激化、非正規・無権利雇用拡大、民間介護福祉市場の創出、応益の利用者負担導入、給食の廃止、市町村独自の福祉制度・補助金廃止などが強行されてきた。だが施行3年目の障害者自立支援法への怒りは激しい。
 国鉄分割・民営化と闘いぬいた動労千葉は国鉄20万人首切り攻撃に対してストライキで闘い、団結を拡大し労働組合を守り勝利してきた。障害者自立支援法撤廃の闘いも民営化絶対反対を掲げ、労働者も障害者も職場や作業所などで一切の権利抑圧・低賃金と闘い団結を組織しながら、自立支援法撤廃のストライキで闘おう。
 さらに民営化・規制緩和と一体の臓器移植法、医療観察法、「尊厳死」法制化、遺伝子操作・受精卵診断等の法制化と対決しよう。
 第三に塩川一派の革共同破壊策動を粉砕し、地区党建設に依拠した全国単一の労働者党建設をかちとることである。障害者はその先頭に立とう。
 塩川一派は労働者階級の中に党をつくることを拒否し、学生・青年労働者からも見放され、戦線主義に埋没し、逃亡した。血債主義・糾弾主義を“売り”に社・共や市民運動主義との統一戦線に潜り込み、職場生産点からの体制内労働運動との激突に敵対している。「動労千葉は動労本部から分離独立すべきではなかった」などと悪罵(あくば)し、権力への革命軍売り渡しの役を買って出ている。転向による存命を願い出ているのだ。
 障害者解放闘争の発展は、地区党における労働者階級の団結と一体である。それは資本と闘う労働組合への結集を組織してこそ、最も具体的な道のりを形成できる。労働者階級が自らを生産と管理の主体へと組織していく闘いを4大産別を柱に断固かちとり、階級的労働運動の力で障害者解放闘争を闘いとろう。