2008年11月10日

西郡住宅裁判 “供託貫き八尾市裁く” 怒りの陳述、法廷を圧倒

週刊『前進』06頁(2367号6面4)(2008/11/10)

西郡住宅裁判 “供託貫き八尾市裁く”
 怒りの陳述、法廷を圧倒

 「差し押え許すな!西郡住宅裁判」は、10月24日午前10時、大阪地裁202号法廷(稲葉重子裁判長)をいっぱいにして第1回口頭弁論を闘った。西郡からは50人の住民が決起。全国連杉並支部、ス労自主をはじめ共闘の労働者、学生、戸田ひさよし門真市議、国賀祥司泉佐野市議が傍聴闘争を闘った。
 弁護団が以前の賃料裁判の最高裁判決にとらわれることなく、あらためてこの裁判において応能応益家賃制度を問うことを求める意見を述べた。
 続いてAさんが原告団を代表して怒りの意見陳述を行った。 
 「私は病気で、現在は働くことができません。私に代わって妻が昼も夜もパートに出て稼ぐ収入がすべてです。郵便貯金の70万円は、毎月2〜3万円かかる病院代と生活費のために残しておいたものです。これを差し押さえることは『死ね』と言っていることと同じです」「応能応益家賃で新家賃は1万2500円から7万8000円になると言われました。納得できず家賃を供託しています」「八尾市は、いったん、話し合いをすることを約束しておきながら、ほごにし貯金を差し押さえた。あまりにも横暴かつ非人間的で、到底許せません」
 Aさんの一言一言に、大傍聴団の怒りが募る。「そうだ!」「八尾市許さんぞ!」の声があちこちから上がる。最初「静かにしなさい」と居丈高だった裁判長も、静止できなくなった。隠れるように座っている八尾市住宅管理課の4人は、小さくなり、顔面蒼白(そうはく)だ。Aさんの陳述が終わると法廷に拍手が鳴り響いた。
 供託者は、どん底にたたき落とされる中で、「負けてたまるか」と立ち上がった。ところが、全国連本部と解任された元西郡支部青年部長は、西郡支部大会破壊のためにまいたビラで「年金を取り戻すことが出来ます。連絡下さい」と書いた。ふざけるな! 年金や給料を取り返したいから裁判を起こしたんじゃないんだ。うそとだまし、差別と脅迫の八尾市を供託者の手で裁きたいんだ。だからこの裁判は、応能応益そのものを根底から打ち砕く階級裁判だ。橋下大阪府知事と一体になり、八尾市丸ごと民営化—道州制導入の先頭に立つ田中市政を打倒する闘い、そして橋下打倒闘争だ。
 「大恐慌で、日本でも解雇・失業やサブプライムローンみたいに家を奪われる人が出てくる。西郡住宅闘争は、この労働者と結びつく最先端の闘いだ。西郡とともに闘おう。11・2東京へ行こう」。これが参加したみんなの思いだ。
 次回裁判(12月12日)に総力決起しよう。
(投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)
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西郡住宅裁判日程
12月12日(金)
明け渡し裁判
 午前10時808号法廷
差し押さえ裁判
 午後3時807号法廷
 (いずれも大阪地裁)