2008年11月17日

国労運転士中村さん裁判 “乗務外しは不当労働行為” 最高裁で勝利

週刊『前進』06頁(2368号3面2)(2008/11/17)

国労運転士中村さん裁判 “乗務外しは不当労働行為”
 最高裁で勝利判決

 10月31日、最高裁は、国労豊田運輸区分会所属の運転士・中村幸夫さんに対するJR東日本の不当労働行為事件に関して、中村さん勝利の判決を出した。
 中村さんは00年7月1日の国労臨時大会に際し、本部方針に反対して闘争団とともにスクラムを組んで機動隊と対峙する中で、公安警察により不当逮捕された。この大会で国労本部は、1047名闘争の解体を狙う4党合意の受け入れを強行決定しようとしていたが、闘争団の演壇占拠などの闘いでこの策動は阻まれた。
 中村さんは完全黙秘を貫き、不起訴で釈放されたが、JR東日本は不当逮捕にかこつけて、中村さんを中央線の運転勤務から降ろし、電車区構内の草むしりなどの日勤勤務や、ベッドのシーツ交換と運転との混合勤務を命じた上、八王子支社に呼びつけて国労脱退を強要した。
 これに対し中村さんは個人で労働委員会に救済を申し立て、東京都労働委員会、中央労働委員会はいずれも「乗務に戻せ」「乗務していたら得られた賃金を支払え」などの全面勝利命令を発した。しかしJRは命令を守らず、その取り消しを求める訴訟を起こした。
 一審東京地裁(難波裁判長)は中労委命令を取り消す反動判決を下したが、07年6月に東京高裁は逆転勝利判決を出した。この判決は、4党合意に反対し、執行部と対立していた中村さんの闘いを、正当な組合活動と判断した画期的なものだった。今回、最高裁がJR東日本による上告受理申し立てを退けたことにより、高裁勝利判決は確定した。
 4者・4団体路線のもと、国労本部は1047名解雇撤回の原則を投げ捨て、JR資本と結託して現場組合員の闘いを抑圧する裏切りに走っている。06年11月、国労東日本本部はJR東日本と「包括和解」を結び、JRの不当労働行為を免罪して、計61件の紛争案件を取り下げた。今や4者・4団体は、原則を貫き闘う者を、警察権力を使って排除するところにまで転げ落ちた。
 この中で、中村さんの闘いは、現場から原則を貫いてJR資本と対決すれば勝利できることを実証した。国労組合員に対する不当労働行為事件で、最高裁で勝利判決をかちとった事例はきわめてまれだ。
 JRの不当労働行為と闘う中で、中村さんは最高裁判決を待たず、すでに運転勤務への全面復帰をかちとっている。

 第1章 JR本社への抗議行動貫く

 同じく10月31日、JR東日本は国労バッジを着用して闘う国労組合員に対し、出勤停止10日という重処分を発令した。
 11・2労働者集会の熱気もさめやらぬ11月5日、闘う国労組合員と支援者は、JR東日本本社と同神奈川支社前に結集し、「最高裁判決に従い直ちに中村さんに未払い賃金を払え」「バッジ処分を撤回せよ」と抗議行動を展開した。また、国労神奈川地区本部に対して、「闘いを放棄し抑圧する国労執行部の屈服がバッジに対する重処分を引き出した」「資本に食われた執行部は労働者を食う側に回る」と抗議・要請行動を行った。
 JR資本を撃つJR本体の闘いと1047名の解雇撤回闘争を緊密に結合し、国鉄闘争に勝利しよう。12・14国鉄闘争勝利集会に結集し、現場からJR資本と対決する勝利の路線を確立しよう。