2008年12月15日

三里塚耕作権裁判 NAAの位置誤認明白 市東さん09年戦闘宣言

週刊『前進』06頁(2372号5面2)(2008/12/15)

三里塚耕作権裁判 NAAの位置誤認明白
 市東さん 09年に向け戦闘宣言

 12月8日、千葉地裁で市東孝雄さんの耕作権裁判第9回弁論が開かれ、三里塚反対同盟を先頭に80人を超える労働者、農民、学生、市民が傍聴と支援に駆けつけた。
 市東家が3代90年間耕してきた成田市天神峰の耕作地の一部に対し、成田空港会社(NAA)が「不法耕作」と決めつけ市東さんを訴えたこの裁判を、怒りなしに語ることはできない。(しかも今年11月にNAAは「契約地」とする耕作地についても、「賃貸借契約は終わりだから明け渡せ」との訴訟に及んだ。)
 前回裁判で市東さんと弁護団は旧地主が84年2月に作成した地積測量図(土地の面積=地積を法的に確定した図面)を提出し、NAAが「市東さんが耕作している」と決めつけた場所が実際には反対同盟元副委員長・石橋政次の耕作地であり、市東さんは一度も耕作したことがないことを明らかにした。そして今にいたって原告NAAもそれが石橋の耕作地であったことを認めたのだ。土地の位置の特定も満足にできずに土地を奪おうなどという、デタラメで恥知らずな訴訟を即刻取り下げろ!
 今回さらに市東さんと弁護団は、現在耕作しているすべての畑に賃借権があることを明らかにする書面を提出した。
 裁判終了後、弁護士会館で記者会見と報告集会が開かれた。冒頭に市東さんがあいさつ。「今年は皆さんの支援が本当に力になりました。そして自分の生き方を再認識する1年でした。この裁判もいよいよ佳境。押し気味で進み、面白くなってきたと思います。よろしくお願いします」
 金・暴力・訴訟などどんな卑劣な手を使ってでも市東さんの土地を取りたい日帝とNAAの思惑を粉々に打ち砕く、09年へ向けての市東さんの戦闘宣言だ。熱い拍手と歓声が沸いた。
 葉山岳夫弁護士を始め弁護団は、図を示しながらこの日のやりとりの内容を解説し、市東さんが耕作している土地すべてに賃借権があることを明らかにした。
 北原鉱治事務局長があいさつに立ち、「1941年12月8日、日本軍は真珠湾攻撃を行った。日本は再び戦争に行くのかが問われている。今の政治は農民の土地を奪い、法政の学生を弾圧で半年も獄中に入れる、こんな理不尽はない! 09年の勝利へ闘おう」と述べた。
 さらに動労千葉の後藤俊哉さん、全関西実行委の松原康彦さん、市東さんの農地取り上げに反対する会の三角忠さんが連帯の発言をした。
 最後に萩原進事務局次長がまとめに立った。12月13日は現地闘争、17日は暫定滑走路認可取り消し訴訟の控訴審(午後2時/東京高裁)、1月11日には反対同盟旗開き。そして20日は行政訴訟、2月3日には新たに始まる明け渡し訴訟、16日には今日と同じ耕作権裁判と、市東さんの裁判が三つも続く。さらに現闘本部裁判の日程を裁判所が2月に入れようとしている。現地攻防も重大だ。みなさんも覚悟していただきたい。今年闘いぬいた力を来年フルに発揮しよう」と連続闘争への総決起を促した。
 最後に伊藤信晴さんの音頭で団結ガンバローを三唱し、09年勝利を誓いあった。