2009年2月 2日

特集09春闘へ 俺たちが職場を握る時が来た! 春闘実行委基調/東京北部

週刊『前進』08頁(2377号5面1)(2009/02/02)

特集 09春闘へ
 「生きさせろ!ゼネストで歴史的大恐慌を迎え撃て
 資本家打倒し俺たちが職場を握る時が来た!
 春闘実行委での基調/東京北部

 各地で「生きさせろ!」ゼネストにむかって09春闘集会が準備されています。東京北部地区では青年労働者が集会実行委員会の中軸に座り、毎回の基調報告を行っています。大恐慌に突入し革命情勢が到来する中、党派闘争を闘い、資本と非和解の実力闘争を職場で貫き、労働者の誇りと団結を取り戻す——この時代認識と路線を貫くことが春闘を力強く前進させています。以下は1月中旬の実行委での基調報告です。(編集局)

 第1章 (1)大恐慌と革命情勢の到来 資本主義は終わった!

 何よりも確認しよう。資本主義300年の歴史は終わった! 刻一刻と資本主義の崩壊が目の前で始まっている。世界超大恐慌が本格的に、しかも世界中で始まったということです。
 サブプライムローン危機からリーマンショックによって、永遠かのように思わされていた資本主義が、いまだ体験したことのない世界超大恐慌に坂道を転げ落ちるように突入し、銀行・証券会社は破綻しまくり、アメリカビッグ3や日本のトヨタ、ホンダ、日産と、資本主義の根幹である自動車産業が軒並み赤字に転落し、いつ破綻してもおかしくないという状況です。中小・零細企業の倒産が相次ぎ、完全失業率は戦後最高。アメリカではいきなり4ポイントも上がっている。日本では「派遣切り」で労働者の首がガンガン切られて、青年労働者が寒空の下、家も職も明日食べる金も奪われ、「明日から寮を出て行け」と路頭にたたき出されている。年末年始にかけ、今の時代の象徴とも言うべき「派遣村」が連日報道され続けた。
 しかしながらこれはまだ始まったばかりです。例えば、米ではシティバンクやバンカメの救済にさらに200億ドル(1兆8千億円)がそれぞれ注ぎ込まれた。しかしいくらつぎ込んでもきりがない。巨大金融機関が次々とぶっとぶ事態だということです。また今年は、世界の総計が5400兆円(世界の1年間のGDP=国内総生産に匹敵する額だ!)というCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)危機が大爆発すると言われている。CDSは証券化商品として世界中にばらまかれ、どこで爆発してもおかしくない。それをまかなう金なんてどこにもない。そしてアメリカでは財政赤字が天文学的に膨らみ、ドルの大暴落は間違いなく起こる。それはただちに全世界に広がるということです。
 はっきりいって資本主義は再起不能だ。資本主義は死んだ。これをまずはっきりさせよう!

 第1節 生き残りかけ戦争も

 そしてそれと同時に進行しているのがイスラエルのパレスチナ侵攻です。これはたまたま時期を同じくして起こっているものではなく、世界超大恐慌の進行と一対で、”資本主義延命のためには世界戦争をしなければ生き残れない”という明確な危機意識のもとに、建物に追いやって空爆したり、学校や救急車を空爆したりと、1300人以上もの人々を大虐殺している。しかもそのうち3分の1は子どもだという。絶対に許せない!
 この戦争は、アメリカ資本主義が仕掛けている戦争なのです。「停戦」を呼びかける国連安保理決議に、唯一アメリカだけが「反対」(棄権)している。資本主義オブ資本主義のアメリカが、つまり資本主義が自らの延命のためだけに、中東支配崩壊ののりきりをかけて、パレスチナをきっかけに世界大恐慌を世界戦争に転化しようということです。
 それは日本でも同じで、田母神元空幕長のクーデター的発言や「海賊対策」という形での海上自衛隊のソマリア派兵の動きなど、急速に戦争に突っ込んでいるということです。
 重要なのは、私たちの職場も、派遣労働者が首を切られ路上にたたき出されたことも、戦争も完全にひとつのものだということです。資本主義は終わっている。しかし労働者がぶっ倒さない限り資本は権力に必死にすがりつき、あがいている。そして自らが生き残るためには労働者がどんなに死のうと、路頭に迷おうが関係ない。戦争で虐殺しても構わないということです。これが資本の本質だ! 

 第2節 立ち上がる時代きた

 問われているのは、今の情勢をピンチと取るのかチャンスと取るのか、ということです。もはや世界も日本も”戦時”です。だからこそ労働者階級は自らの存在と誇りをかけ、「国際的に団結して闘う以外に労働者階級の生きる道はない」と猛然と立ち上がる時代です。ついにこの時代がやってきた! つまり労働者としての怒りの決起が爆発的に始まる時代がやってきたのです。全世界で労働者の決起が始まっている。日本でも森精機、精研労組の闘い、そして「派遣村」の労働者の中からも歴史的決起が始まっている。森精機の労働者のように、「今の状況は労働者にとって決定的なチャンスだ!」ととらえきることがものすごく重要だということです。

 第2章 (2)森精機と精研労組のスト 実力闘争で強固な団結

 第1節 法律の枠ぶっとばす

 何よりも、日本の階級闘争が歴史的に爆発する時代に突入したということです。今、労働組合なんて見たことも聞いたこともなかったような青年労働者が組合に入り先頭で闘っている。森精機では派遣労働者が解雇に我慢ならないと派遣先でのストライキに突入! そんな彼らは「労働者はあらゆる分断をのりこえて団結して立ち上がる。一握りの資本家どもの好き勝手にはさせない」「大恐慌の時代は労働者が社会の真の主人公として立ち上がり資本家から権力を奪い取る時代の到来だ。資本家どもの時代は終わった!」「資本家などいなくても労働者が社会を動かす力を持っている!」と言って3波のストライキを打ちました。
 この森精機の闘いが切り開いたものが、すべての労働者の展望だということです。普通だったら派遣元に対して闘うところを、「工場を動かしているのはおれたち労働者だ」とストレートに表現した。つまり直接雇用−派遣という分断を一瞬にしてぶち壊した闘いだということです。法律の枠なんかぶっとばして、労働者が最も力を発揮するのが職場生産点であることを、実力闘争そのもので示したのです。
 他の組合も確かに闘っているようにみえるが、どこもひとつだけやらないことがあります。それが実力闘争です。キヤノンだっていすゞだって三菱ふそうだって森精機とおかれている状況は同じなのに、ストライキはおろか実力闘争に打って出ない。結果、「寮にどれだけいてもいい」というようなことしか出てこない。それでどうしろってんだ! 確かに年は越せるかもしれないけど、生きられないじゃないか! つまり、闘わない労組執行部が労働者の本来の力を抑え込み、団体交渉という話し合いのテーブルに縛りつけて、抗議行動という枠に労働者を押し込んで、職場から労働者を分断し、労働者の本来の力を出させないようにしているのです。

 第2節 体制内派打倒しスト

 私たちは知っているはずです。森精機のように実力闘争で闘わなければダメだということを。それを証明したのが精研のストライキでした。結局、労資は一切が力関係で決まるし、職場での実力闘争でしか労働者の団結は強化・拡大されないということを!
 医労連−体制内労働運動との折り合いをやめ、本当に闘うために踏み込んだらどうなったのか。これまで闘争のたびに「とてもじゃないがストを打てない」と言いながら闘いを握りつぶしていた体制内指導部は、労働者の決起を抑えつけ、労働者に絶望を振りまいていた。「そんなこと絶対許せない!」——そういう思いで職場闘争の路線をめぐり、あいまいさを吹き飛ばして対決したらどうだったのか。組合員ほとんど全員の力でストに突入した。そして青年が先頭となった解放感たっぷりの闘争だった。
 つまりどういうことか。組合内の分岐・激突を恐れず、本当に労働者のための労働組合として、労働者の団結を総括軸に闘ったからこそ、秋年末一時金闘争が大勝利したということです。その団結でついに労資の力関係を逆転させたということです。思い出して下さい、そのときのことを。心の奥底からこみ上げてきたものがあったはずです。それはきっと、資本に縛りつけられていた鎖を引きちぎり、「おれたち労働者こそがこの会社の、社会の主人公なんだ!」という解放感と確信だったと。これこそが全世界の労働者が求めている、そして北部の労働者が求めているものなのです。

 第3章 (3)「派遣村」で怒りの決起 “俺たち誇り高き労働者”

 そして、この間の「派遣村」労働者の闘いです。
 この「派遣村」闘争が完全に体制内勢力との路線をめぐる激突になったということです。「派遣村」実行委員会は「派遣村」の労働者を首を切られた労働者ではなく、まるで災害の被災者のように本質をすり替えた。ただ”明日住む家と仕事がないかわいそうな人たち””施しを与えられる哀れな存在”として「派遣村」の労働者を徹底的に低め、首を切った資本に一切怒りを向けさせずに抑えつけまくっていた。
 そこでは、共産党や社民党などの政党や、闘わない労組指導部が実行委員会として肩を並べ、労働者を”救済”の対象として抑圧していました。これに対して私たちは、「おれたちを解雇にたたき込んだのは紛れもなく資本・企業だ!」「労働者は救済をお願いする存在でも哀れみを受ける存在でもない。労働者としての誇りと怒りを掲げて団結して闘おう!」と、”誇りある労働者”としての団結を掲げ大激突した。その結果、「派遣村」実行委の救済路線をぶち破り、彼ら自身の闘いに完全に合流した!
 この闘いは、動労千葉が先頭で闘い抜いている国鉄1047名闘争がますます大事であることをはっきりさせました。4者4団体路線との分岐・激突と完全に同じだということです。この体制内勢力との激突の中で、私たちは、「派遣村」労働者内部からの「おれたちは誇り高き労働者だ! こんなことは絶対に認めない。全国の労働者は団結して闘おう!」という感動的決起と結合してガンガンに空気が入りました。他方、救済者として登場していた体制内勢力はガクガクと震え上がったのです。
 決起した「派遣村」労働者は常に言っていた。「自分たちのためだけではない。今後膨大に出てくる首を切られた労働者の生活を守るために要求する」と。この実に感動的で階級的な訴えに「派遣村」労働者のほとんどが共感した。つまりこれは、今後首を切られる数百万とも言われる労働者の結集軸になり、その歴史的第一歩を踏み出したということです。実力行動・実力闘争、まさに革命に直結する労働者の闘いが劇的に始まった!

 第4章 (4)地域ゼネストの展望 春闘ストの先頭に立とう

 そんな「派遣村」の彼らと団結するとは一体どういうことなのか? その答えも09春闘を実力で闘い、「『生きさせろ!』ゼネスト」、そして「北部地域ゼネスト」を切り開くことです。自分の職場でこそ勝負しよう。
 労働者の当たり前の要求、大幅賃金アップ・大幅増員・非正規職撤廃を掲げ、あらゆる職場、郵便局や役所、学校、鉄道、工場、病院、老人施設、タクシー、飲食店などなど、目に付くすべての職場に赤い旗がかけられ、環7や青梅街道にびっしりとたなびく赤い旗。「労働者は奴隷じゃないんだ!」といって鎖を引きちぎり、森精機や精研労組のように続々とストライキに入る。私たちが先頭で春闘ストライキに突入し、そこから乗っかりストでゼネストをつくり出すのが北部春闘集会だということです。
 大体、経団連会長の御手洗が「今年の春闘は絶対に1円も賃上げしない」と言っている。ふざけるな!! さんざん労働者を搾取して自分たちの懐を温かくしておきながら、労働者は生きられなくても、路頭に迷ってもいいと言い切っている。やつらがそうであるならば労働者の答えは一つだ。春闘は一円とは言わず、大幅賃上げをかちとるということだ。大幅人員をかちとり、非正規雇用を撤廃させることだ。路頭に迷うのはやつらで、やつらの行く先は私たち労働者が団結をつくり出した「派遣村」なんかではなく、「監獄」だということだ!

 第1節 職場闘争にこだわる

 09春闘は完全に階級決戦です。それぞれの職場の闘いが個別の闘争ではなく、一個の闘いとして地域で労働者の闘いが爆発することで、資本の支配を打ち破る、そして労働者の権力を打ち立てる第一歩です。合同労組も単なる争議的組合ではなく、春闘として職場から地域の労働者と団結して立ち上がる、春闘ゼネストを闘う立場で職場を組織しよう、ということです。
 そしてそれを現実にするには、ここにいる私たち一人ひとりが職場に徹底的にこだわって資本と非和解の闘いをガンガン進め、労働者の団結をつくり、ストライキで闘うということです。その総括軸は団結です。さあ、世界はもう革命情勢です。とにかく職場での実力闘争。この一点にこだわって職場で闘いきる。これだけです。もう早く議論しよう。職場で徹底的に闘おう! 春闘について、今の情勢について、そして労働者が立ち上がっていることを仲間に言える最高の手段として、北部の春闘集会の賛同署名を職場で広げよう! 職場の矛盾をガンガンつきまくり、団結を拡大して闘おう!!