2009年2月16日

JP労組中央委 ベア放棄、成果給丸のみ 民営化・道州制の先兵

週刊『前進』06頁(2379号2面4)(2009/02/16)

JP労組中央委 ベア放棄、成果給丸のみ
 ベア放棄、成果給丸のみ
 自治体民営化・道州制の先兵

 第1章 第2の民営化を後押しするJP労組中央

 2月18〜19日、連合JP労組の第3回中央委員会が東京で開かれる。世界金融大恐慌と世界革命情勢の到来のもとで、連合JP労組が資本と一体となって“第2の郵政民営化”を推進し、ベア要求すら放棄する徹頭徹尾反労働者的な中央委員会となろうとしている。連合JP労組中央を打倒し、労働組合を現場組合員の手に取り戻そう。
 要員不足の深刻化と事故の多発に明白なように郵政民営化の矛盾と破綻があらわとなっている。
 JP資本はこの危機を道州制攻撃と一体となった“第2の郵政民営化”によって突破しようとしている。それと共同歩調をとって労働者をいっそうの労働地獄に追いやろうとしているのが連合JP労組中央だ。
 民営化が巨額の公的資産のブルジョアジーによる略奪合戦でもあることが、かんぽの宿払い下げ事件で明らかになった。
 麻生首相がこの期に及んで「郵政民営化に反対だった」などと告白し、自民党とブルジョアジー内部の大騒動に発展しているのは、新たな資産と権益争いが始まっていることの表現なのだ。
 この民営化に積極的に賛成してきたのがJP労組中央だ。「かんぽの宿の譲渡については……評価できる」(JP労組新聞第30号)と、オリックス不動産が西川郵政とぐるになった「売却」に、同意していた。
 それだけではない。連合JP労組中央は、道州制攻撃の軸をなす自治労解体—自治体丸ごと民営化攻撃とセットになって“第2の郵政民営化”を後押しし、自治体業務をビジネスとして食い物にしようと政策提言までしている。
 JP労組の付属機関である「JP総研」は、報告書「郵便局の地域連携ビジネス」で「郵便局が自治体支所・出張所業務の役割の一部を担う」「将来的には地方分権によって国や都道府県から市区町村に移管されてくる一部の業務も、郵便局窓口での受託が出来る」などと提言した。
 JP資本が他の資本を蹴落としていかに生き残るかを「組合」の名の下に提言しているのだ。自治体労働者200万人の首切り攻撃にも手を貸すとの表明だ。

 第2章 ベア完全放棄の中央委議案

 そして許し難いことに、JP労組中央は今回の中央委員会にむけてベア要求を一切行わない方針を決めた。議案書にも「ベア要求」は一言もない。1月13日に開かれた臨時地本書記長会議で、本部は「ベアは断念」と言い放った。
 それのみか、民営化がつくり出した要員不足とまったく闘わず、「増員要求」も完全に放棄してしまった。そもそもゆうメイトなどの「非正規職」が半数を超えるに至った(21万人)現状や、要員不足を裏で受け入れ推進してきたのが連合とJP労組中央なのだ。

 第3章 JPEXへの出向を丸のみ

 またJP資本は、ゆうパックとペリカン便を統合した新会社JPエクスプレス(JPEX)の子会社化による民営化推進をはかっている。それを積極支持し、労働者をいっそうの強労働と低賃金に追いやろうとしているのが連合JP労組中央だ。議案書では「JPEXの成長・発展に向けて積極的に対応していく」と賛成している。労働者を郵便事業会社から出向させることについて会社側は「本人同意は必要ない」と表明しており、連合JP労組中央はそれを承知で妥結しようとしている。一方通行的・選別的な強制出向になることは明らかだ。
 しかも、成果主義賃金の徹底を「組合」の側から要求するという、底なしの腐敗ぶりだ。「頑張った社員や責任を果たした社員が報われ、競合他社との競争力を確保できる給与・手当制度となる必要があり」(JP総研報告書)と、資本と一体となって労働者を競わせ、“働かない社員は減給せよ”との主張だ。
 JP労組中央は現場の声を聞く職場集会も開かずに今回の中央委員会を開催し、組合員をいっそう資本の奴隷状態に追いやろうとしている。資本の代弁者と成り下がった連合JP労組中央を今こそ打倒しよう。
 一人ひとりの労働者の中に労働組合を変革し、資本主義社会を変革する根底的な力が宿っている。職場闘争を復権し、隣の仲間との団結を作り、現場組合員の手に労働組合を取り戻そう。今春「生きさせろ!」ゼネストを実現しよう。