2009年2月16日

ワークシェア粉砕を 「政労使」一体の反革命政策

週刊『前進』06頁(2379号3面1)(2009/02/16)

ワークシェア粉砕を
 賃下げと解雇を狙う
 「政労使」一体の反革命政策

 世界大恐慌の爆発的な進展のなか、日帝ブルジョアジーは小泉「構造改革」以来大量に生み出された非正規職労働者を中心とする大規模な解雇に踏み切った。労働者を低賃金で死ぬほど働かせ、巨額の富をため込んできたあげく、みずから招いた恐慌による損失をすべて労働者に転嫁し、部品のように切り捨てる。これが資本主義の正体なのだ。このなかで、日本経団連や連合が政府とともに推進している「ワークシェアリング」なるものは、劇的な賃下げと首切りを進めつつ、充満する労働者の怒りが資本に対する非和解的決起に向かうことを阻むためのペテンに満ちた予防反革命政策である。労働組合の闘う路線こそが問われている。大恐慌下でこそ大幅賃上げを! 資本の支配を終わらせよう! 資本の手先=連合・全労連の指導部を打ち倒せ!

 第1章 資本・政府への怒りを圧殺

 「ワークシェアリング」なるものに込めた資本家・政府のねらいは、大恐慌による損失を全面的に労働者に転嫁し、劇的な賃下げと首切りを進めつつ、なおかつ労働者の怒りが資本や政府・権力に向かうことを阻止することにある。それゆえ、「労使一丸」体制や「政労使合意」の実現に最大の力点がおかれている。
 労務支配政策としての「ワークシェアリング」の枠組みは、小泉政権下の02年、「ワークシェアリングに関する政労使合意」(政府・経団連・連合)で、連合の合意を取り付けて作られていた。この時、「多様な働き方の選択肢を広げる」と称して合意・決定されたのが製造業を含む派遣労働の全面自由化だ。これには「多様就業型ワークシェアリング」などという、ふざけた定義づけもなされた。
 今回の大恐慌下で準備されているのは、彼らが「緊急対応型ワークシェアリング」と呼ぶもので、すでに進められている派遣労働者を中心とする大量解雇を前提にして、さらに劇的な賃下げを強行する方策だ。通常の連合や全労連型の屈服的労使関係によっても実現できない規模の劇的な賃下げを、「仕事を分かち合う」「仕事は半分。賃金も半分」と称して一気に押し通してしまう攻撃なのである。現に自動車産業で実施されたワークシェアリングでは、正社員の賃金が半減し「手取りで10万円を切る」事態が続出しているという(2・7東京新聞)。
 重要な点は、この「ワークシェアリング」が、もはや底なしとなった大恐慌下での大量首切りを「労・資」で既定のものとして合意し、今後さらに本格化させるための「すべての労働者のための雇用セーフティネット」(連合と経団連の「雇用安定に向けた労使共同宣言」=1月15日)の一環であることだ。

 第2章 連合中央は大量解雇の先兵

 彼らは「雇用の安定こそ社会の安定」(同「宣言」)などと叫ぶ。プロレタリア革命への恐怖の一点で彼らは「共同」する。現実が証明しているが、彼らの言う「雇用の安定」とは、止まるところを知らない大量解雇が前提なのだ。充満する労働者の怒りをいかにして抑えこむか、いかにして資本の支配を守るか、その一点で彼らは「労使共同」を宣言しているのである。
 麻生政権は1月末から、ワークシェアリング実施のための「政労使会議」設置に動きだした。主導したのは連合だと言われている(2・1産経新聞=別掲写真)。労働者の根底的な怒りが広がっている中で、大量解雇と大幅賃下げのワークシェアリングを強行するためには、政府も引き込んでの、見せかけの「雇用維持」にあてる政府助成金が必要だからである。これを「セーフティネット」などと称しているのだ。助成を受けるのは資本である。またしても、労働者から搾り取った税金で資本を救済する段取りである。
 今日の非人間的な派遣労働の全社会化と、それをテコとしたすべての労働者の労働条件の極端な低下、権利の破壊、首切りの自由化などが、連合の完全な同意と「政策立案への参加」によってなされてきたことを徹底的に弾劾しなければならない。04年に強行された小泉政権による派遣労働の全面自由化も、厚労大臣の諮問機関である労働政策審議会(公労使の3者)などへの連合の参加と同意によって初めて強行されてきた。連合などの労働貴族、体制内労働運動指導部は、今日の大失業攻撃を生み出した文字どおりの共犯者なのだ。

 第3章 体制内指導部をぶっとばせ

 労働者の怒りは充満している。動労千葉をはじめとする階級的労働運動が急速に人民の注目を集めている。賃金奴隷制を根底からのりこえる労働組合の闘う路線が問われているのだ。「ワークシェアリング」などという大幅賃下げと大量解雇を、闘う以前に受け入れてきた連合など御用組合指導部の労働者支配を転覆する闘いを、今こそ4大産別をはじめとするすべての職場で始めよう!