2009年3月30日

貨物機炎上事故徹底弾劾 成田空港を廃港へ

週刊『前進』06頁(2385号1面2)(2009/03/30)

貨物機炎上事故徹底弾劾
 新自由主義の下で安全無視
 成田空港をただちに廃港へ

 第1章 「世界で最も危険な空港」成田

 3月23日早朝、成田空港A滑走路において、米フェデックス社の貨物機が着陸に失敗、横転して大破・炎上し、機長と副操縦士の2人の労働者が命を奪われた。
 われわれはこの大事故を帝国主義の新自由主義政策がもたらした航空労働者への虐殺攻撃として、また三里塚農民の農地を奪って建設が強行され、安全性を度外視して運用を続けてきた成田空港の根本的破産として、徹底的に弾劾する!
 3・29三里塚全国総決起集会を成功させた労農連帯の力で、今こそ成田空港を廃港へたたき込もう。職場生産点の支配権を奪還し、革命へと前進しよう。
 マスコミは「成田では初の死亡事故」などと、あたかも安全が保たれてきた場所でたまたま事故が起きたような報道をしているが、とんでもないことだ。もし事故機が大型旅客機だったらとてつもない惨事になっていた。着陸コースがそれていたら、市東孝雄さんを始め天神峰、東峰など空港周辺の農民の生命や家屋、農地に大災害をもたらしていた。これはなんら架空の想定ではない。
 成田は「国際空港」とは名ばかりで、横風用滑走路もなく、誘導路はいびつに湾曲してジェット機同士がすれ違うこともままならず、管制塔の視界も悪い欠陥だらけの「世界で最も危険な空港」だ。現に開港からこれまで事故は頻繁に起こり続けてきた。そして、農民追い出しのために農家の頭上40㍍にジェット機を飛ばしている!
 もともと空港には不向きな内陸部の農村地域に、農地を破壊し無理やり滑走路を敷きつめ、土地買収や反対闘争つぶしのためには躍起になって法外な金を投じてきた。
 事故当時は最大瞬間風速21㍍の強風が吹き、「ウインドシア」と呼ばれる急激な風の変化が起きていたことが指摘されている。だが、事故原因は自然現象に解消されるべきものでは断じてない。ウインドシアへの注意喚起が繰り返し各航空会社に流されていたが、離発着が次々と強行され続けたのだ。事故は起こるべくして起きた。

 第2章 規制緩和の波に乗って急成長

 さらに今回の事故は、根本的には帝国主義の新自由主義攻撃がもたらした結果である。航空という絶対的に安全性が求められる業界でも、むき出しの競争原理が幅をきかせ、利益優先、コスト削減、リストラ、労働強化の波が押し寄せている。航空機の大型化、燃料価格の高騰などによって、航空会社はパイロットの訓練や技量維持に回す金と時間を削減しているのが現実だ。
 昨年9月に米ボーイング社の労働者2万7千人がストライキに立ち上がったことで明らかなように、整備士労働者は、徹底的な賃下げとアウトソーシングの攻撃と闘っている。管制業務の労働者も過酷なリストラと強労働を強いられている。
 またフェデックス資本は、米国内全域の翌日配送を保証する「オーバーナイト配送」や世界中に48時間以内に届けることを売り物に、規制緩和に乗って急成長してきた総合物流の最大手。そして一貫して労働組合結成を抑圧してきた企業だ。
 こうした条件の中でウインドシアの危険を押して離発着が強行され、事故は発生した。ほかの機が事故機になっても不思議でない状況だった。問題はパイロットの技量や自然条件に帰するものではなく、新自由主義攻撃にあるのだ!
 動労千葉が反合・運転保安闘争の中で確立した「闘いなくして安全なし」というスローガンが、ここでも問題の核心を突いている。労働者は闘って団結して職場支配権を取り戻すことなくしては、自分(および乗客)の命と安全を守ることはできない。
 自らの職場から立ち上がり、全世界の労働者に闘いの展望を示そう。暫定滑走路北延伸・農地強奪を粉砕しよう。3・23事故を徹底弾劾し、成田空港を廃港へ!