2009年3月30日

鉄建公団訴訟控訴審判決 4者4団体の全面投降は9・15判決への屈服が原点

週刊『前進』06頁(2385号2面1)(2009/03/30)

鉄建公団訴訟控訴審判決 1047名闘争の解体狙う
 4者4団体の全面投降は9・15判決への屈服が原点
 動労千葉と共に解雇撤回へ

 東京高裁は3月25日、鉄建公団訴訟控訴審の判決を下した。この判決は、不当労働行為による解雇を全面的に容認し、05年9月15日の一審判決を貫き、さらに反動化した極悪の判決だ。4者4団体指導部はこの反動判決に全面屈服し、なりふりかまわず解雇撤回を投げ捨てて国鉄闘争をなきものにしようとしている。断じて許すわけにはいかない。今こそ3・25判決を徹底弾劾し、動労千葉とともに1047名闘争の全面的発展を切り開くことこそが勝利の道だ。

 第1章 1047名の分断策す判決

 高裁判決は、05年9月15日の東京地裁判決と同様、90年の国鉄清算事業団による解雇を撤回せよという原告の訴えを全面的に退けた。判決は、国鉄によるJR採用候補者名簿の作成に不当労働行為があったと言いながら、「国鉄清算事業団からの解雇が無効であるという一審原告らの主張は採用できない」と公然と言い放った。
 口先では「不当労働行為の事実を認定した」という素振りを見せながら、「不当労働行為による解雇は無効」という原則をあからさまに踏みにじって、解雇撤回を拒みとおしていることにこそ、この判決の反動性が端的に表れている。9・15判決に続き、90年解雇は有効だと強弁した3・25判決は、1047名の解雇撤回は断じて認めないという支配階級の反動的意思を、あらためてむき出しにしたのである。
 その根底にあるのは、世界大恐慌情勢下で大量解雇の攻撃を貫かなければ延命できない資本主義の体制的危機だ。1047名の解雇を撤回したら、今日、嵐のように吹き荒れる非正規職労働者への解雇攻撃や、道州制導入による公務員労働者への首切り攻撃は貫けない。だから権力と資本は「解雇は有効」と絶叫し続ける以外にない。
 だが、そこにこそ敵の攻撃の破綻点が現れている。解雇撤回の原則を貫くことこそ、最も有効で最も大きな打撃を敵に与える闘い方なのだ。
 05年の東京地裁9・15判決は、国鉄時代に6カ月以上の停職処分または2回以上の停職処分を受けた者などはJRに採用しないとした「採用基準」を絶対化し、この基準によりJR不採用とされた5人の原告を慰謝料支払いの対象から排除していた。
 その狙いは、国鉄分割・民営化に対してストライキで闘った動労千葉を徹底的に排除することにあった。そのために9・15判決は、停職処分を受けてJR不採用となった鉄建公団訴訟原告を他の原告からことさらに区別し、1047名を分断する攻撃を仕掛けてきたのである。
 今回の高裁判決には、9・15判決の悪辣(あくらつ)な意図がさらに凶悪な形で押し貫かれている。高裁判決は、「第二希望のJRに採用されながらこれを辞退した者」4人についても慰謝料支払いの対象とせず、「国鉄清算事業団在職中に追加的広域採用に応募しながら、これを辞退した者」6人については慰謝料を275万円に減額した。
 日帝権力とJR資本の基本路線は、動労千葉を徹底して排除し、それにより1047名を分断し、1047名闘争を最終的に解体することだ。3・25判決を打ち破り、1047名闘争に勝利するためには、9・15判決を徹底弾劾する立場に立つことが絶対に必要だ。

 第2章 動労千葉排除し権力に依存

 世界大恐慌がさらに激化し、「生きさせろ!」という労働者の嵐のような決起が巻き起こる中で、権力と資本は1047名闘争を解体する以外に労働者支配を貫徹できないところに追い込まれている。資本は労働者階級にすさまじい大量首切り攻撃を仕掛けながら、これに対する労働者の根底的な怒りが1047名闘争と結びつくことを恐れている。だから権力は、今ここで1047名闘争を解体しきらなければ革命を呼び起こすという激しい反動的危機感に駆られて、今回の反動判決を振り下ろしたのだ。
 この反動判決を引き出したのは、動労千葉を排除し、解雇撤回を投げ捨てて「政治解決」を呼号し続けてきた4者4団体の裏切りだ。彼らは、1047名闘争が動労千葉の闘いと結合して貫かれれば、革命に結びつくことに恐怖して、動労千葉の排除に走った。
 この4者4団体は、9・15判決に屈服し、9・15判決に体現された権力の意図に乗ったところから生まれた。彼らは、9・15判決を賛美することにより、自ら1047名の中に分断をつくり出してきたのだ。
 動労千葉排除から始まった4者4団体の裏切りは、解雇撤回の原則を投げ捨て、ついに「政治解決」と称する権力・資本への底なしの屈服にまで行き着いている。それはもはや、労働運動の最低限の常識をもかなぐり捨てた、全面投降そのものである。
 控訴審判決が出されたことにより、4者4団体の「判決前政治解決」は全面破産した。同日の判決報告集会で、国鉄闘争共闘会議の二瓶議長は自らの破産を全面的に居直りつつ、「国会開催中に解決したい。そのために自民党をどうしても引き込みたい」などと公言した。それは、1047名をとことんまで自民党に屈服させるということだ。4者4団体は、東京高裁の南裁判長が「判決を機に早期解決を望む」と発言したことを最大限に持ち上げて、1047名闘争の自己解体へとさらに激しくのめり込もうとしている。
 4者4団体の幹部は、「雇用・年金・解決金の3項目は譲れない」「解決金だけの解決は受け入れられない」などと言う。だが、その3項目を実現するためには、解雇を撤回させなければならないのは自明のことだ。にもかかわらず、彼らは「解雇撤回」の4文字は何としても消し去ろうとする。それは、実際には4者4団体が「雇用・年金・解決金」の3項目要求も投げ捨てているということにほかならない。
 4者4団体幹部がしていることは、敵に土下座し、団結を自ら崩して、闘争団員の絶望をあおることでしかない。それは「政治解決路線」ですらない。階級的原則を貫き闘う労働者に敵対する者たちは粉砕あるのみだ。

 第3章 大量解雇との闘いの先頭に

 3・25判決を機に、1047名闘争はその原則的貫徹か、最後的解体かをめぐるかつてない攻防に突入した。この情勢を前に打ち抜かれた3月17〜19日の動労千葉のストライキは、1047名解雇撤回に向けての突撃路を切り開いている。平成採の青年労働者を結集し、JR資本と真っ向から対決する動労千葉の闘いこそ、勝利の展望を指し示している。3・20渋谷大デモは、動労千葉とともに闘う青年労働者を先頭に全国から1850人の労働者を結集し、圧倒的に打ち抜かれた。
 今や労働者を襲う首切り攻撃に対して、全国・全世界で無数のストライキが激発している情勢だ。こうした闘いと結合し、その最先頭に国鉄闘争が立った時、1047名の解雇撤回という歴史的勝利を実現することができる。
 4月25日には動労千葉の呼びかけのもと、尼崎事故弾劾の現地闘争が行われる。国労5・27臨大闘争弾圧被告団はこの闘いの先頭に立つ。闘争団を始め闘う国鉄労働者は4・25尼崎現地闘争に結集しよう。職場から闘いを巻き起こし、JR資本と徹底的に闘うことが、1047名闘争の勝利を引き寄せるのだ。
 3・25判決は、4者4団体にその破産を明白に突きつけた。反動判決を徹底的に弾劾し、4者4団体路線を怒りを込めて粉砕しよう。解雇撤回の原則を高々と掲げて勝利の道を歩もう。解雇撤回を貫くことのみが敵階級への回答だ。