2009年6月 1日

法大弾圧に抗議し即時釈放を求める声明

週刊『前進』08頁(2393号1面2)(2009/06/01)

法政大学での学生弾圧に抗議し即時釈放を求める緊急全国声明

 法大学生運動への暴処法(暴力行為等処罰に関する法律)を使った大弾圧に、多くの労働者や学生の怒りの声が一斉にわきおこっている。このほど、闘う労働組合や市民団体、弁護士の中から、この弾圧に抗議し、逮捕された学生の即時釈放を求める緊急全国声明が発せられ、賛同署名が呼びかけられた。その声明文を紹介します。(編集局)
 法政大学で、まったく許すことのできない学生運動破壊の大弾圧がおきています。5月15日から16日にかけて、警視庁公安部は法大生10人を含む11人の学生を「暴力行為等処罰法違反」をデッチ上げて逮捕しました。そのうち2人は別件で起訴された上での再逮捕です。18日にはさらに1人の学生が別件で逮捕されました。このほか、公安警察が多数の法大生を「事情聴取」と称して呼び出し、拉致・連行して徹夜をも含む長時間の取調べを行い、完全黙秘で不屈に闘っている学友の権力への売り渡しを強要するという、言語道断のことが行われています。
 今回の弾圧を含めて、法大での逮捕者は、2006年3月以来の3年間になんとのべ107人、起訴者は24人にもなります。その発端は、学内でのビラまきも立て看板も演説も禁止という大学当局の一方的な決定に抗議して集まった学生が「建造物侵入」で大量逮捕された事件でした。あらかじめ当局と示し合わせて待機していた200人の公安刑事たちが、一斉にキャンパスに突入して行われた不当逮捕です。以来、退学・停学の処分と逮捕・起訴の弾圧が次々としかけられ、これに屈服せず抗議を続ける学生には当局が雇った暴力職員、右翼ガードマンが襲いかかるという事態が繰り返されてきたのです。
 法政大学で行われているこの学生弾圧に、私たちは驚きと怒りを抑えることができません。今回の弾圧はとくに、学生のサークル団体である法大文化連盟と、戦争に反対して闘っている全学連の学生に集中しています。12人の逮捕者の中には、法大文化連盟の執行部全員と、全学連の委員長始め三役が含まれています。
 しかも逮捕の理由とされているのは、正門前に掲示してあった当局の看板が学生たちに破壊されたというものです。この看板とは、処分された学生や高額の学費が払えなくなった文化連盟の学生の実名をさらし、立ち入りを禁止した看板です。教育機関であるはずの大学が、こんな掲示物を教室の入口にまで貼り、多数の監視カメラを設置して学生の行動を逐一監視している。このこと自体があまりにも異様です。学生から思想・表現の自由も一切奪い、キャンパスを暴力ガードマンが支配する一種の「監獄」に変えている、こんな大学はもはや大学とは言えません。本年3月には、大学の「営業権」をふりかざして「情宣活動禁止の仮処分」まで発動しています。こうした現実は今すぐ打ち壊され、根本的に変革されねばなりません。
 私たちは、この学生弾圧に激しい憤りを覚えるとともに、度重なる弾圧に屈することなく胸を張って闘いぬいている学生たちに心から感動し、尊敬と連帯を表明します。法政大学の現実は、新自由主義攻撃が教育と大学にもたらした象徴的な姿です。これを打ち破ることは、学生だけでなく、大恐慌と戦争の時代に立ち向かうすべての労働者・市民の死活問題です。
 今回、学生たちの闘いを圧殺するために暴処法が発動されたことはきわめて重大です。暴処法は戦前、治安維持法と一体で制定され、集団での行動自体を犯罪として労働組合の解体・労働運動弾圧に猛威をふるった弾圧法です。その法大文化連盟と全学連への適用は、まさに戦前の、教育と学問の圧殺、戦争体制確立に道を開いた「京都学連事件」を思わせるものです。この弾圧を打ち砕くことなしに、労働組合の未来も、全人民の未来もありません。
 法大での学生弾圧に、抗議の声をあげましょう。国家権力の暴力に真っ向から不屈に立ち向かっている学生たちを激励し、支援しましょう。6月14日と15日には、この弾圧粉砕を掲げて全国から労働者・学生が首都東京に集まることが呼びかけられています。労働者・学生・全人民の怒りの力で法政大学と権力を包囲しましょう。
 国家権力は12人の学生たちを直ちに釈放せよ!
 法大当局・増田総長は、一切の処分を撤回し、全学生に謝罪せよ。そして、学生の自主的な活動を規制する一切の規定・決定を破棄せよ!
 2009年5月26日