2009年6月 8日

JP労組大会へ現場からの訴え(下) 「郵政事業の発展」掲げるJP労組中央打倒を

週刊『前進』06頁(2394号4面2)(2009/06/08)

JP労組大会へ現場からの訴え(下)
 労働組合は革命の主体
 「郵政事業の発展」掲げるJP労組中央打倒を

 労働組合とは何かが大会で問われている

 戦争と革命の時代が始まった。GMとクライスラーが破綻し、年間2兆円もボロもうけしていた「世界一」のトヨタが一転して5千億円もの大赤字会社に転落した。世界の失業者は1億9千万人を突破。資本主義は労働者を食わせることもできなくなった。帝国主義は、イラク、アフガニスタン、ソマリア沖への侵略戦争に続き、北朝鮮に対しても戦争準備を始めている。貧困と戦争を拡大する以外に資本主義は成り立たなくなったのだ。起こっていることは、労働者から搾り取って一握りの資本家だけが肥え太ってきた資本主義社会の崩壊だ。
 全世界で労働組合がゼネストや工場占拠に次々立ち上がっている。解雇された青年労働者を先頭に「生きさせろ!」の怒りが爆発している。この世界の労働者と手をつなぐ時がきたのだ。労働組合が闘うならば、私たちを苦しめる民営化を粉砕できる! 逃れられない現実と思わされてきた搾取と支配の鎖を引きちぎり、貧困や戦争のない社会をつくることができる! JP労組全国大会で問われていることは、労働組合とは何かということだ。

 労働者が生きていけない職場になる!

 いま麻生政権と日本経団連は戦争と改憲に突き進み、労働組合の団結を破壊する民営化攻撃を全社会に広げようとしている。そして連合は、この世界大恐慌の中で日本経団連と「労使共同宣言」を結び、さらに政府を加えた「政労使合意」を発表。資本を救済するために一切の闘いを封殺すると宣言した。「連合」中央は労働者の敵であると自分で宣言したのだ。今春闘でJP労組中央本部は「スト絶滅宣言」まで出したではないか!
 JP労組第2回大会の基調・方針は何か? 労働者を犠牲にしてでも「郵政事業の持続的発展」を進める。これがJP労組の方針だというのだ。
 議案書では「郵政事業の持続的発展のために」①JPEX子会社化を積極的に推進する②郵便事業会社本体の労働条件も「JPEXなみ」に改悪する「新たな人事・給与制度」を労使一体で承認する③生産性向上運動を労組自ら推進する④組合員を国家・企業に奉仕する「社会貢献」運動に動員する——などが提案されている。
 実際にどうなるか。①JPEXは1割の正規職労働者、9割の非正規職労働者の職場となる。正規職に非正規職を指揮・命令・管理させ、正規職・非正規職を徹底的に分断する。また、年間労働時間の大幅アップ、年間変形労働時間の導入で8時間労働制が解体され、長時間労働となる。
 ②「新たな人事・給与制度」で郵政職場全体に成果主義賃金を導入。10人に1人しかもらえない(民間の実態)歩合給で労働者同士を競争させる。大多数の労働者が2割以上の減給、正規職では年収で最大200〜300万円の賃下げ。ボーナスは最大「2カ月」の格差。
 ③「生産性向上」で他社との競争が最優先。労働災害は頻発する。郵政資本とJP労組中央が一体となって、人間らしく働きたいと願う現場労働者の人間的つながりや団結を破壊する。
 ④連合の最大単組であるJP労組が「改憲・戦争と民営化・労組破壊」の旗振り役になる。
 もはやこんな職場では労働者は生きていけない!

 労働者階級は資本家階級と闘って勝てる

 JPEX子会社化も「新たな人事・給与制度」も、世界大恐慌という資本家のピンチの時代ゆえの攻撃だ。しかし現場労働者は誰一人こんなものは認めていない。当局の攻撃は、JP労組中央の積極的な協力ぬきには成り立たないのだ。今全国大会闘争は「労働者と資本家は非和解だ」「労働者こそが社会の主人公だ」「労働組合こそ革命の主体だ」をめぐるJP労組本部と現場労働者との闘いに核心がある。
 組合中央は「会社とJPEX事業の発展」を公言、資本と一体となって「他社との競争」を主張している。仲間同士を競争させ分断する成果主義賃金を「頑張ったものが報われる制度」などと称賛する。しかし「他社との競争」とは「他社より多く働かせる」ことだ。「頑張った」現場労働者が生み出したすべての利益を資本家(経営者)が横取りする。これが資本主義だ。
 郵政当局は、仕事中の事故をすべて「社員の自己責任」だと、現場に責任を押しつける。誤配をすれば始末書・処分、営業をしなければ「何でやらないんだ!」と恫喝、交通事故を起こせば「もう軽四には乗せない」と言われ、非正規職の労働者は一言で「もう来なくていい」と首を切られる。この監獄職場こそが民営化の中身なのだ。
 私たちは郵政民営化絶対反対を掲げ、闘う団結をつくり出すために歯を食いしばってきた。昨年来の非正規労働者雇い止め絶対反対の闘い、東京中郵での支部権力をめぐる闘い、東京日逓中野での雇い止め絶対反対の闘いなどをとおして、全国の全逓労働者は、労働者階級は資本家階級と闘って勝利できる存在であることをつかんできた。
 世の中を実際に動かしているのは資本家ではなくわれわれ労働者なのだ。闘いが実を結ぶときがきた。首都東京で6・14—15連続闘争に総力決起し、法政大決戦に勝利しよう。その力で闘う労働組合をよみがえらせよう! 6・17—18JP労組全国大会へ闘うぞ。
 (仙台・全逓労働者 高樹善朗)