2009年7月20日

侵略翼賛に大転落 日教組本部打倒を 道州制・民営化絶対反対 革共同教育労働者委員会

週刊『前進』06頁(2400号3面1)(2009/07/20)

侵略翼賛に大転落 日教組本部打倒を
 道州制・民営化絶対反対貫き 8・6ヒロシマに決起しよう
 革共同教育労働者委員会

 7月6日から行われた日教組全国大会は、日教組本部が30万組合員を侵略翼賛運動に引きずり込もうという歴史を画する転向大会となった。そして今年の8・6ヒロシマ反戦反核闘争は、反戦反核闘争つぶし、日教組・自治労絶滅攻撃との大激突の中で闘われる。現場で激突が始まっている道州制攻撃と闘いぬいて8・6に結集し、11月労働者集会に突き進もう。

 8・6—11月労働者集会1万人結集へ突き進もう

 世界大恐慌が果てしなく進行し、全世界で大失業攻撃が吹き荒れ、保護主義が新たな世界戦争の危機を引き寄せている。
 政権崩壊の危機に直面する麻生政権は、衆院解散—総選挙を決定し、政治支配体制は大流動・再編過程に突入した。
 こうした中で教育労働運動は今、道州制・民営化阻止の4大産別決戦の最先端の闘いとなっている。日本経団連・御手洗が道州制実現の「国民運動」を提唱したことは、すべての労働者、とりわけ教育労働者に対する決定的な攻撃だ。
 1980年代の国鉄分割・民営化攻撃では、マスコミ総動員で「ヤミ手当・カラ出張」「国鉄労働者は国鉄赤字を生み出した国賊」と大宣伝された。支配階級は今、それと同様に「公務員イコール国賊」と大宣伝して、日教組と自治労を完全解体しようとしている。
 道州制導入による公務員360万人首切りの最大のターゲットは、教育労働者だ。関西経済同友会の提言では、公立学校は一律に公設民営化、教育労働者全員を非公務員化すると宣言している。教育労働者こそ、道州制阻止の最先頭で闘おう。
 戦争か革命か——時代の行方を決するのは、労働組合をめぐる攻防だ。連合や日本共産党は「労使共同宣言」「北朝鮮制裁決議」などをとおして労働者階級を資本主義救済運動、侵略翼賛運動に引きずりこもうとしている。「絶対反対」を貫いて闘い、体制内労組幹部と激突して階級的団結を拡大していくことだけが、恐慌と戦争の時代に通用する闘いだ。
 今年の8・6ヒロシマは大決戦だ。既成原水禁運動指導部はヒロシマを「オバマ賛美」で染め上げようとしている。他方、田母神ら極右ファシストが広島に乗り込み、日教組つぶしの最先兵となろうとしている。
 「オバマも麻生も倒せ! 北朝鮮侵略戦争阻止!」を掲げ、動労千葉派が主流派として登場し、ヒロシマ圧殺攻撃をぶっ飛ばそう。4大産別決戦と、動労千葉・米ILWU(国際港湾倉庫労働組合)・韓国民主労総ソウル本部を中心とする国際連帯の力で、核と戦争を阻む新たな反戦反核闘争をつくり出そう。
 職場の怒りを結集し、8・6に教育労働者の大隊列を登場させ、11月労働者集会1万人結集への進撃を開始しよう。

 青年の怒りと結びついて教育の民営化と対決を

 国鉄1047名闘争=第2次国鉄決戦を先頭にした4大産別決戦と、新自由主義大学を打ち破る法大決戦が、日本階級闘争の最先端で大きな勝利を切り開いている。この勝利の上に今、道州制・民営化攻撃との決戦が大攻防になっている。
 戦争・改憲、民営化・労組破壊攻撃が教育現場を襲っている。教育の民営化、非正規化攻撃は、すでに激しく進行している。正規教員の非常勤・常勤講師への置き換えが進み、教員志望者の多くが「○○指導員・支援員」といった名称で非正規雇用やボランティアとされている。
 採用試験に合格したとしても、校内60日・校外30日間の研修を受けながら「仕事は一人前にこなせ」という過酷な試練が待ち受けている。連日深夜までの残業、休日出勤も当たり前だ。07年度の新規採用者のうち全国301人、東京では54人が退職・免職となっており、管理職のパワハラで自殺に追い込まれる青年があとを絶たない。
 教員免許更新制により、本採用されても10年の有期雇用だ。10年ごとの更新講習で修了認定が得られなければ教員免許状は失効し、自動的に失職する。誰も首切り責任を取らない、教育労働者版の「国鉄改革法23条」というべき仕組みだ。
 免許が更新されたら10年間は身分が保障されるわけでもない。「指導改善研修—分限免職」制度で、いつ「指導力不足」の烙印(らくいん)を押されて首を切られるかわからない。国家公務員では、人事評価が「D」とされた職員を「勤務実績不良」で分限免職するシステムが動き出している。「評価制度—査定昇給」で職場の団結と協働を解体し、主幹教諭や指導教諭など「新職=新級」設置で上命下達体制をつくり出し、クビの恐怖で教育労働者を服従させようというのだ。
 支配階級が欲しているのは、競争と選別の教育によって「ワーキングプアも失業も受け入れる」従順な労働力を養成することだ。そして、改悪教基法を受けて新指導要領総則に盛り込まれた「国を愛し、国際平和に貢献する日本人」を育成することだ。文科省は、教科書会社に改悪教基法の教育目標に対応した愛国教材を盛り込ませ、「つくる会」歴史教科書・公民教科書だけでなく、全教科で愛国心教育を強制しようとしている。すでに今年4月の北朝鮮「ミサイル」発射をめぐって有事体制が発動され、教育労働者は「非常参集・避難誘導」に動員された。
 労働者階級を食わせていけない、戦争なしに生き延びられない帝国主義を打倒するために労働者階級の最先頭で闘うことこそ、教育労働者の自己解放の道だ。今こそ、労働組合が社会を根本的に変革する主体として登場すべき時なのだ。

 「教え子を戦場に送る」道に転落した日教組本部

 日教組本部は、7月6〜8日の第97回定期全国大会をもって、改悪教基法—教育3法をそっくり受け入れ、日教組運動を「教え子を戦場に送る」侵略翼賛運動に引きずり込もうとしている。
 大会スローガンのトップに掲げられた「参加・提言・改革を実効あるものに」とは、日教組運動を、国家・資本の要求を代弁する政策提言運動に変質させることだ。
 本部は世界大恐慌を直視せず、問題を「子どもの貧困」に切り縮めている。教育労働者の大量首切りとの闘いを一切放棄し、連合の「日本版グリーンニューディール」の一環としての教育投資要求と「子ども救援カンパ」にのめり込んでいる。「日の丸・君が代」強制を始め、「愛国心教育」との闘いをまったく放棄し、連合・原水禁の「オバマ礼賛」=「北朝鮮制裁」運動に組合員を駆り出そうとしている。
 これらはみな、道州制・教育の民営化攻撃に沈黙し、その先取りを自ら推進するものだ。教育現場に激増する非正規労働者の「待遇改善」は求めても、正規化は絶対に求めない。免許更新制には「現場が混乱しないように取り組む」と言い、職場の怒りを圧殺して制度を定着させることに腐心し、「新職への新級創設」を掲げ、差別賃金を自ら要求している。
 国鉄分割・民営化攻撃は、労働組合に「首切り3本柱(退職制度改悪と一時帰休、出向)」を認めさせることから始まった。そして「一人の首切りも許さない」という労働組合の原則を放棄した労働組合は、首切りの先兵に成り果てた。日教組第97回大会運動方針はまさに、道州制・日教組解体攻撃に震えがった本部の、支配階級に対する転向誓約書なのだ。

 不起立を軸に職場に団結を

 日教組本部が「参加・提言・改革」をまたぞろ掲げているのは、民主党への政権交代によりそれが「実効ある」ものとなるという幻想を振りまくためだけではない。
 「君が代」不起立闘争が原動力となって、教基法改悪阻止闘争が大きく高揚し、沖縄の教科書闘争や北教組の査定給反対ストなど、日教組傘下で文科省との「パートナー路線」をぶっ飛ばす闘いが始まったからだ。
 08年春の日教組全国教研で全体会場の契約が取り消されたことや、同年9月の元国土交通相・中山成彬の「日教組解体」発言は、こうした動きに驚愕(きょうがく)した支配階級の日教組本部への恫喝だった。
 この恫喝に完全に屈服し、「日の丸・君が代」不起立闘争への弾圧に自ら乗り出したのが日教組本部だ。今年2月の全国教研では、昨年に続いて東京の「日の丸・君が代」レポートを排除したばかりか、会場前に機動隊を導入し、不起立で闘う組合員を排除した。日教組本部は、一切闘わないだけでなく、今や闘う組合員を国家権力に売り渡す存在に成り果てた。
 だが、機動隊の壁と対峙して日教組本部を弾劾しぬいた青年労働者の姿は、本部を打倒し、30万組合員の怒りを解き放つ、新たな階級の指導部の登場を告げ知らせた。
 東京の教育労働者は03年「10・23都教委通達」以来6年にわたって、累計423人の処分をのりこえて不起立闘争を不屈に継続している。今春も、累積加重による懲戒免職も、08年7月に策定された「分限対応指針」による分限免職も阻み、団結の力で首切り攻撃を打ち破る闘いとして発展している。闘いは海を越え、アメリカの校内募兵反対闘争と結び付き、教育の民営化・学校の軍事化と闘う国際連帯をつくり出している。

 第2・第3の動労千葉を教労戦線につくり出そう

 「日の丸・君が代」不起立闘争は今、何よりも青年教育労働者の怒りと結合し、日教組本部打倒の力となって成長しつつある。青年労働者は今、闘わない組合幹部に不信を募らせる一方、処分を辞さずに正義を貫く不起立闘争に、真の団結と、あるべき労働組合の姿を見出している。
 恐慌と戦争の時代を迎え、「日の丸・君が代」闘争が真価を発揮するのはこれからだ。不起立闘争を軸に職場の団結と闘いをつくり出し、組合権力の奪取へ前進しよう。教労戦線に「第2・第3の動労千葉」をつくり出し、道州制・教育の民営化攻撃を迎え撃とう。
 すべての闘う教育労働者、とりわけ青年労働者のみなさん!
 不起立を闘う現場組合員が呼びかける8・5教育労働者交流集会に結集し、恐慌と戦争の時代に立ち向かう階級的労働運動をともにつくり出そう。連合・原水禁の侵略翼賛運動と決別して、「8・6ヒロシマ大行動」に全国から総力で結集しよう。
 そしてその力で、11月労働者集会を大恐慌を革命に転化する歴史的な大闘争としてかちとろう。