2009年7月27日

関空闘争 “道州制粉砕・橋下打倒へ”

週刊『前進』06頁(2401号1面2)(2009/07/27)

関空闘争 “道州制粉砕・橋下打倒へ”
 泉州住民の会が単独で主催 解放感と勝利の確信

 7月19日、大阪府泉佐野市で関西新空港反対全国集会とデモが闘われた。地元住民・労働者60人を先頭に大阪、東京、千葉、広島、愛知、九州など全国から参加、昨年の1・5倍の275人の結集で大高揚した。
 今年の関空闘争は、泉州住民の会が単独で主催した。関空集会をめぐって関西実行委と三里塚反対同盟から「声明」が出されたことが逆に討論を巻き起こし、闘う路線を鮮明にし、参加者が増えた。
 泉州住民の会役員・中山綾子さんの司会で開会した。冒頭、「住民の会は14人の役員が真剣に何回も議論し、今日の集会を開催しています」と住民の会の決意を述べた。
 連帯のあいさつは、入江史郎全国労組交流センター代表、動労千葉、8・6ヒロシマ大行動実行委員会などが行った。昨年は発言してもらえなかった婦人民主クラブ全国協議会、部落解放同盟全国連西郡支部は、泉州住民の会の大事な共闘団体として紹介され、連帯のあいさつを述べた。
 国賀祥司事務局長(泉佐野市議)が基調報告を行った。冒頭「今年の関空闘争は気持ちよく闘っています」と述べた。そして時代認識を述べた。「世界恐慌の中、関空闘争に勝利できる絶好の情勢を迎えている。今こそ闘う時だ。世界最大の製造業GMが倒産し、日本では自民党があっという間に崩壊状況、恐慌情勢が革命情勢にダイナミックに動いている。労働者が決起している。勝てる情勢だ」。
 そして、「闘って勝利する路線は、道州制粉砕! 橋下打倒にある。闘う部隊は住民と労働者だ。団結した力が無限の力を発揮する」と述べた。参加者から大きな拍手が起こり、基調報告は圧倒的に支持された。
 関空は便数、旅客が毎月減って倒産の危機にある。いや実質的に倒産している。われわれが闘えば勝利できる情勢になったことを確信させた。
 動労千葉の滝口誠さんがサンフランシスコでの国際労働者会議の成功を報告した上で、重要な発言をした。(要旨別掲)
 カンパアピールを住民の会の新しい青年役員が行った。
 決意表明は、関西労組交流センター、国労5・27臨大闘争弾圧被告の羽廣憲さん、自治体労働者、八尾北医療センター労組、関西合同労組泉州支部、全学連が行った。関西労組交流センター代表の富田益行さんは、「関空を内部から食い破る労働者の決起をつくり出す。市民病院の独法化に反対する労働者の闘いをつくり出す」と述べた。自治体労働者は7・29道州制反対青年労働者集会への参加を訴えた。関合労泉州支部は「4月から泉州住民の会に団体加盟した。労働者階級として関空闘争の勝利に責任を取る」と述べた。
 最後に泉州住民の会の役員が閉会あいさつを行った。「今日は住民の会の単独主催で画期的な集会になった。西郡支部や婦民には今年は思う存分に発言してもらった。関空は軍事空港として造られた。軍用機を飛ばしてはいけない」と述べた。
 この日の集会の一切を泉州住民の会が責任をもってやりきった。
 さあ、デモだ。関空対岸のりんくうタウンに向けてデモ隊は出発した。沿道には住民が出てデモ隊を応援した。
 照りつける太陽の中、解散地点のマーブルビーチに着いた。巨大な空港島には1万5千人の労働者が働いている。連絡橋を通ってJRや南海の労働者が電車を運んでいる。労働者が立ち上がれば、空港も鉄道も止まる。労働者こそが空港の命運を握っている。労働組合を武器に団結を拡大すれば必ず勝利できる。11月1万人決起で決着をつけよう。勝利に向けて前進しよう。
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 動労千葉・滝口さん発言 闘いの原則で一致することこそ団結回復の道

 泉州住民の会の声明を支持します。それは、関西新空港反対闘争の主体は地元泉州の住民・労働者の皆さんだからです。そして皆さんの声明が、様々な問題をのりこえて湾岸共闘、関実の団結の回復を真剣に求めているからです。私たちは、泉州住民の会が長年、地道に、そして大衆的に不屈に闘いを組織し続けてきたことを知っています。動労千葉は、皆さんとともに闘っていきます。
 私たちは、関西実行委員会・湾岸4団体とも長年共闘関係にあります。「泉州住民の会が主体となり、湾岸4団体の協賛・協力を得て本日の集会を成功させたい」という皆さんの訴えは、まったく正当なものだと考えます。関空闘争を準備してきた泉州の皆さんに対し、なぜ泉州住民の会を排除する声明が出されたのか、まったく理解できません。
 私たちは、三里塚反対同盟と「車の両輪」として闘ってきました。三里塚空港へのジェット燃料貨車輸送阻止闘争を始め、三里塚の闘いは私たちにとってまさに自らの闘いです。その意味で関西実行委員会の問題について、闘いの亀裂を深めるような同盟の声明は残念でなりません。
 何よりも関実の問題は関実自身が解決するべきです。三里塚闘争に心を寄せている全国の様々な方々が40年間団結できてきたのは「空港絶対反対、農地死守、労農連帯」という同盟の原則のもとに一致してきたからです。
 三里塚闘争、関西新空港闘争は、今の情勢の中でますます重要になっています。動労千葉は、この状況を克服するために全力をつくす決意です。