2009年9月14日

“裁判員裁判やめろ” 各地で闘い

週刊『前進』06頁(2407号6面2)(2009/09/14)

“裁判員裁判やめろ” 制度廃止へ各地で闘い

 8月3日東京地裁、10日さいたま地裁を皮切りに、マスコミを総動員して始まった裁判員裁判だが、逆に「ワイドショー化された刑事裁判」(高山俊吉弁護士)に対する怒りが噴出している。「裁判員制度はいらない!大行動」の呼びかけで9月冒頭から青森、神戸、大阪、山口、福岡で「裁判員裁判をやめろ!」と絶対反対の闘いが続いている。(編集局)

 青森地裁で大行動 高山俊吉弁護士と共に登場

 青森では9月1日と2日の両日、青森地裁で行われた全国3番目の裁判員裁判に「改憲阻止! 戦争絶対反対!」の怒りの闘いをたたきつけ、11月集会1万人決起へスタートダッシュしたことを報告します。
 今回の闘いは、大恐慌への突入と8・30自民党崩壊情勢を受けて、青森の闘う仲間が腹を固めて「よしやろう!」と総決起してかちとられた。
 両日は、とめよう戦争への道!百万人署名運動・青森県連絡会の仲間や賛同人が決起した。
 2日は朝から大運動呼びかけ人の高山俊吉弁護士と織田信夫弁護士も参加、裁判員制度はいらなインコが青森にも登場し、圧倒的な存在力を発揮した。
 1日午前11時、裁判所前は100人近くの報道陣が地裁前に陣取り、2日から始まる裁判の「裁判員選任手続き」に来る裁判員候補者を待ち構えている。裁判所の正面の壁には「わもなも裁判員!」(あなたもわたしも裁判員!)という横断幕が掲げられている。
 東京、さいたまに続く3回目の裁判員裁判となった青森裁判は日帝・国家権力の側にとっても「性犯罪事件」を利用しての制度定着化を目指すポイントの裁判だ。
 東京からかけつけた仲間と裁判所前で合流し、アジテーション・ビラまきの闘いに入った。
 「裁判員制度は国民の権利を踏みにじる制度。廃止するしかない」「戦争動員の裁判員制度は絶対に許せない。犯罪が多発する原因である資本主義社会の破綻的現実を問題にするのではなく、そこから目を背けさせ、労働者同士を権力側の立場から裁き合いさせる。三権分立の建前さえもかなぐり捨てて、裁判所が国民動員の権力機構そのものとして登場しようとしている。絶対に許せない。裁判所の労働者のみなさん。誇りをかけてともに闘おう」と訴えた。ビラはどんどん受け取られた。
 途中から地元の弁護士、仙台の弁護士も参加して1日目の行動を打ち抜いた。各テレビ局の昼・夕方ニュース、新聞各紙で報道された。
 2日目の行動は労働者・学生から圧倒的注目を受けた。「署名あるのか」と自ら署名をしにきた女性がいた。行動に参加していた東北大や弘前大の学生に傍聴券抽選アルバイトの学生が「なぜ裁判員制度反対なのか」と討論を求めてきた。共産党支持だという女性が「思想は違うが一致点がある。また話がしたい」と議論になり、ずっと高山弁護士のアジテーションを座って聞いているおじいさんがいたり。ビラは瞬く間になくなり、何度もコピーに走った。裁判所前はさながら解放区でした。
 裁判員制度反対の闘いは、「絶対廃止」を貫く闘いです。裁判員制度が許せない核心点は、権力が労働者同士を分断し斬(き)り合わせ、「被害者感情」までも利用し尽くしてやろうという薄汚い精神です。
 この攻撃に対し、裁判員制度は許せないという怒りを組織し、労働者人民の団結を拡大していこう。
 (青森 K)

 大阪地裁を包囲し 百万人署名運動大阪府連絡会 40人が抗議行動

 9月7日の神戸地裁、8日の大阪地裁で裁判員裁判が開かれたことに対し、とめよう戦争への道!百万人署名運動大阪府連絡会の呼びかけで、連日の抗議行動が闘われました。
 7日の神戸地裁前では、早朝からのビラまきを行いました。翌8日大阪地裁前抗議行動には、百万人署名運動奈良県連絡会、全国連西郡支部、大阪星野さんを取り戻す会、関西労組交流センターなどから延べ約40人が結集し、早朝から闘いぬきました。
 東京からは、裁判員制度はいらない!大運動の武内更一弁護士と裁判員いらなインコが駆けつけ、大阪弁護士会の富崎正人弁護士と一緒に抗議行動の先頭に立ちました。
 朝8時、大阪地裁正面に登場し、のぼり、旗を林立させ、大阪地裁の4カ所の入り口に分かれ、のぼりを立て、呼び出された裁判員候補者、裁判所職員、報道陣や通行人にビラをまきました。大運動の弁護士とインコは、地裁正面前に陣取り、マイクを握って道行く人びとに抗議のアピールを続けました。
 午前9時半過ぎには全員が正面に集まり、ミニ集会が開かれました。弁護士、百万人署名運動大阪府連絡会、全国連西郡支部、ス労自主、大阪星野さんを取り戻す会が次々にアピールし、裁判員の選任が行われる裁判所に向かって全員で抗議のシュプレヒコールを上げました。
 午前11時、傍聴手続きが行われる地裁第二別館近くの路上に移動し、第2弾の抗議行動が行われました。昼12時半すぎ、簡単な総括集会が開かれ、2000枚のビラがまかれたことが報告され、裁判員制度を廃止に追い込むまで粘り強く闘い続けること、10・2全国集会を成功させ、11月集会1万人決起をかちとることが勝利の鍵であることを全体の拍手で確認し、行動を終えました。

 11月1万人へ

 百万人署名運動大阪府連絡会が呼びかけたことによって、神戸、大阪と連日の抗議行動は成功しました。裁判員制度を国家権力と一体となって推進している日弁連主流派の牙城(がじょう)である大阪の地で、裁判員制度絶対反対の運動が始まりました。
 「罰金10万円」の恫喝にもかかわらず、8月3日の東京地裁での開始以来、辞退者、欠席=拒否者が相次いでおり、神戸では6人、大阪でも3人の欠席=拒否者が出ています。大阪地裁は「高い出席率だった」と宣伝していますが、実は呼び出し状送付の数を、それまでの半分に減らしていたのです。労働者民衆の怒りの前に、裁判員制度の破綻は必至です。労働者民衆の「絶対反対」の怒りの息吹で、日弁連の中から新たな決起をつくり出していこう。
 10月27日には京都地裁と大阪地裁堺支部、11月24日には奈良地裁で裁判員裁判の強行が予定されています。「裁判員制度絶対反対」の宣伝と闘いを繰り広げていくとともに、一切の勝利の鍵である11月全国労働者集会の1万人決起実現のために、闘い続けていく決意です。(大阪 S)

 “嫌なものは嫌と” 山口地裁前で廃止訴える

 9月8日、山口地裁で中国地方初の裁判員裁判が行われ、広島と山口の仲間9名で抗議、宣伝活動を行った。
 「事件」は、結婚2年目で倒れた寝たきりの妻(現在60歳)を13年も一人で介護してきて、疲れ果てた夫(63歳)が、妻の首を包丁で刺し全治10日の傷を負わせ、自らも自殺を図ったとする殺人未遂、とされている。
 そもそも全治10日が殺人未遂?! しかも自らも死のうとした。こういった事件は一般には「心中未遂」とか言われるものじゃないのか?!
 それをたった2日間(両日とも午後のみ)で判決を出す(出させる)という。どう考えたって「裁判」と呼べる代物でないことは明らかだ。
 山口地裁前は人通りはあまりなく、マスコミが大挙して押し寄せ異様な雰囲気だ。午前中に、呼び出しを受けている裁判員候補者がパラパラとやってくる。徒歩で来た人は大勢の記者やカメラに取り囲まれる。皆一様に顔を強張らせ緊張した面持ちだ。おどおどしながら「有給休暇をとって来た」とか「できれば選ばれたくない」「本当は来たくなかった」と不安そうに答えている。
 私たちはビラまきや署名とりを行いながら、裁判所に向かって「裁判員に選ばれた皆さん! 今からでも遅くありません。嫌なものは嫌だと席を立って拒否の声を上げましょう!」と訴えた。
 昼近くなるとマスコミの傍聴券確保のためのアルバイトの学生や若者などが集まり始めた(1人3000円といううわさだった)。「樋渡検事総長は『裁判員制度導入の目的は、被害者や被害者遺族のためではないし、被疑者のためでもない。国民の意識を変えるためだ』と言っている。国家の支配機構・統治機構に人民を取り込む制度だ。改憲・戦争へ向かうための国民動員の制度だ。一緒に制度廃止に立ち上がろう!」と訴えた。
 今回の裁判員裁判は、2362人を裁判員候補者として名簿に登載し、その中から抽選で90人を選び、辞退(拒否)が認められた人など21人を除き、最終的に69人に呼び出し状が送られた。その中からさらに辞退した人(明確に拒否した人!)などを除く39人が呼び出され、その内35人が裁判所に出向いてきたという。この事実一つとってみても、裁判員制度はあらかじめ破産している!
 公判前整理手続きによってすべてストーリーが作られ、今回の山口地裁での裁判はなんと審理時間3時間半だ。そして、一般の裁判であればこれほど大げさに取り上げられるはずもない「事件」——今回では夫婦の関係など——もつまびらかにされてしまう。疑問の声も次々に上がっている。
 また、ひたすら裁判員制度の宣伝役を買って出ているブルジョアマスコミも許せない。この日の傍聴券を確保するために集まったのはほとんどがマスコミに雇われたアルバイトだ。結局金のある大手から順にマスコミが傍聴券を手にするというわけだ。裁判所とマスコミが結託して裁判員制度を宣伝しているのだ。
 われわれ絶対反対派が登場する時だ! 裁判員制度廃止まで闘おう!
 (広島 S・K)