2009年10月12日

10・2全国集会 制度壊滅へ全国行動を 裁判員裁判

週刊『前進』06頁(2411号6面4)(2009/10/12)

10・2全国集会 制度壊滅へ全国行動を
 裁判員裁判の矛盾が拡大

 10月2日、「裁判員制度はやっぱりいらない!10・2全国集会」が東京・四谷区民ホールで開催された。「裁判員制度はいらない!大運動」の主催で450人の労働者・市民・学生が全国から集まり、「制度廃止の日まで、国会に、政府に、最高裁に、そして権力翼賛の日弁連執行部に、私たちの怒りをたたきつけましょう!」と集会宣言を発した。
 集会では、裁判員裁判の実態が暴露され、力強く発展する全国各地、各界の制度廃止の闘いが報告された。
 交通ジャーナリストの今井亮一さんの開会あいさつで集会は始まった。今井さんは「裁判員裁判を傍聴したが、まるでプレゼンテーション発表会。裁判員制度はいらない」と力を込めた。
 藤田正人弁護士が開始された裁判員裁判の実態についてレポート。「裁判員裁判は『市民参加』という名の刑事裁判ショー。簡易・迅速・重罰の『お白州』だ」と断罪した。裁判員裁判では、裁判員や被害者の参加によって、検察側と弁護側が対等に主張・立証を行い裁判官が第三者として判断する「当事者主義の原則」は投げ捨てられ、法廷は被告人に対する「公開リンチ」のワイドショーになった。被告人の防御権は完全に踏みにじられている。
 さらに「司法への市民参加」というペテンも暴き切った。裁判員の「約9割にのぼる高い出席率」とは、呼出対象者から呼出状発送段階で拒否した人などを含めない数値であり、実際の出席率は東京47%、高松29%など拒否者続出なのだ。裁判員を経験した多くの人も「非常に重くて苦しい制度」と反対の思いは募るばかりだという。
 裁判所は「皆さまが示された姿勢、意見が、日本の社会を支えていく」と裁判員に感謝状を渡しているが、藤田弁護士は「これは、制度の目的が市民・国民に治安維持を担わせ権力の思想に染めることであることを語っている」と暴露した。
 続いて、ジャーナリストの斎藤貴男さん(呼びかけ人)が「自分の記者時代の経験から見ても『専門家』と『素人』との関係をけっして甘く考えることはできない」と指摘した。

 全国での抗議行動に大反響

 高山俊吉弁護士の司会で行われた弁護士、町内会、市民運動、労働運動の各界によるパネルディスカッションは、制度廃止の運動が一層強固に広がりをみせていることを実感させた。愛知県の弁護士は、東海3県の弁護士ら約200人が9月に制度廃止の声明を発表したことを報告、弁護士会でも廃止決議をあげたいと意気込みを語った。町内会でも会長が先頭で地域丸ごとで議論している。市民運動でも絶対廃止の確信は深まるばかりだ。労働運動からはス労自主の棚橋竹三郎副委員長が登壇。また、動労千葉が運動方針として改憲阻止の一環に裁判員制度廃止を掲げ、組合員・家族に裁判員候補の通知が届いた場合、本部指示のもとに対応するとしていることも紹介された。
 福岡、岡山、大阪、東海、神奈川、埼玉、千葉の各運動団体がのぼり・横断幕をもって全員壇上に並び、各地の闘いを報告した。どの地域でも裁判員裁判実施に対し地裁を直撃する抗議行動に立ち上がり、大反響を巻き起こしている。決定的なことは、制度廃止の運動が制度実施後も、さらに勢いを増していることだ。
 まとめとして高山弁護士は、「裁判員裁判の実施はこの国の政治権力の危機を示している。支持のないまま強引に始めざるをえない。途方もない矛盾を抱えている。われわれの勝利の証しだ」と確認し、「修正は違う。廃止以外にない。たくさんの人たちが拒絶している。われわれが廃止の旗を掲げ続けているからだ。さらにその旗を高く掲げよう」と呼びかけた。11月以降、裁判員裁判の件数はひと月200件ほどに激増し、制度の矛盾と破綻はさらに拡大していく。
 高山弁護士は続けて方針を提起した。「各地の学習会を運動の拠点にしよう。『大運動』は裁判員裁判の真実を知らせるための『裁判員いらない!全国情報』を発行していく。これを武器に11月末から12月、裁判所が数十万人に候補者通知を送る時期に強力な全国一斉行動を組み、いよいよ制度を壊滅させる!」
 大成功の集会だった。