2009年11月12日

11・12オバマ訪日-日米首脳会談粉砕を 労働者の国際的団結で

週刊『前進』08頁(2414号2面1)(2009/11/12)

11・12オバマ訪日-日米首脳会談粉砕を
 大恐慌-日米争闘戦激化-世界戦争の道を阻止しよう
 労働者の国際的団結で勝利を

 11月12〜13日、米大統領オバマが東アジア歴訪の一環として訪日し、民主党・連合政権首相の鳩山との初の日米首脳会談が行われる。自民党政権の崩壊、民主党政権の登場を受けて、現在の日米関係はかつてない緊張と危機に突入している。世界大恐慌が日米帝国主義の足元を痛撃する中で、日米間では今、「東アジア共同体構想」「普天間基地移設問題」「アフガニスタン支援」の3大懸案をめぐる矛盾・対立と争闘戦が火を噴いている。今回のオバマ訪日=首脳会談は、日米争闘戦激化と侵略戦争・世界戦争への流れを促進する会議となる。労働者階級の決起で、オバマ訪日を迎え撃とう!

 「東アジア共同体」「普天間」が激突点

 11・1全国労働者総決起集会の歴史的な大勝利の地平から、さらに連続的に11・7〜9訪韓闘争を闘い抜き、国鉄1047名解雇撤回と道州制・民営化粉砕を階級的最先端として、民主党・連合政権打倒へとただちに力強い進撃を開始しよう。 
 今や11月集会派・動労千葉派の存在と闘いが、労働者国際連帯の画期的前進とともに、労働運動・階級闘争の最大の焦点となり、基軸となった。ここにこそ労働者階級の未来と展望があることが、いよいよはっきりした。11・12オバマ訪日=日米首脳会談粉砕の闘いは、11・1集会の地平を打ち固め、さらに発展させる闘いだ。
 11・12オバマ訪日は、米帝にとって巨大な位置をもち、「失敗が許されない」ものとしてある。それは日帝にとっても同じだ。では、現在の日米関係をめぐる情勢はどうなっているか。
 もともと民主党の安保・外交政策の根幹には、小沢の対米対抗性と「国連中心主義」が示すように、自民党的な日米同盟基軸を揺さぶりかねない対米的緊張がはらまれている。実際に鳩山は今年8月に、月刊誌『Voice』の論文で、「地域主権国家の確立」と「東アジア共同体の創造」を打ち出した。特にこの「東アジア共同体」は鳩山の祖父・一郎が唱えた「友愛」の理念を引き継ぐ、「大東亜共栄圏」の現代版といった意味合いがある。そしてその具体的政策には、ドル基軸体制を実質的に否定する「アジア共通通貨」の実現などが含まれている。
 これは日帝にとって、東アジアでのFTAネットワークの形成から立ち後れていることなどへの巻き返しであり、米帝排除の「円経済圏」形成の侵略的野望をはらんだものだ。しかしこれは米帝の利害と激突し、また今や巨大な経済規模をもつ「新興大国」としてもある中国とも矛盾・対立するものだ。当然にも米帝は、民主党が総選挙で勝利する以前から鳩山論文に激甚に反応してきた。
 こうした中でオバマ訪日を前に、10月20日、米国防長官ゲーツがやって来た。そして特に焦点の普天間基地問題で、民主党政権に「県内移設の現行案が唯一の道」「日米合意を早期に実現せよ」「オバマ訪日が期限だ」、そうでないなら「海兵隊のグアム移転なども白紙だ」と、居丈高に恫喝したのである。この米帝の”鳩山政権などぶっつぶすぞ”と言わんばかりの対日圧力=争闘戦に戦慄した岡田外相や北沢防衛相は、早々と「普天間県外移設」の政権公約も投げ捨てるにいたった。
 これは沖縄を始めとした労働者階級人民への、許し難い決定的な裏切りである。

 労働者人民を欺く鳩山の“時間稼ぎ”

 だがこれでは、民主党・連合政権の幻想も一気にはげ落ち危機に突入する。だから鳩山はグラグラしながら10月24日の記者会見で、「沖縄県民の心も大事」「オバマ訪日を期限としない」「最終的には私が決める」とペテン的に表明し、「時間稼ぎ」と結論先送りに躍起となっているのだ。
 しかし米帝オバマの路線と要求は、ゲーツが露骨に突き付けた方向しかなく、日米間の矛盾と対立は今や完全に一線を越えようとしている。だから鳩山自身、動揺と混迷を深めながら、結局は県内移設・辺野古新基地建設強行へとタイミングを計っているに過ぎない。
 これに対して、沖縄を先頭に労働者階級人民の根底的怒りの爆発が始まった。11・8の沖縄県民大会は、民主党・連合政権打倒の意志を根底にはらんで、95〜96年以来の規模で実現されようとしている。このインパクトは、日本の階級情勢を一変させる力をもつ。
 こうした中で民主党政権と連合沖縄および連合中央は、普天間基地撤去を早めるためとか、全駐労・基地労働者の立場を考慮してとかいう理由で辺野古新基地建設を正当化しようとしている。連合沖縄は11・8県民大会への参加は決めたものの、県外移設要求には加わらない態度をとっている。まさに民主党・連合政権自身が、「これから50年間の日米同盟の安定と沖縄基地の強化」を推進している構図が浮かび上がってきているのだ。
 だが、すでに辺野古新基地建設は事実上破綻している。青年労働者の実力決起を先頭に、われわれはこの十数年間の辺野古攻防戦に不屈に勝利してきたと断言できる。民主党政権がこの地平を覆すというなら、これまでの質と量をこえた全面的な労働者階級の決起がつくり出されることは確実である。普天間基地撤去=辺野古新基地建設阻止は、民主党・連合政権打倒と一体の闘いだ。断固それをやりぬこう。

 アフガン侵略戦争支援でも対日要求

 米帝オバマは、大恐慌の深まりに直撃され、米帝とドルの歴史的没落のすう勢のもとで、今や内外ですさまじい危機に立っている。イラクでも、アフガニスタンでも、パキスタンでも、侵略戦争は絶望的に泥沼化して、帝国主義の軍隊とその支配を粉砕する不屈・非妥協のゲリラ戦争が爆発している。国内では天文学的な財政赤字にあえぎ、大失業と貧困、医療保険改革破綻の危機などに対し、アメリカの労働者階級人民の怒りは極限的に高まっている。
 この米帝オバマにとって、日米同盟と日帝の徹底的な戦争的・財政的動員は、まさに「頼みの綱」である。だから米帝排除的で対米対抗的な「東アジア共同体」構想や、普天間基地の県外・国外移設など容認できず、粉砕の対象なのだ。またインド洋での給油継続に替わる新たなアフガニスタン侵略戦争支援など当然の要求というわけだ。オバマ訪日と日米首脳会談は確実に、この「東アジア共同体」や「普天間」「アフガン」をめぐって、日米帝国主義が争闘戦の火花を散らし、相互に侵略戦争・世界戦争へとのめり込んでいく、極めて反動的・反労働者的なものになる。
 11・1集会の歴史的地平を引き継ぎ、オバマ訪日と日米首脳会談を階級的に断固粉砕し、民主党・連合政権打倒へと攻め上ろう。