2009年11月 9日

11・1大集会 労働者の団結 世界に拡大-発言集(1)

週刊『前進』06頁(2415号2面1)(2009/11/09)

1047名闘争を柱に大失業攻撃と戦争・民営化を撃つ!
 11・1大集会 労働者の団結 世界に拡大
 “資本の搾取と暴力終わらせる”

 11月1日、日比谷野外音楽堂で開かれた全国労働者総決起集会は5850人が参加し、日米韓とブラジルの労組代表が一堂に会して「戦争・改憲と民営化・労組破壊にたち向かう労働者の国際的団結を」と誓い合い、大成功を収めた(前号速報)。全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組が呼びかけた11月集会は今年で12回め。司会は動労水戸とちば合同労組の組合員、カンパアピールは動労千葉の清水匠執行委員が行った。前号での動労千葉・長田敏之書記長のアピールに続き、主な発言の要旨を紹介します。(編集局)

 韓国・民主労総

 11月ゼネスト準備している 民主労総ソウル地域本部本部長 チェジョンジンさん 

 韓国のイミョンバク政権は、労働者民衆を死に追いやるファッショ的暴力をふるっています。1月20日、公権力によって殺害されたヨンサンの撤去民5人の同志は、9カ月が過ぎた今も葬儀すら挙げられていません。
 イミョンバク政権は非正規職の拡大を狙い、公務員労組と全教組に激しい弾圧をかけています。最近、3組合が統合した公務員労組の力を恐れた政府は、法律を無視した弾圧をしかけています。
 貨物連帯のパクチョンテを殺し、サンヨン自動車の労働者に対テロ用殺傷武器を使い殺人的な鎮圧を行ったイミョンバク政権の容赦ない暴力は、一層悪らつに展開されています。「解雇は殺人だ。整理解雇粉砕」と叫んだサンヨン自動車の労働者を七十数人も拘束しました。この闘いの過程で6人が死亡しました。
 2年を超えた期間制労働者を正規職に転換すべき責任を負う政府は、逆に公共部門の非正規職を解雇し、公共部門の労働者に賃金カットと構造調整を押しつけています。
 このような状況はほかの国も同じです。労働者の団結と闘いだけが資本の搾取と暴力を終わらせることができます。労働者が闘って、歴史をつくろうではありませんか!
 民主労総では、鉄道や発電、ガスなど公共部門の労働者が11月ゼネストを準備しています。
 闘う労働者に国境はない。闘う労働者はみんな一つ。国際連帯をさらに強め、労働者の世の中、代案世界を建設するため力強く邁進(まいしん)しよう。ソウル本部は、同志たちとの変わらぬ強固な連帯を約束します。トゥジェン(闘争)!

 解雇と闘って搾取の廃絶へ 民主労総解雇者復職闘争特別委員会副委員長 キムベッキュさん

 日本の1047名闘争を知り、この熾烈(しれつ)な闘いに込められた同志たちの血と汗と涙と叫びが伝わってきました。かくも強固に闘う同志たちを確認すると、私たちの難関を突破する闘争意志がこみ上げます。
 全解闘は1992年に組織され、全解雇労働者の原職復帰と、あらゆる解雇を阻むため、労働運動の強化と資本の搾取強化体制の廃絶に向けて先頭で闘っています。
 サンヨン自動車闘争の代表的なスローガンは「解雇は殺人だ」でした。解雇は労働者とその家族の生存権そのものを剥奪(はくだつ)する野蛮な暴力であり、残酷な殺人そのものです。
 解雇攻撃は、労働者の生存権への攻撃以外にも目的があります。第一に、「資本に抵抗したら解雇するぞ」という脅しで、解雇されなかった労働者から抵抗の意志を奪うことです。第二に、労働者が団結できないよう、核心人物を現場の大衆から引き離し、組織化を遮断することです。
 全労働者が一体となって解雇撤回に向けて闘うことで、資本が労働者を解雇すれば労働者の生存権的反撃を受けること、労働者の戦線がいっそう強固になることを見せつけなければなりません。
 労働者が解雇の恐怖から自由になった時、われわれは資本の搾取構造の完全な廃絶に向けて闘う足場をつくることになるでしょう。これこそが全解闘の闘争方向です。不断に闘う日本の同志たちの足跡を刻み、全解闘も労働が解放される明日に向かって前進します。
 (全解闘イチュンベ委員長のメッセージを代読)

 アメリカの2労組

 労働者の敵は自国の資本家 ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10/アンソニー・レヴィージさん

 今私たちが直面しているのは、1929年以来初の資本主義経済の崩壊です。米政府は労働者に賃金カット、レイオフ、労働時間延長、住宅差し押さえを強行しています。働く人たちを「敵」としてはならない。全世界の労働者の主敵は自国の資本家どもです。
 米政府の戦争マシンは、利得を求めて世界中を暴れ回っています。港湾職場では運輸労働者身元証明制度が導入され、ある労働者がその生まれた国で逮捕されていたら、このシステムで仕事を追われます。
 バラク・オバマは、どの階級を代表しているのか。若いアフリカン・アメリカンが投獄され続けており、失業率は50%に達し、街頭で撃ち殺されています。最近わが組合の2人のブラック労働者が昼食から職場に帰ってきたら、警察に催涙ガスを浴びせられ殴られ、逮捕された。オークランドではオスカー・グラントが、交通警察によって背中から撃ち殺された。
 オバマは皮膚の色こそ違え、同じ資本家の規範で動いているのです。
 オバマはイラク戦争を継続し、アフガニスタンに軍を一気に投入しています。ILWUは08年のメーデーに、西海岸の全港湾を封鎖して闘いました。
 すべての人種・民族の国際的労働者階級は、資本主義的抑圧の鎖を断ち切ろう。労働者の利益のために闘う労働者の党を建設しよう。世界の労働者人民に等しく富を分配できるよう闘おう。労働者の国際連帯に勝利を!!

 「貧困皆兵制」民営化と闘う  UTLA(ロサンゼルス統一教組)西部地域議長/セシリー・マイアトクルスさん

 カリフォルニアでは失業率が過去最高の14%。経済危機は歴史的な失業とホームレス、悲惨極まりない貧困を生み出す一方、企業の資産は膨らみ続けています。
 米国はアフガニスタンとイラクで戦争を続け、米国の若者が5千人以上殺されています。募兵官が学校に立ち入り「兵士になれ」と売りこんでいます。標的にされるのは最も貧しい非白人の生徒たち。若者の軍隊への入隊は、ここ35年間で最高の数です。就職口がほとんどなく、契約金が出ることなどで入隊を決める「貧困皆兵制」です。
 CAMS(学校の軍国主義に反対する連合)とUTLAは、軍の募兵政策や学校の軍事教練に反対して活動しています。
 落ちこぼれゼロ法は教育をテスト漬けにし、標準テストや教科書を出版する民間企業を数十億㌦産業へ押し上げ、民間企業が学校事業に乗り出しています。「テスト向けに教えろ」と、詰め込みのカリキュラムを与えられています。
 私は「ノー、テストのためには教えません」と言い続けます。テストは教育ではありません。
 今年8月には教育委員会が250の「落第校」を民営化することを決めました。UTLAをターゲットにした攻撃ですが、私たちは組合破壊攻撃に屈しません。
 共通の闘いに立つから私たちは強い。正義のため、平和な世界をかちとるための闘いにともに団結している。私たちの結びつきはけっして壊れません。がんばって!

 ブラジルの闘う労組

 団結して社会主義の達成へ コンルータス(全国闘争連盟) ファビオ・ボスコさん

 大企業と富者は、労働者に恐慌の責任を転嫁しようとしています。数百万人が仕事と住む家を失い、賃金は切り下げられています。公教育の権利、医療保険、社会保障が破壊されています。労働者が恐慌の代償を払うなど問題外です。
 韓国のサンヨンの労働者の闘いは全世界の労働者を鼓舞激励しました。カナダでは鉱山労働者がストに入っています。カリフォルニアでは、労働者・学生が公教育を守るため、予算削減と人種差別に反撃しています。
 ブラジルでは、自動車労働者と金融労働者がストで6%から10%の賃上げをかちとりました。メキシコでは、35万人の労働者がエネルギーの民営化に反対して街頭に進出しました。ホンジュラスでは、軍事クーデターに対し人民が街頭で闘っています。ヨーロッパ、アフリカ、オセアニアなど世界中で労働者の抵抗が広がっています。
 すべての搾取と抑圧を終わらせ、社会主義社会の達成へ前進するために、これらの闘いを全国的、国際的スケールに結合させていく必要があります。
 最後に、日本のブラジルおよびペルー移民労働者に連帯の言葉を贈ります。みなさんの闘いは私たちの闘いです。
 資本主義的搾取に終止符を打とう! 帝国主義によるイラク、アフガニスタン、パレスチナ、ハイチ軍事占領を許すな! 労働者階級の闘いの前進をかちとろう! 国際連帯、永遠なれ! 万国の労働者、団結せよ!

 国労闘争団・動労千葉争議団

 労働者の闘いで解雇撤回を 国労北海道闘争団 成田昭雄さん

 私は87年国鉄分割・民営化で不当解雇されました。この汚名をはらすために、23年間、闘ってきました。私が一番言いたいことは、解雇されたのだから解雇撤回しかないということです。
 国鉄労働者は24時間365日働いて、鉄路を守ってきたのです。中曽根は「お座敷をきれいにして改憲する。闘う労働組合は許せない」と分割・民営化をやった。このことは絶対に許せません。
 国鉄労働者が資本になびいてしまったら、向こうの思うつぼです。
 JRに向かって解雇を撤回しろと要求することによって解雇撤回はかちとれる。JRや政府を攻めてこそ解雇撤回できる。民主党にお願いするのは無理だ。誰かに頼むのではなく、労働者が主人公の社会を自らつくろう。ともに1047名解雇撤回まで団結して闘いましょう。

 奴隷路線と決別し本部打倒 国労秋田闘争団 小玉忠憲さん

 政府・鉄道運輸機構は、1047名の解雇理由を「国策に反対したから解雇されて当然だ」「勤務成績不良で解雇されたのは自業自得だ」と言い放っています。では聞くが、尼崎事故を引き起こしたJR西の井手元相談役や山崎前社長ら、信濃川から水を盗み続け、羽越線事故の補償もしないJR東の経営陣が「新会社にふさわしい者」なのか!
 民主党の小沢や鳩山こそ、私たちの首を切った張本人だ。民主党に土下座して「政治解決」を夢想する4者4団体派の奴隷路線に労働者の未来などあろうはずがない。
 資本主義の命脈は尽き、革命的情勢が到来しつつあります。万国の労働者団結せよ! 資本主義を打倒せよ! このマルクスの教えを今こそ実行する時が来ました。1047名解雇撤回闘争を23年貫いてきた私たちが先頭に立ちます。
 国労5・27臨大闘争弾圧事件の無罪判決をかちとり、警視庁公安部と結託し腐った国労本部を打倒しよう! 国際連帯の旗のもと勝利しよう!

 国鉄闘争を再生して勝利へ 国労九州・鳥栖地区闘争団/石崎義徳さん

 国鉄分割・民営化とは新自由主義攻撃そのものであり、闘う労働組合つぶしでした。私たち被解雇者は、国鉄当局の理不尽な行為を許すことはできないと解雇撤回闘争に立ち上がりました。
 国労本部の屈服に遭遇した被解雇者283名は本部に反旗を翻して、解雇撤回訴訟を起こしましたが、またぞろ国労本部とよりを戻し、解雇撤回を主張しない闘争に成り下がっています。
 今日の世界大恐慌下、労働者は解雇され、あるいは解雇の不安におびえながら生活しています。このような怒り、不安、悩みに1047名解雇撤回闘争の火が飛び火し燃え広がることを、資本家階級は非常に恐れています。1047名闘争が階級的視点に立った闘争に再生されること抜きに、勝利はあり得ません。
 国鉄闘争の再生、労働運動前進のために闘います。ともに団結し闘いましょう。

 労働者の未来かけ原則貫く 動労千葉争議団 中村仁さん

 1047名闘争はすべての労働者の権利と未来をかけた闘いです。だから私たちは、何があろうと原則を曲げずに闘い続けようと決めたのです。
 4者4団体は解雇撤回要求を取り下げ、自民党に「人道的解決」を求め続け、それも破綻しました。われわれは魂を売り渡すために23年間頑張ってきたわけじゃない。
 動労千葉は胸を張って毎年のようにストライキを闘い続けています。ストライキまで放棄したら労働組合ではない。
 JR総連が1047名闘争をつぶすために介入しようとしています。彼らの裏切りによって20万人もの国鉄労働者が職場を追われ、200人が自殺に追い込まれた。その裏切りを「新しい運動思想の模索だった」と持ち上げる人が出てきています。絶対に許せない。
 動労千葉争議団は1047名解雇撤回の旗を高く掲げる決意です。

 動労水戸

 違法企業JRにストで反撃 動労水戸 石井真一委員長

 私たち動労水戸は、国鉄分割・民営化攻撃は許せないと思い、動労本部から分離・独立し組合を結成しました。裏切り者・動労カクマルと闘ってきた動労千葉と連帯し闘おうと結成しました。
 結成してから、ありとあらゆる不当労働行為の攻撃を受け続けてきました。しかし、動労水戸は団結を守り、闘い抜いてきました。そうであるがゆえに、運転士登用差別不当労働行為事件で最高裁まで争い、昨年12月に勝利しました。
 しかし、JR東日本は謝罪もしていません。会社は、運転士になりたいなら通勤もできない遠隔地に行けと言って、運転士の道をあきらめさせようとしてきました。
 この攻撃に全員が怒り、徹底的に団交でやり合い、7月から4度のストライキに決起しました。第1波ストで1名、第2波ストでさらに1名の労働者が動労水戸に加入しました。
 1047名解雇は最も象徴的な国家的不当労働行為です。1047名闘争に勝利するために、動労水戸は全力で闘います。今後も違法企業JRと闘います。

 社保庁労働者

 1千人解雇・道州制と対決 社保労組広島県支部福山分会/平口雅明さん

 私は、この5月に日本経団連前会長の奥田碩・日本年金機構設立委員会委員長によるたった1枚の紙切れの通知で不採用となった1千人のうちの一人です。
 この1千人解雇・社会保険庁解体・年金機構設立は、「国鉄方式」を上回る民営化・組合破壊攻撃です。民間から1千人採用することを前提に選別的に1千人の首を切ったのです。1千人の中には、奴隷的な「誓約書」の提出を拒否した者が28人、年金機構だけを希望し「1本書き」した者が40人余います。
 労働組合(自治労・全国社保労組、国公労連・全厚生)の幹部は、動労カクマルのように当局に屈服・協力して組合員を売り渡すことによって自分たちだけ生き残ろうとしています。社保労組は、この11月29日に1千人の不採用者を排除して新組合を設立しようとしています。新組合は、道州制=地方ブロック制の形をとる年金機構に合わせて地方本部をつくる方針なのです。
 社保庁解体・1千人解雇・道州制に反対し、動労千葉のように闘うことを決意します。