2009年11月16日

日韓労働者が11月国際連帯闘争 訪韓闘争

週刊『前進』06頁(2416号2面1)(2009/11/16)

チョンテイル精神で労組破壊と対決“労働者は一つになって闘え”
 日韓労働者が11月国際連帯闘争
 大恐慌下の勝利の路線と展望示す

 11月訪韓闘争は国際連帯闘争を大きく前進させた。5850人が結集した11・1日比谷野音集会で、民主労総ソウル本部のチェジョンジン本部長は「労働者階級の団結と闘いだけが資本の搾取と暴力を終わらせることができる。労働者が闘って歴史をつくろう!」と呼びかけた。国鉄1047名闘争に接した全解闘のキムベッキュ副委員長は「かくも強固に闘う同志たちを確認すると、私たちの難関を突破する闘争意志がこみ上げる」と感動的に語った。
 1週間後の11月7日夜、ソウル・ヨイド公園の前夜祭には100人あまりの動労千葉訪韓団が駆けつけ、民主労総ソウル本部や全解闘の同志たちと合流した。翌8日、永登浦(ヨンドンポ)駅前で開かれた「龍山(ヨンサン)惨事解決要求!非正規撤廃!闘争決意大会」に参加した後、「チョンテイル烈士精神継承!2009全国労働者大会」(ヨイド公園)に結集した。
 大会後、田中康宏委員長は、「今、現場の怒りははち切れそうだ。東京の11月集会は1万人にいかなかったが、この時代に負けない路線と展望を示すことはできた。後は組織する力だ。労働者の団結を組織する地道な闘いを権力には絶対負けない原則を貫いてやる。これを1年間やったら壁は破れる。壁が破れたら世界は動き出す」と訪韓団に檄(げき)を飛ばした。

 公共部門“民営化阻止”

 イチョウ並木が街を黄色に染め上げた晩秋のソウルは、労働者の怒りで本当に熱かった。ソウルの官庁街、国会を間近に望むヨイド公園で開かれた7日夜の前夜祭は活気に満ちていた。
 民主労総ソウル本部とともに前夜祭に参加した動労千葉訪韓団のもとには、今年のみならず数年来の11月交流の中で知り合った労働者たちが次々と姿を見せ、握手し抱き合う感動の再会の場となった。「農民殺しのFTA阻止/日韓農民は連帯しよう」と記された真新しいゼッケン姿で登場した三里塚反対同盟・萩原進事務局次長は歓迎の拍手に迎えられた。
 前夜祭の舞台では、大量整理解雇と77日間の工場占拠ストライキで闘った金属労組サンヨン(双龍)自動車支部組合員たちがパフォーマンスを披露し、「サンヨン車闘争は終わっていない。勝利のための闘いで団結しよう!」と訴えた。
 労組事務室閉鎖や組合ベスト着用禁止などの弾圧と闘う統合公務員労組からチョンホンジュ共同委員長、ソンヨンテ共同委員長が登壇し、「弾圧の中、民主労総加盟を成功させた」「総団結で民主労組を死守する」と述べて胸を張った。
 公共サービス労組のイサンム委員長は、6日に連盟公共部門労働者1万5000人余りが果川(クァチョン)政府総合庁舎前に集まってストライキを決議したことを報告し、「公共部門労働者はイミョンバク政権と同じ空の下では生きられない」と弾劾した。さらに「国民健康保険の拡大、ガス民営化阻止などで公共労働者闘争を組み、下半期闘争の先頭に立つ。イミョンバク政権を打倒しよう」と呼びかけた。すでに大会に向かって公共運輸連盟は公共部門民営化阻止の循環ストを闘っており、5、6日には鉄道労組が48時間ストを闘いぬいている。
 さらにイミョンバク政権は長年実施を見送ってきた「複数労組許容」と「労組専従賃金禁止」を来年1月1日から実施することを決めて発表した。民主労総だけでなく、政策協定を結んでイミョンバク政権を支持してきた韓国労総も「労組専従賃金支給禁止で労組活動を封じ込め、複数労組交渉窓口一本化で労組分裂を策動している」と弾劾し、民主労総との連帯闘争を決めた。
 7日午後には同じヨイド公園で韓国労総が、史上最大規模の15万人を集めて全国労働者大会を開き、対政府闘争を宣言した。12日から全組合員のスト投票を行い、年末ゼネストに向かう。各労組も闘争ベストを新調するなど、やる気満々だ。現場の労働者の怒りは韓国労総をも突き動かしている。韓国階級闘争は文字どおり激突局面だ。

 龍山惨事許すな

 8日午後1時、動労千葉訪韓団は民主労総ソウル本部とともに永登浦(ヨンドンポ)駅前で開かれた「ヨンサン(龍山)惨事解決要求!非正規職撤廃!闘争決意大会」に合流・参加した。
 今年1月20日、都市再開発のための立ち退きを拒否しビルに立てこもった住民にイミョンバク政権が差し向けた特攻警察によって住民5人が炎の中、虐殺された。真相究明も責任者処罰も行われず、葬儀もできない。
 発言に立った動労千葉の田中委員長は、「きょう、ヨンサンの現場にも行ってきました。資本家の金もうけのために人が殺されていいのか! こんな社会を労働者の団結で変えよう」と呼びかけた。(別掲)
 虐殺されたイサンニム氏の夫人チョンジェスクさんは、「あの日を絶対に忘れない。この国の政府は一粒の涙も流さない。検察も警察も政府には責任がないと言う。まだ病院にいる人もいる。最後まで一緒に闘ってください」と訴えた。ヨンサン対策委員会も「われわれが一致団結して闘えば必ず勝利できる」と述べた。
 さらに、サンヨン自動車支部非正規職支会のポクキソン首席副支会長が「正規職と非正規職が共同闘争しなければならない。大変しんどい状況だが、サンヨンだけでなく全国の労働者、特に大宇や現代の非正規職労働者との連帯をつくり出して闘うことが必要だ。最後まで闘う」ときっぱり。
 司会進行を務めたイーランド一般労組のイナムシンさんが「きょうは労働運動と民衆運動が一つになった。ヨンサン惨事を解決し、非正規職のない世の中をつくろう」とまとめた。

 両労総がゼネスト宣言

 8日午後3時からヨイド公園で開かれた民主労総主催の「チョンテイル烈士精神継承!09全国労働者大会」には5万人の労働者が大結集した。
 大会あいさつに立ったイムソンギュ民主労総委員長は、「イミョンバク政権の狙いは民主労組運動の抹殺だ。決定的な労組抹殺政策が、複数労組窓口一本化と専従賃金支給禁止だ」と弾劾し、「政府が押し切るならば12月80万ゼネストに突入する」と宣言した。
 今年が最後になるかもしれないと自ら要求して発言に立ったチョンテイル烈士の母、イソソンさんは「私たちが団結して必死になって闘えば勝てる。力を尽くせ! 一つになれ! イミョンバクをやっつけろ!」と叫んだ。全参加者の魂をつかむアジテーションだった。
 1970年にチョンテイル烈士が、縫製工場で働く少女たちの長時間労働に抗議し、「勤労基準法を守れ!」と叫んで焼身決起してから39年。大恐慌を革命に転化するために闘う時が来た。まさに「一つになれ! 労働者が一つになれば勝てる!」ということだ。
 大会の最後に全参加者が声を合わせて集会決議文を朗読した。「チョンテイル烈士精神を受け継ぎ、資本と政権の弾圧に対抗して民主労組を死守する」「団結と連帯の精神で民主労組を建設した初心に返って、一つになって闘い、希望と代案を開かなければならない」と確認した上で、▽イミョンバク政権の労組抹殺政策に対抗し、複数労組と労組専従賃金問題の自立交渉をゼネストを含む総力闘争でかちとること、▽公務員労組と全教組、民主労総に対する全面弾圧阻止、特殊雇用労働者の労働3権をかちとるために力強く闘うことなどを決議した。