2009年11月23日

特区連09賃金闘争 怒りのスト決起を

週刊『前進』06頁(2417号3面2)(2009/11/23)

特区連09賃金闘争 怒りのスト決起を
 今闘わず、いつ闘うのか

 東京都の特区連は11月17日、総決起集会を開き、区長会に要求を突きつけたが、区長会は特区連の要求に応えようとしない。特区連は20日早朝29分の職場集会を開く方針だ。東京労組交流センター自治体労働者部会の17日のビラに掲載された現業労働者の訴えを紹介します。(編集局)
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 2年前、区長会は何をやったか? 勧告制度を無視し、現業のみ平均9%の賃金カットを実施した。そして現在の給料額を保障すると約束し、給料表ならざる保障額表を作った。
 それから2年、ほとんどの現業労働者は働いても1円の昇給もない状態に置かれた。2年前の妥結の際、今後5年間、給料水準はいじらないとしたはずだ。
 にもかかわらず今回、人事委員会のデタラメなマイナス勧告を「民間給与の水準を精確に反映した結果」と言い、区長会は保障額表に特別区人事委員会のマイナス勧告を適用しようとしている。
 「恥を知れ」と言いたい。23区の行政を担う責任者が「理の通らない」こんなデタラメなことをしようとしている。こんなこと、絶対に許せない。労働者をなめたこの事態に対し、ここで闘わずして、いつ闘うのか。
 当局は、「区民感情を考え」とか、「区民の理解」をと、区民を盾に私たちの給与を削減してきた。この道理の通らないやり方を区民が正しいと判断すると思うことこそ、区民を愚弄(ぐろう)するものだ。一部のキャリア官僚の天下りなどと私たちとをまるで一緒にするようなやり方に屈服してはならない。
 私たちは官・民の分断、正規・非正規などあらゆる分断に対して、労働者の団結こそ、勝利の道であることをはっきりさせ、胸をはり、「賃下げ絶対反対」で闘おう。 
 さらに、昨年の確定闘争での都労連妥結を受け、区長会は、今年度、現業賃金について協議していくことを約束した。
 私たちは当然のこととして、「保障額表から業務職給料表へ同額または直近上位額での切り替えを実施し、すべての級で号級を増設することにより全現業職員の昇級を実現すること」を要求した。当局が「他自治体の状況を考慮して」と言うのなら、私たちの要求は当然の要求ではないか。
 これに対し、なんと区長会は、「保障額表から直ちに昇給が開始することに伴う財政負担も大きく、これまで取り組んできた技能・業務系職員の給与水準見直しの効果を著しく損なう」と言っている。「現業労働者の賃金は低くていいんだ!」と宣言しているに等しい。これまでどれだけ削減したのか! そこを言わずに何が「効果を損なう」だ! 労働者は物じゃない、人間だ!! 東京都で働く現業労働者と23区で働く現業労働者と生活にかかる費用が違うというのか?
 9%カットされた給料表により、とりわけ若い現業労働者の生活は、「アルバイト」でもしない限り、家族を養うことができない状況になっている! 昼食をぬいている労働者がいるんだぞ!!
 さらに年収200万円以下の非正規の公務員労働者の割合が30%を超えている。正規の公務員の賃金は成果主義賃金などで2極化が進み、過労やストレスでメンタルの病気になる人が増えている。闘わなかったら命さえ奪われる。怒りを爆発させて秋闘を闘おう!
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 都労連09賃金闘争 賃下げ丸のみ弾劾 体制内労組指導部打倒へ

 都労連の09賃金闘争は11月17日未明の妥結をもって早朝1時間ストライキを中止し、終結した。
 平均して年収17万6千円の大幅賃金削減に加え、時間単位の年次有給休暇の取得権を160時間から40時間に大幅削減するなど、度外れた賃下げ・労組破壊攻撃に対して、都労連本部はまったく反撃することなく屈服し、都の提案を「丸のみ」した。
 都労連本部は、都との間の交渉テーブルを維持できた、と総括して合理化を図っている。
 これこそ階級闘争を否定する態度であり、奴隷の道だ。今回、都当局が提案した、戦後最大・最悪の大幅賃下げ・差別分断賃金制の拡大、時間休削減をのめば、労働組合の存在意義を失ってしまう。闘わずして屈服したら、社保庁1千人分限免職に続く公務員360万人首切り攻撃とどうして闘えるのか! こんな賃金破壊・労組破壊を許したら、非正規職労働者・民間労働者は一層極限的な賃下げ・首切り、労働強化に襲撃されるのだ!
 都労連本部のやっていることは、もはや労働組合に値しない歴史的裏切りだ。
 「こんなことなら組合なんか要らない。丸のみするなら賃下げ分の組合費を返してくれ」——組合員の怒りが爆発している。体制内指導部はしきりに言う。「闘っても勝てない」「闘う力がない」。だが、こんなのは大うそだ。まともに闘いもしないでよくもそんなことが言えるものだ。だから当局に足元を見られ、団結を壊され、毎年のように賃下げ、民営化をのまされているのだ。
 都労連6単組組合員の思いはストライキで反撃しようということだった! このような歴史的な大攻撃が掛けられている時に闘わなかったらいつ闘うのか。
 動労千葉は国鉄分割・民営化反対の2波のストで反撃し、国鉄1047名解雇撤回闘争を生み出し、国際連帯を拡大している。11月労働者集会を見よ。
 今回の都労連本部の全面屈服の中に大恐慌下の小沢・鳩山=民主党・連合政権の本質が示されている。資本主義救済のために連合を使って労働組合を圧殺する鳩山政権を打倒し、それと一体の石原都政を打倒しよう。
 職場から闘いを巻き起こし、都労連本部=体制内指導部を打倒し、労働組合を労働者の手に取り戻そう。都労連本部の屈服は全労働者にこうした教訓を残した。10春闘へ直ちに闘いを始めよう。