2009年11月23日

「全体の奉仕者」路線粉砕し日共・自治労連本部打倒を

週刊『前進』06頁(2417号3面3)(2009/11/23)

「全体の奉仕者」路線粉砕し日共・自治労連本部打倒を

 11・1労働者集会は、大恐慌下で戦争と大失業と闘い、小沢・鳩山=民主党・連合政権と対決する5850人の労働者・労働組合を結集して大成功した。これを新たな出発点に、自治体労働者は4大産別の先頭に立って日常不断に階級的労働運動路線を実践しよう。国鉄1047名解雇撤回闘争、動労千葉物販運動、道州制・民営化=公務員360万人首切り絶対反対の闘いで職場を席巻し、日共・全労連・自治労連本部、連合・自治労本部を打倒し、闘う労働組合をよみがえらせよう。

 小沢・鳩山=民主党・連合政権支える「建設的野党」

 世界大恐慌下、労働者の積年の怒りが戦後自民党支配を打ち倒した。この8・30情勢の中で登場した小沢・鳩山=民主党・連合政権は、「労働組合」の名で首切り・賃下げを激化させ、民営化・労組破壊、戦争・改憲へ突き進む資本主義救済政権だ。鳩山首相は、日米争闘戦の激化を辞さず「日米対等」を志向し、「戦争のできる国」への国家大改造を図っている。明らかに小沢路線だ。所信表明演説で「東アジア共同体」と「地域主権」国家の実現へ「戦後行政の大掃除」「無血の平成維新」をやると宣言した。「地域主権」国家とは、戦争・改憲のための道州制導入=公務員360万人いったん全員解雇・選別再雇用・非正規職化、4大産別労働運動破壊の大攻撃だ。それは社保庁1千人解雇攻撃と「事業仕分け」で始まっている。鳩山政権は小泉自公政権を上回る新自由主義攻撃を強行しようとしているのだ。
 だが、11・1労働者集会は、大恐慌をプロレタリア革命に転化する階級的労働運動の国際的な隊列を登場させ、小沢・鳩山=民主党・連合政権打倒へ大反撃ののろしを上げた。
 この革命的情勢に恐れをなした日共スターリン主義は、資本主義防衛、プロレタリア革命圧殺のために鳩山政権の「建設的野党」となることを選んだ。この情勢下では最悪の役割を果たそうとしている。完全に労働者階級の敵だ。現に全労連・全厚生は自治労・社保労組とともに社保庁1千人解雇攻撃に屈服・協力している。こんな腐った労働組合は要らない。現場労働者の怒りと団結の力で日共・全労連・自治労連本部を打倒しよう。

 4者4団体派主導する日共

 そもそも日本共産党スターリン主義は、国鉄1047名解雇撤回闘争から「解雇撤回」を引き下ろし、動労千葉を排除して闘争を解体する「政治解決」路線=4者4団体路線を主導してきた。大失業攻撃に対する労働者反乱の基軸的突破口となる1047名闘争の解体のために国労・建交労と国鉄闘争100万人支援陣形の中で立ち働いてきた。
 とりわけ国労5・27臨大闘争弾圧をもって動労千葉派の闘う国労組合員を権力に売り渡し、「解雇撤回は賞味期限切れ」「労働運動は革命運動ではない」「労働者は闘っても勝てない」とする許すまじき敗北主義、反労働者思想を振りまいて敵対してきた。階級攻防の焦点となっている4大産別労働運動への敵対・妨害であり、資本主義の防波堤であり、反革命だ。
 また日本共産党は、裁判員制度を「明日からあなたも裁判官」と賞賛、組織を挙げて推進してきた。裁判員制度は労働者人民を「国家」の側に無理やり立たせて人を裁かせ、死刑判決を出させる現代の「現代の赤紙」、改憲攻撃の最先端だ。
 さらに日本共産党は、米帝の頭目・オバマ大統領の4・5プラハ演説を「核廃絶」を目指すものと礼賛して書簡を交わし、広島・長崎反戦・反核闘争の解体に手を染めた。だがオバマ演説こそ、米帝の核独占と世界支配の意思の再確認であり、イランや北朝鮮への制裁・戦争を他の帝国主義を動員し貫徹するという核戦争宣言だ。米帝は現に今もイラク・アフガニスタン侵略戦争を継続し、自国の兵士を含め日々おびただしい人民を虐殺している。オバマ幻想をふりまくのは犯罪だ。
 2004年の第23回大会で党綱領から階級的な要素を一掃、「労働者階級の前衛政党」規定を「日本国民の党」に変えていた日本共産党は、今や「大企業は敵ではない」「大企業の健全な発展を」とさえ言うに至った。日共・自治労連の「全体の奉仕者」論の「国民全体への奉仕」は大企業を含む「全体への奉仕」「資本主義国家への奉仕」なのだ。「全体の奉仕者」論によって、鳩山政権が強行する戦争・改憲、道州制・民営化、労組破壊の攻撃に屈服・協力させ、現場労働者の怒りと闘いを圧殺しようとしている。これが「建設的野党」だ。
 だが、日共・全労連・自治労連本部のもとで、労働組合がやすやすと変質し解体され、労働者が闘うことなく道州制・民営化攻撃に協力することなどありえない。「財政再建」と「効率化」を理由とする首切りと賃下げ、民営化・非正規職化、極限的労働強化、団結破壊を労働者が甘んじて受け入れることなどありえない。自民党支配を打ち倒した労働者の怒りは民主党や社民党、「建設的野党」=日共を突き刺し、爆発する。労働者の敵にして、資本主義の最後の防波堤、日共スターリン主義と全労連・自治労連本部を職場の闘いでぶっ飛ばそう。

 連合・自治労本部に先行 労働者の利益追求を放棄

 日共「全体の奉仕者」論は、労働者の階級性と体制変革の闘いを否定し、公務員労働者の怒りと闘いを「国民への奉仕」の名で抑圧し、犠牲を強いるものだ。資本・当局との闘いにおける自治労連傘下の単組執行部の屈服と裏切りを正当化し、闘いを抑えつけるために使われてきた。
 「全体の奉仕者」論は、1963年に「自治労連の原点」といわれる、大阪衛星都市の自治体労働組合の連合体「衛都連」が「当局の弾圧、組合幹部の解雇、休職処分、組織分裂の攻撃と組合員の中に広がるとまどい、あきらめ」の中で「衛都連行動綱領草案」として「地域住民の繁栄なくして自治体労働者の幸福はない」と公然と打ち出したことに始まる。当局の弾圧に対して階級的団結をもって闘うのではなく「地域住民の繁栄」を前面に押し出して屈服の論理としたのだ。
 1972年、「革新統一」蜷川虎三京都府政下で財政危機が爆発、賃金未払い・退職勧奨に対する自治体労働者の怒りが巻き起こった。日共は、
蜷川革新府政擁護のために階級性を投げ捨てて、「われわれは『住民本位の地方政治、民主的自治体を建設する労働者』の立場をつらぬき、そのために献身的に労働し、たたかい抜く」「行政を執行する立場としての自治体労働者のたたかう方向は、住民の利益擁護を第一の課題として住民との団結をもとめ、労働と民主的活動をつうじて民主的自治体建設めざしてたたかう」と宣言した。日本共産党の支配する京都府職労本部は労働者の反発の圧殺に動いた。
 さらに日共は、1974〜75年恐慌の中で「自民党は地方財政危機の原因が地方公務員給与にあるとして、とくに革新自治体に攻撃を集中した」(『日本共産党70年史』)とし、これに屈服した宮本顕治委員長(当時)は75年3月23日付「赤旗」に「住民本位の行政を効率的な機構で〜地方自治体の人件費問題その他をめぐる日本共産党の見解」を発表した。
 「自治体の人件費や行政のあり方は、国民奉仕の公正で無駄のないものであるべき」「人件費を含む自治体の行政費用は、住民負担の点からいっても、なるべく少ないのがよいが当然である」「自治体の職員定数などは、全体として出来るだけ無駄のないものであるべき」「公正で民主的な行政を効率的に執行していく見地から、機構や運営の改善がたえずはかられるべきであり、必要な幹部職員の登用や適時の人事異動なども積極的に行われるべきである」「自治体労働者の生活と権利のための闘争を『全体の奉仕者』としての立場と結合すべきこと」
 実際、70年闘争の高揚と国鉄をはじめとする反「マル生」闘争、激発する春闘ストライキに際し、日本共産党は、自治体労働者=「全体の奉仕者」、教育労働者=「教師聖職」を打ち出し、「住民の迷惑」「授業妨害」を口実に、労働者の最大の武器であるストライキ闘争を否定した。
 『日本共産党80年史』は、当時の自治労本部との論争の中で、「党は、機械的に権利を主張するだけの『労働者』論では、労働運動を国民から孤立させ、弱体化させることを指摘しましたが、党の提起した方向は、その後、運動の内部でも当然の立場となっています」と恥知らずにも誇っている。日共は、現在の連合・自治労本部の転向路線の先を行っていたのだ。

 公共サービス基本法を推進

 そして今日の大恐慌と大失業、階級激突情勢下において日本共産党は、新自由主義に基づく医療・福祉・教育などの「措置から契約へ」=民営化への大転換を進める「公共サービス基本法」の2009年5月全会一致採択の推進者となった。「財政再建と公共サービス再生」「無駄遣い排除」「効率化」の名で進められる「地域主権」=道州制、規制撤廃・民営化・非正規職化・労組破壊、首切り・賃下げ、社会保障解体の攻撃に対して闘わないどころか、当然巻き起こる現場労働者の反乱を圧殺し、当局に率先協力しようとしているのだ。
 労働者を食えなくさせておいて、何が「財政再建」だ! 何が「全体の奉仕者」だから「献身的に働け」だ! そんなものはぶっ飛ばし、「生きさせろ!」の根源的怒りをたたきつけよう。
 自治労連も自治労も「住民のニーズ」に応えるためとして当局の民営化・民間委託・非正規職化、人事評価・査定給導入、賃下げと労働強化の攻撃に屈服し協力している。そんな労働組合なんてあるか。なんのための労働組合か。だから、ひとたび当局による労組破壊攻撃を受けるや否や、自ら団結解体に動き、労働者分断に手を貸し、組合組織率を9割から6割、3割へと減らしてしまう。こんな組合執行部は要らない。直ちに闘う現場労働者の手に労組権力を奪い返す時だ。
 今や職場・生産点から道州制・民営化絶対反対、人事評価制度拒否・査定給導入阻止、反合理化・職場安全確立の闘いが巻き起こっている。動労千葉派、労組交流センター派が先頭になって、現場労働者の怒りと結びつき、労働組合を取り戻すランク&ファイルの闘いが、自治労傘下・自治労連傘下を問わず全国で猛然と始まっている。当局と一体となった体制内指導部の制動と敵対をはねのけ闘いを進めよう。
 大恐慌で資本主義は終りだ。今こそ大恐慌をプロレタリア世界革命に転化する革命的労働者党の建設へ、職場細胞と地区党建設を進めよう。これは、一大党派闘争であり、路線闘争である。一切は労働者の階級的団結、労働組合をめぐる攻防にかかっている。国鉄1047名解雇撤回、道州制・民営化絶対反対の職場闘争を巻き起こそう! 連合・自治労本部、日共・自治労連本部をぶっ飛ばし、第2第3の動労千葉をつくり出そう。