2009年11月30日

紹介 デジタル版『本多延嘉著作選』

週刊『前進』06頁(2418号3面3)(2009/11/30)

紹介 デジタル版『本多延嘉著作選』
 綱領草案の基礎にある革命的思想・理論の結晶
 青年の組織化に活用しよう

 革共同50年の歴史的地平の上でかちとられた25全総の画期的勝利と軌を一にして、このかんの前進社デジタルアーカイブ委員会の膨大な作業がついに実り、このたびわれわれは『デジタル版 本多延嘉著作選 全7巻』の刊行を実現した。これは、国家権力の未曽有の10・23大弾圧(前進社本社への襲撃捜索。デジタル媒体の大量押収)を根底的に粉砕する決定的な勝利だ。

 よみがえる本多同志の重要論文

 「暴力革命論は、プロレタリア革命の本質論をなすものである……スターリン主義者の種々の平和革命論、カクマルの『一定の段階』論や『敵が身の程を知らずに反撃してきた場合』論などは、プロレタリア革命の本質論を現象論の次元にすりかえるものであり、革命の本質的内容を破壊するものである」(「『戦争と革命の基本問題』の学び方」)
 この刊行によって、長らく絶版となっていた「戦争と革命の基本問題」を主要著作とする『本多延嘉著作選』第2巻が復活した。待ちに待たれた快挙である。
 そればかりではない。帝国主義段階におけるプロレタリア革命の一般理論としてのレーニン主義を、カクマルによるレーニン主義の小ブル自由主義的改作を完膚なきまでに批判することをとおして圧倒的・体系的に復権した綱領的論文「レーニン主義の継承か、レーニン主義の解体か」(第1巻)。
 70年安保闘争を前に、帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制論や日本革命論などを縦横に論じた大作「70年安保闘争と革命的左翼の任務」(第4巻)。
 革共同がいかに激烈にいかに徹底的にスターリン主義と対決しトロツキー教条主義を克服して、レーニン主義的組織原則にもとづく「反帝・反スターリン主義」の党として鍛え上げられてきたかがよく分かる「革命的共産主義運動の理論と歴史」(5巻など)。これは革共同50年史の基礎をなす貴重な文献だ。
 これら「本多延嘉著作選」の全7巻が、1枚のCDに収められている。

 デジタル版で様々な活用方法

 デジタル化にあたって、原本・原文を全面的に読み直し、誤植の訂正などに万全が期されている。そして、デジタル版ならではのさまざまな工夫がなされている。
 ①全7巻のオリジナル書籍画像(PDF)がすべておさめられており、永久保存がなされているのも重要な特徴だ。
 ②そのうえで、全論文がテキスト化され、それをもとにワードファイルとそのPDFファイルが形成されている。
 ③そしてこのワード版・PDF版には、A4横書きとB5縦書きの2種類があり、どちらもパソコン画面で読むことはもちろん、印刷して読むこともできる。A4横書きでは目次機能(リンク)を駆使して、読みたい論文・章・節に瞬時にジャンプすることができる。
 読み方のむずかしい漢字には丸括弧( )で読みがながつけられている。今ではあまりなじみのない用語にはやはり丸括弧( )で簡単な説明が補われている。さらに、第2巻の「戦争と革命の基本問題」での孫子や「天皇制ボナパルティズム論」での幸徳秋水など旧字・漢文調の引用文では、現代語訳がつけられている。

 刊行を契機に徹底的に学ぼう

 「労働者階級(プロレタリアート)の解放は、労働者自身の事業である。この解放は、資本主義社会の全面的な転覆によって達成される」で始まる革共同の綱領草案の基礎にあるのが、『本多延嘉著作選』に脈々と流れる思想・理論・精神だ。
 今回のデジタル版の刊行を契機に、この思想・理論・精神をあらためてわがものとしよう。また、革命的共産主義運動の新たな担い手となる何十万何百万の青年にぜひ広めよう。