2009年12月 7日

国労5・27弾圧判決 被告の団結が「暴処法」破る 判決報告集会に520人

週刊『前進』08頁(2419号2面1)(2009/12/07)

国労5・27弾圧判決 被告の団結が「暴処法」破る
 “勝利への進撃が始まった”
 判決報告集会に520人 大勝利にわく

 “ついに暴処法(暴力行為等処罰法)を粉砕したぞ!”——国労5・27臨大闘争弾圧裁判の判決公判が開かれた11月27日、被告団と家族、支援者は、暴処法を完全に粉砕した歴史的勝利にわきかえった。
 この日の公判闘争には全国から約2百人の支援者が集まった。傍聴席に入りきれなかった支援者は、法廷前の廊下で固唾(かたず)をのんで公判の行方を見守った。
 植村稔裁判長(東京地裁刑事第10部)は冒頭、向山和光被告に無罪、国労組合員の6被告に60万円〜20万円の罰金判決を言い渡した。傍聴席から鋭い弾劾の声が飛ぶ。その後、1時間半に及ぶ判決言い渡しをとおして、東京地検公安部がデッチあげた筋書きが次々と退けられていった。法大弾圧にも手を染めている岡本洋之検事はうつむき、肩を落とし、みるみる消耗していった。どちらが勝者かは明らかだ。
 公判後、傍聴者は巨大な勝利を確認するとともに、罰金判決を出した植村裁判長に激しい弾劾の声を浴びせた。

 法廷貫く完全黙秘の闘いで

 同日夕、文京区民センターで開かれた国鉄闘争勝利総決起集会には520人が大結集した。
 まず、富田益行被告団長が「向山被告は無罪、暴処法も共謀の立証も粉砕しました」と報告すると会場いっぱいに歓声があがった。被告団の発言が進むごとに勝利の大きさが実感されていく(被告団の発言要旨別掲)。
 続いて弁護団が登壇。鈴木達夫主任弁護人が「腹の底からわき上がる勝利感でいっぱいだ」と切り出し、もぎり取った勝利の大きさ、判決の評価、今後の闘いについて提起した(要旨別掲)。
 葉山岳夫弁護団長は、「資本主義が終末を迎える中で暴処法と共謀を粉砕したのは巨大な勝利」と高らかに勝利宣言。西村正治弁護士も「裁判長も判決文で闘いの正当性を認めざるをえなかった。事実上の無罪判決だ」と述べた。松田生朗弁護士は「被告のみなさんが誰にこびることもなく信ずる道を突き進んでいること——これが裁判官と検察官を圧倒した。この裁判にかかわれて感謝している」と熱い気持ちを伝え、山本志都弁護士は「共謀立証を粉砕したのは、法廷も含めた完全黙秘の闘いの力だ」と勝利の根拠を突き出した。最後に藤田正人弁護士が「法大裁判での無罪判決に続いて2連勝だ。闘いが前に進むほど弾圧はかけられてくるが団結の力で必ず打ち破れる」と確信を込めて述べた。
 さらに、7年余りの過程をともに闘ってきた被告家族も登壇し、次々とあいさつした。

 外注化阻止の大決戦を宣言

 集会の後半は国鉄労働者と学生の決意表明だ。
 九州から駆けつけた国労闘争団員は、「政府にお願いするということは”解雇撤回”を主張しないということ。原則を貫き、国労本部打倒の立場で闘う」と発言。国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは、「02年5・27弾圧は、闘争団を切り捨て、1047名闘争を終わらせるために国労本部と警察権力がデッチあげた事件。これをぶっ飛ばしたのはすごい勝利だ」と述べた。動労千葉争議団の中村仁さんは、「全国の労働者の怒りとひとつになり、絶対にわれわれが主流派になろう。動労千葉はその先頭で闘う」と表明した。
 動労総連合も、この日の闘いをともに闘った。
 動労西日本の大江照己委員長は「被告たちへの処分攻撃との攻防が始まる。ともにJR西日本幹部の息の根を止める闘いに立つ」と宣言。動労水戸の石井真一委員長は「23年間闘い抜き、ついに勝利の展望が見えてきた。われわれは勝利の大進撃を開始している」と確信に満ちた発言。動労千葉の繁沢敬一副委員長は「検修外注化と乗務員へのライフサイクル攻撃粉砕の闘いの要は組織拡大にある。一日も早く青年部を結成するために全力で闘う」と述べた。
 検修職場で働く国労組合員は「JRと和解するために合理化とは闘わないというのが国労本部の方針。検修外注化を止めるには、この本部を打ち倒すしかない。1047名闘争と5・27弾圧粉砕、検修全面外注化阻止の闘いは一体だ」と語った。
 法政大の洞口朋子さんは「今日の勝利で『闘っても勝てない』という体制内の思想をぶっ飛ばした。この力で法大暴処法弾圧に勝利する」と述べた。憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士も急きょマイクをとり「今日の勝利は、表現しつくせないほど大きい。闘う労働者の裁判闘争と裁判員制度粉砕の闘いは直結している」とあいさつした。
 最後に国労共闘代表の吉野元久さんが「戦前・戦後をとおして初めて、労働運動の力で暴処法弾圧をうち破った」と勝利の大きさを謳歌(おうか)するとともに、「この地平から半年間決戦に打って出よう。4者4団体の裏切りに対して闘争団・家族に強烈な怒りがわきおこっている。1047名を一人残らず獲得する闘いに入ろう。国労共闘は動労総連合とともに、職場で外注化阻止の新たな反合闘争に立ち上がる。JR本体の組合員と闘争団員・家族がひとつになって、JR体制に挑んでいこう」と訴え集会を締めくくった。