2009年12月 7日

泉佐野 下地・橋下「普天間基地を関空へ」 住民の会が先制抗議

週刊『前進』08頁(2419号5面5)(2009/12/07)

泉佐野 下地・橋下「普天間基地を関空へ」
 住民の会が先制抗議

 11月30日、橋下徹・大阪府知事は記者会見で米軍普天間基地の問題について、「政府から正式に話があれば、基本的に(関西空港への移設を)受け入れる方向で検討したい」と語った。これは下地幹郎・衆院議員(国民新党)の11・2衆院予算委発言に飛びついて、関空を米軍基地=軍事空港にすることで一切の危機を打開しようとする、とんでもない攻撃である。
 これは道州制の中心に関空を据える橋下の道州制攻撃、戦争攻撃である。民主党政権は、アジア侵略に向けて民間空港の軍事空港化を進めるために普天間問題を利用しようとしているのだ。この攻撃を絶対に許すな。関西空港の軍事基地化を絶対に許すな。普天間基地は即時全面撤去あるのみだ。自治体労働者とともに闘って粉砕しよう。
 この橋下発言に先立って11月19日午後、関西新空港絶対反対泉州住民の会は、下地議員の「普天間基地を関空に持っていけ」発言を弾劾し、また「関西空港に利子補給金160億円も税金を投入するな」と、大阪航空局、近畿財務局、大阪府に抗議申しれを行った。
 下地議員は11月2日の衆院予算委員会で「普天間基地の軍事訓練を関空に移せ。関空2期は使っていない。米軍基地に適している」と鳩山首相と岡田外相に迫ったのである。
 下地発言に対し、住民の会は「米軍基地は、沖縄にもどこにもいらないと考えている。国土交通省はどう考えているのか、反対するのか」と追及した。大阪航空局は関空課長、管理課長ら6人が出てきた。関空課長は「私も発言を聞いて、びっくりしている。米軍基地にするのは……です」と答えた。住民の会は「はっきり答えろ!」と追及したが、答えられない。われわれは怒って1時間追及した。
 大阪府はひどい対応だ。4人が出てきたが、「平時においては軍事使用しないと国が言っているので、軍事使用はないと考えている」とまともに答えようとしない。官僚答弁に終始した。住民の会は怒って1時間にわたって追及した。さらに泉州住民の会は、「関空会社への利子補給金を合計160億円も税金で出すなど絶対に認めない。銀行への利払いにわれわれの血税を使うな」と申し入れた。
 泉州住民の会はこの間、ビラや宣伝カーでこの問題を訴え、住民や労働者の怒りの声を代表して、航空局と財務省、大阪府に抗議の申し入れを行ってきた。泉州の労働者・住民はみな、関空のために泉佐野市が財政破綻し「早期健全化団体」に落ち込み、首切り・賃下げ、福祉や教育の切り捨てを強めていることに腹の底から怒っている。住民の会はこの声を代表して、闘いの先頭に立っている。