2009年12月 7日

星野再審勝利へ総決起 11・28全国集会に430人

週刊『前進』08頁(2419号8面2)(2009/12/07)

星野再審勝利へ総決起
 11・28全国集会に430人
 “労働者の力で即時釈放を”

 11月28日、「獄中35年星野文昭さんを自由に/第2次再審勝利/11・28全国集会」が、東京・牛込箪笥区民ホールで開かれ、全国から430人が集まった。
 昨年7月14日、最高裁は特別抗告を棄却した。これに対する怒りをバネに獄中の星野文昭同志と弁護団、家族、全国の星野の会が一丸となって第2次再審請求を準備してきた。集会前日の27日、ついに再審請求を提出した。全国集会は再審勝利・即時釈放の実現へ、熱気あふれる総決起の場となった。
 司会は、大阪・取り戻す会の小久保喜行さんと埼玉・越谷実行委員会の斎藤知春さんが務めた。開会あいさつに立った杉並・救う会の狩野満男さんが「星野さんを取り戻そうと本気になって考える労働組合が登場した。きょうは新たな陣形での出発の日。第2次再審勝利への総決起集会にしよう」と呼びかけた。
 「無実のゴビンダさんを支える会」の花島晟信さんが連帯を表明し、法大裁判で無罪をかちとった中島宏明君が獄中の8学生奪還をアピールした。「星野さんを取り戻そう」という組合決議を上げた、群馬合同労組、東京西部ユニオンの労働者が発言した。国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告団長の富田益行さんが「暴処法」を打ち破った11・27判決を報告し、大きな拍手を浴びた。富田さんは昨年、徳島刑務所で星野さんに面会している。
 奥深山幸男さん免訴の訴えが山本志都弁護士から行われ、「免訴を実現する会」の2人が横断幕を広げてアピールした。

 労働者を軸に広範な戦線を

 星野全国再審連絡会議事務局の金山克巳さんが全国総会報告に立った。金山さんは「6月の全国総会の目標はただ一つ。最高裁決定を打ち破って星野さんを本当に取り戻すにはどう闘うか、だった。熱烈で真剣な討論を行って、労働者の闘いを軸に広範な戦線をつくっていこうと決めた。それが7項目の確認だ」と報告した。「勝利の展望はある」とし、その根拠として、①無期という365日の転向攻撃に不屈非転向で闘う星野さんの存在と闘い、②大恐慌に突入した今日の情勢、③11月労働者集会に見られる新たな闘いの高揚を挙げた。「松川裁判闘争の教訓に学び、われわれ一人ひとりが星野になって、全国を回ろう。その力をもってすれば再審の門を開くことができる」と訴えた。
 休憩時間のロビーは人であふれた。壁には、星野同志の水彩画5点が展示されている。星野カレンターや詩画集、奥深山農園の野菜が販売され、「東京拘置所にいる8学生を年内に奪還しよう」と訴える学生たちの声が響いていた。
 「第2次再審請求への歩み」のビデオ上映後、星野同志のメッセージを、群馬・実現する会の事務局で、高崎経済大学時代からの友人である伊藤成雄さんが代読した。
 「権力が私たちの未来を閉ざすために、私の無実を百も承知で無期を強いる、35年にもわたって投獄していることへの労働者人民全体の怒りを解き放って、自らとすべての人々の人間的解放と一体に、再審無罪、即時釈放を、心を一つにしてかちとりましょう」と呼びかける長文のメッセージのキーワードは、「怒りを怒りとして解き放とう!」だ。星野同志は、「労働者こそ、世の中を変える力を持っています。……不正議や理不尽への怒りが怒りとなり、正義が正義として実現される時代に、無実の私に対する無期への怒りが怒りとなり、再審無罪、即時釈放が労働者人民の力で実現する」と言い切っている。

 新証拠27点を弁護団が報告

 再審弁護団の鈴木達夫弁護団長は、大恐慌の深まりという今日の情勢から星野闘争勝利を展望し、第2次再審請求書が星野同志、弁護団、事務局を始めとした総力で作られたことを強調した。和久田修弁護士は、中村巡査への攻撃が1分以内であることを厳密に解明し、権力のストーリーが崩壊していることを明らかにした。岩井信弁護士は映像を使い、確定判決の証拠構造を踏まえて新証拠の意義を明確にした。特に、新証拠27点の核心をなすカラー写真の発見は、全参加者の再審勝利への確信を深めるものとなった。
 第2次再審費用を集めようと東京東部・取り戻す会の戸村裕実さんが訴えた。続いて、全国各地から参加した星野の会がステージに並んだ。今年新たに結成された大阪、茨城、千葉、福島、新潟、埼玉・越谷の代表が決意を語った。昨年面会拒否にあった沖縄の和田邦子さんが、「11月に星野文昭さんと会ってきました! 大勝利です!」と元気に報告した。
 家族から星野暁子さん(妻)、星野修三さん(弟)、星野誉夫さん(従兄)が発言した。暁子さんは自作の詩を朗読した後、「労働運動と市民運動の結合した力で、星野の運動を全国全世界に広げたい。”星野さんのように闘おう。星野さんとともに闘おう”——このあり方を豊かにつくっていきましょう」と呼びかけた。
 最後に沖縄から駆けつけた共同代表の平良修さんが「前途に光を見いだした全国総会です。正義が光を放つためには行動しなければならない。執念をもって鉄の扉をこじ開けよう」と閉会のあいさつを行った。2010年の再審無罪・即時釈放へ、歴史的な全国集会がかちとられた。