2009年12月14日

団結ひろば 投稿コーナー

週刊『前進』06頁(2420号6面1)(2009/12/14)

団結ひろば 投稿コーナー

 裁判員制度絶対反対! 裁判員裁判を検証する集会 福岡 T

 11月22日、福岡市内で、市民のための刑事弁護を共に追求する会による第9回“パネルディスカッション やっぱりいらん!裁判員制度”集会が行われた。裁判員裁判は福岡でもすでに3件行われて、みなの関心は高い。裁判員裁判を検証することによってあらためて裁判員制度を問うパネルディスカッションは、90余人の参加で大成功した。
 冒頭、共同代表の渡辺富美子弁護士が主催者あいさつを兼ねて「マスコミ報道から見た裁判員裁判の問題点」を提起し、今後も廃止に向けた粘り強い運動を続けていく決意を述べた。
 パネルディスカッションは、3人の弁護士とメインゲストの斎藤文男・九州大学名誉教授の計4人のパネリストによって行われた。最初に発言した元裁判官の大谷辰雄弁護士(福岡)は、「刑事弁護活動の現場から」の観点から、裁判員裁判は著しく被告人の防御権を侵害していると弾劾した。
 次に、九州放送の「めんたいワイド」のコメンテーターでもあった斎藤さんは、憲法学者の立場から「裁判員制度は義務として市民が合法的に殺人に加担させられる制度である。裁判員制度は憲法違反。また司法の役割をまったく誤解している」と強調し、裁判員制度は即刻廃止以外ないと明言した。
 3人の提起を受けて発言した高山俊吉弁護士は「裁判員制度は80年ぶりの恐慌状態の中で政治経済危機を迎え、革命を前にした彼らが生き抜くために考えた制度だ」と暴露し、「われわれは、権力が戦争によって危機を突破する思想に染まるのか」と問いかけた。
 そして「みんな負けてない! これから死刑など重大事件で矛盾は拡大する。1人の拒否からみんなの拒否へ。みんなの拒否は廃止へ!のうねりをつくりだそう」と呼びかけた。ほとんどの人が最後まで参加し、民主党政権と対決して廃止まで闘っていくことを確認し合った。

 裁判員制度絶対反対! 第2の足利事件生むと訴え 栃木 渡瀬 進

  12月1日、栃木県初の裁判員裁判に対して百万人署名運動の仲間とともに抗議行動を行いました。宇都宮地裁(と地検)こそは、足利事件の冤罪を生み出した張本人であり、裁判員裁判が「第2、第3の足利事件を生む」ことを真正面から訴えました。当日夜の地元テレビ(とちぎテレビ)には、裁判員候補者として呼び出された人たちが百万人署名運動のビラを大事そうに読みながら裁判所に入っていく姿が映し出されました。
 翌2日の商業新聞各紙では「『現代の赤紙をみんなで拒否しよう』と訴えた」とビラの内容にまで踏み込んで報道がなされました。さらに、候補者となったものの「はずれた」人たちの「(候補者通知は)召集令状と同じだと思った」「(裁判を傍聴したが)国を挙げての裁判ショーだと思った」というコメントが地元・下野新聞と毎日新聞栃木版に掲載されました。これらのコメントは、まさにビラに書いてあった内容そのものです。
 また、11月23日に宇都宮市内で「裁判員制度はいらない!大運動」から弁護士を招いての緊急学習会も開催されました。この様子も下野新聞にカラー写真付きで報道されています。
 11・1大集会でも鮮明になったように、労働者階級が勝利できる時代の到来にあって、まさにだからこそ強行されている裁判員制度こそ敵の破綻点にほかなりません。この間の街頭宣伝でも、共感し百万人署名運動に「参加したい」という人も現れています。裁判員制度をむしろ闘う労働者の「武器」にして闘っていくチャンスだ。このことをあらためて深く確信しました。

 裁判員制度絶対反対! 3種1100枚のビラ配る 群馬 田島 俊昭

 12月8日、群馬県初の裁判員裁判が前橋地裁で強行された。「とめよう戦争への道 百万人署名運動・ぐんま連絡会」、群馬労組交流センター、婦人民主クラブ全国協、裁判員制度反対派の弁護士や議員が朝8時前から夕方5時までの抗議行動に立ち上がった。
 地裁は前日まで「80人に呼び出し」と言っていたのに、当日になって「42人の呼び出しに34人来たから参加率81%」と発表。そういうのを「偽装」って言うんだよ。
 これは「罰金10万円でもいやだ!」という人が6割近くで、もう裁判員制度は初日から破綻している。しかもこの日、さらに3人が辞退。群馬の最も北にある旅館の労働者は、料理の仕込みをして朝6時に出てきたという。「脳梗塞(のうこうそく)で倒れた80代の弟に呼び出しが来たので車で連れてきた」という方もいた。まさしく「現代の徴兵制」だ。
 地元紙は「報道、司法関係者を中心に、傍聴希望者が並んだ」と報じたが、民衆は裁判員裁判を拒否している。「裁判員制度を廃止しよう!」の訴えは裁判員に、傍聴者に、そして周辺の労働者にガンガン入っていった。危機に立たされた支配階級が体制擁護のために労働者・学生を動員する時、それは革命の側に労働者・学生を獲得する好機になる。
 手製の3㍍の横断幕と大運動ののぼりがひるがえり、アジテーションが地裁前を制した。用意した3種類1100枚のビラが配られた。翌日の地元新聞に「反対派20人が」と報道された。支援の農民も合流して、「裁判員制度は廃止できるぞ!」と確信させる闘いをやりきった。 

 裁判員制度絶対反対! 動労水戸も参加し集会開催 茨城 UT

 11月25日、茨城県で初めての裁判員裁判が開かれた。「裁判員制度はいらない大運動!茨城実行委員会」の11人は、雨の中、早朝から登場し、横断幕とのぼりを掲げ、水戸地裁前を制圧した。通勤の労働者、裁判所や報道機関で働く労働者が注目する中で、百万人署名運動や労組交流センター女性部の仲間が次々とマイクを握り、裁判員制度の廃止を訴えた。さらに、出頭を強制された裁判員候補者にチラシを手渡し、拒否を呼びかけた。
 水戸地裁は、第1号裁判に重大事件を避けて、被告がすべて認め、被害者との示談も済んでいる「強制わいせつ致傷罪」をとりあげ、2日間、実質審理6時間で判決を下そうとした。
 今回、裁判員候補者68人を呼び出しながら、事前に25人が拒否、当日5人が連絡無く欠席、1人が電話で拒否し、出頭したのは37人、さらにそのうち5人が辞退した。53%が拒否したのだ。裁判員制度の破綻は明白だ。当日出頭した裁判員候補者からは「制度への反対の声がある中での参加は複雑」(40歳・パート労働者・女性)などの声が上がっている。
 実行委員会は、今回の行動に先だって、21日に「やっぱりいらない!裁判員制度・茨城集会」を開催し、初参加者を含め25人が参加した。定期大会を翌日に控えた動労水戸からは代表が駆けつけ、5波のストライキの息吹を持ち込んだ。大運動事務局次長・川村理弁護士の「裁判員裁判の恐るべき実態」と題した講演に、会場から質問や意見が相次いだ。裁判員通知を受けとった男性は「5日前に通知が来た。封も開けずに突っ返すつもりだ!」との怒りを表明した。集会に参加した労働者の何人もが25日の水戸地裁抗議行動に年休をとって参加した。

 11月集会初参加者が京大集会の組織者に 京都大学 W

 12・4「教育の民営化反対!」京大集会は、今までにないほど学生が集まり大成功しました! 11月集会に至る過程で、わたしたちは「クラス」に徹底的にこだわりました。教室に『前進』を使った政治論議を持ち込んで討論を巻き起こし、決起をつくることに挑戦してきました。そしてついに、全学連運動復権の「のろし」が上がりました。クラス討論でつながった学生が次々と集会を見に来て、ビラもすごい勢いで渡りました。
 集会は雨で始まりましたが、進行するにつれて晴れ上がり、解放的に打ち抜かれました。はじめに、熊野寮で闘う学生が基調報告を行いました。大学当局による自治破壊攻撃と、それに屈服した寮内の体制内派をとことん弾劾しました。
 次に8学生奪還のアピールが行われ、学部自治会で闘う学生も発言、教室で「大恐慌に立ち向かう自治会をつくろう」と訴え、どんどん結合が始まっていることが報告されました。
 広島大学の学生も参加し、広大でもサークルをめぐる自治破壊に対して立ち向かい、反戦の「ヒロシマ」を守るという決意が述べられました。
 クラス討論を先頭で担ってきた学生は「キャンパスで一人ひとりの学生が立ち上がり団結する中にこそ、社会を変える展望がある!」と確信にあふれたアピール。
 先日の国労5・27弾圧裁判で暴処法を粉砕したことについて、「労働者の団結のみで粉砕したことは歴史的だ!」という発言も続きました。
 最後に行動方針として力強いアピールが行われ、学内デモに出発。11月集会に初めて参加した学生たちが、今度は組織者としてプラカードやのぼりを手に参加している! こんなに感動的なことはありません!

 海を越えたこの場所にも仲間いると感動 広島大学 霧間 武史

 11月7〜9日の訪韓闘争に参加しました! 感じたのは、韓国の労働者階級の熱気・怒り、さらなる連帯・団結を求めてやまない熱意、なによりも国際連帯。
 初日、前夜祭の場で韓国の学生運動活動家に、「教育の民営化」と闘っていると言うと、「自分たちもだ」と返ってくる。韓国では大学の運営を決める権利を買いあさっている資本家グループがあり、大学が企業のように変えられていると彼は語る。日本でも、国立大学法人化以来「経営協議会」という機関が設置されて大学の予算権を握っている。今までの大学の自治を企業に売り渡すことで生き残ろうとしている構造が同じ。「学生は政治のことはやらなくていい」というイデオロギーが振りまかれていることまでそっくり。
 新自由主義大学の中で「教育の民営化」と闘う現場の団結をどうやってつくるか。体制内思想と闘う運動を「現場でいかに組織するか」がともにぶち当たっている壁だ。現場での実践がなければ会話もできない。一般的なことを言って、やんわりと一致するというあり方では、団結はできないことを痛いほど感じた。
 国際連帯とはこういうふうに構築されていくのか。今まで見たことも聞いたことも、互いの闘いすら知らないもの同士が、実は同じモノと闘っている。この一点で仲間だと感じられる。「海を越えたこの場所にも仲間がいる」。この感動。
 来年も行けたら、突っ込んだ議論をやりたい。「11・1に示された国際連帯・団結を、自分は前進させている」。そう感じる3日間でした。

 階級的労働運動の力で基地は撤去できる 京都大学 小菅 学

 ソウルでの歴史的な民主労総全国労働者大会と時を同じくして、11・8沖縄県民大会闘争に坂野陽平全学連委員長代行を先頭に7人の闘う学生が断固登場しました!
 県民大会前日の7日、那覇国際通りデモ。沖縄の仲間と全国から駆けつけた労働者・学生の隊列の「民主党・連合政権打倒!」「道州制・沖縄単独州攻撃粉砕! 辺野古新基地建設阻止!」のシュプレヒコールが圧倒的な注目を集めました。
 その後の労学総決起集会では、沖縄の青年労働者から「明日は、現場に依拠して闘うわれわれこそ反戦闘争の主流派だということを訴え、体制内労組指導部から沖縄反戦運動の旗を取り戻す闘いだ!!」との熱烈な基調報告を受けました。11・1全国労働者集会で示された国鉄1047名解雇撤回闘争を軸に階級的労働運動をよみがえらせる闘いを沖縄からも開始しようという熱い決意表明に、会場のボルテージは上がりまくりでした。
 8日は朝から快晴。県民大会会場でのビラまきとアジテーションは圧倒的注目を浴び、用意した1万枚近くのビラが吸い込まれるように受け取られていきます。集まった労働者の民主党政権に対する怒りのすさまじさを肌で感じました。
 民主党は選挙過程で沖縄人民の期待をあおるだけあおったくせに、民主党県連の喜納昌吉の発言からは基地撤去のキの字も出てこない。幻想が吹っ飛び、沖縄人民の怒りが民主党政権と日米安保を根底から揺るがす決起になるのを心底恐れているということです。
 米軍基地を撤去し、沖縄の基地と貧困の現実を打ち破る力は民主党でもなく革新共闘でもなく、この集会に集まった労働者一人ひとりの中にある。階級的労働運動の力で基地は必ず撤去できる!——そう強く確信した沖縄での闘いでした。