2009年12月14日

法大弾圧裁判 小川総務課長証言 画像を見て人物特定できず

週刊『前進』06頁(2420号6面2)(2009/12/14)

法大弾圧裁判 暴処法弾圧
 小川総務課長証言に怒り爆発
 画像を見て人物特定できず

 12月7日、東京地裁刑事第1部(秋吉淳一郎裁判長)で、法大暴処法弾圧裁判第5回公判が闘われた。
 冒頭、鈴木達夫弁護団長が国労5・27臨大闘争弾圧裁判の勝利に基づいて意見を述べ、「公安事件で暴処法が適用されなかったのは画期的だ。この無罪判決の意味について深く考え、治安弾圧法である暴処法の本質を見抜いて審理を行え」と秋吉裁判長に突きつけた。
 続く織田陽介全学連委員長は「いま大恐慌の時代であるがゆえに暴処法が再び問題になっている」と1930年代のような大恐慌と革命の時代が到来していることを明らかにしたうえで、「闘う労働運動・学生運動を復権させ、第2次世界大戦に向かった歴史と決別し、革命に向かって人類史を前に進める決定的闘いである」と法大暴処法弾圧裁判闘争の意義を高らかに訴えた。
 また、新井拓君は、前回公判で秋吉裁判長が織田君を退廷させたことを徹底的に弾劾した。「裁判官のメンツや権威を守るためだけに振りかざされる訴訟指揮権こそ、裁判破壊の元凶だ」
 さらに、藤田城治弁護人が小川浩幸・法大総務課長に対する検察側尋問のでたらめさを徹底的に弾劾。「目撃者でもない小川総務課長の証言は一個人の予断に満ちた勘や当てずっぽうでしかない。このような茶番につきあわせ、勾留を長期化させることなど断じて許されない」と小川証言の制限と8人の即時保釈を訴えた。
 こうした被告、弁護団、傍聴席が一体となった怒りと迫力が法廷を制圧し、小川への主尋問・反対尋問は法大暴処法弾圧のデッチあげを徹底的に暴くものとなった。検察は小川に、「増井君が教職員を脅迫する演説を行ったので入構禁止看板を設置した」と弾圧の正当性を訴えさせようとしたが、小川自身はそれを決定した会議には出ていない。一切の責任者である増田総長を隠し、何も目撃しておらず、大学を代表する立場にもない小川に、すべてが事実であり真実であるかのように語らせることは断じて認められない。小川の証言は、何の信用性も根拠もなく、一切は小川の予断に満ちた意見でしかないのだ。
 また、看板が壊されたとされる2月19日の「監視カメラ」の荒くピントがぼやけた画像を使った「人物特定」は、暴処法弾圧の破綻をより一層明らかにした。小川は、コマ送りされた画像を見ても「はっきり特定できた者はいない」と繰り返した揚げ句、「この画像では分からないが、たぶん織田君だと思う」だとか、「私の知っている者の中では内海君だ」などとあらかじめ「犯人」を絞り込んで名前を挙げ始めたのだ。
 あまりにも低レベルな検察側立証に弁護団、被告、傍聴席の怒りが爆発した。検察は予定していた尋問を粉砕され、最後にはカメラの画像だけ流し、画像による「人物特定」を続けることができなくなった。
 続く反対尋問に藤田正人主任弁護人が立ち、小川の反動性を徹底的に暴いた。あらためてはっきりしたことは、小川は総務課員として、闘う学生を日常的に学外退去させ、デモや集会の時には「事前対応」と称して警察に行っていた人物だということだ。小川こそ学生弾圧の先頭に立ち、なんとかして全学連と文化連盟を弾圧しようとたくらんでいたのである。
 今回の公判では、検察側は何の立証もできないどころか、「監視カメラ」の画像と小川証言によって「暴処法違反」をデッチあげたことが明らかとなった。これ以上の8学生の勾留は絶対に認められない!