2009年12月21日

西郡住宅裁判 市当局を証人に決定 市長不採用に怒り爆発

週刊『前進』06頁(2421号3面3)(2009/12/21)

西郡住宅裁判 市当局を証人に決定
 市長の不採用に怒り爆発

 12月3日の八尾北医療センター売却を許さない八尾市議会闘争と連続して、大阪地裁で4日、家賃供託者の貯金差し押さえを弾劾する西郡住宅裁判闘争が闘いぬかれた。
 郵便貯金の差し押さえから約2年。八尾市は解放同盟本部派・地区協と結託し、供託者の闘いをつぶして応能応益家賃による住宅追い出しを正当化しようとした。しかし供託者は団結してこれを打ち破り、逆に八尾市の不当性を暴いた。そしてついに差し押さえの張本人・田中八尾市長、橋本元建築長、石田住宅管理課次長の証人調べを要求するところまで来た。
 2・26住宅追い出し強制執行と闘った森本政二さんを先頭に部落解放同盟全国連西郡支部は、11月労働者集会に総決起し国鉄1047名闘争をともに担った。そして供託者自身が住宅闘争の「1047名」として屹立(きつりつ)し闘いを開始した。この階級的団結と絶対反対の闘いが敵を追いつめてきたのだ。
 八尾市が出してきた陳述書は、「(応能応益家賃)導入時、住民にはできるだけ説明し理解してもらった」「応能応益で家賃は安くなっている」「供託者が減ったことが八尾市の正しさの証明だ」などと書いている。ふざけるな! 人殺し同然の供託つぶしを居直り、誰も納得しないウソを平然と並べ立てる田中市長を絶対許さない。裁くのはわれわれだ。
 この日、大阪地裁807号法廷は、かけつけた西郡住民と全国連杉並・品川支部のきょうだい、ス労自主など共闘の労働者で埋め尽くされた。
 原告代理人の弁護士が「田中市長の証人採用は絶対に必要だ。権力者によって市民の権利が踏みにじられてはならない」と稻葉重子裁判長に迫った。八尾市は反論もできない。ところが稻葉裁判長は、八尾市側の証人から田中市長をはずし橋本と石田だけ採用。供託者側からは末光道正議員と原告のA君の採用を告げると、「閉廷」を宣言して法廷から逃げだした。
 原告と傍聴者は一斉に怒りを爆発させた。「なぜ田中をはずした。理由を言え」「裁判長は法廷に出てこい」「こんな裁判があるか」「住宅追い出しの張本人を逃がすのか」と裁判長に徹底弾劾をたたきつけた。
 総括集会で岡邨(おかむら)洋西郡支部長が「市長の証人不採用は断じて許せない。しかし八尾市をここまで追いつめた。闘いはこれからだ。橋本・石田を証人として引きずり出したのは決定的だ。われわれの手で裁いていこう」、原告のBさんが「八尾北医療センター民営化阻止の闘いと一体になり、住宅闘争も次の段階に進んでいこう。団結して頑張ろう」と決意表明した。
 次回公判は来春3月19日午後1時半。1月8日の明け渡し弾劾裁判も田中市長らの証人採用をめぐる攻防になる。傍聴闘争に決起しよう。
 私たちは、労働者の団結した力だけが一切を切り開くことを鮮明にし、来春決戦に突入する。
 (投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)