2010年2月 1日

民営化絶対反対! 職場に動労千葉派の砦を 革共同全逓委

週刊『前進』08頁(2425号4面1)(2010/02/01)

民営化絶対反対! 反合・安全闘争で郵政職場に動労千葉派の砦を築こう
 革共同全逓委員会

 全産別から2・13決戦に総決起し民主党政権倒せ

 完全失業者と潜在的失業者の合計が1400万人を突破し、働いても生活保護水準に達しない貧困層が1000万人を超えた。この現実が、戦後高成長以来、巨大な富を集積してきた日本帝国主義の到達点である。
 検修業務外注化阻止の国鉄決戦を主軸に、労働者人民の総決起で民主党・連合政権を打倒する階級決戦が開始された。戦争と改憲、民営化と労組破壊との全面的な対決をかけて総決起しよう。動労千葉は2・1〜2の48時間ストライキ方針を確立し、不退転の闘いに立ち上がっている。全国の全逓労働者は動労千葉とともに総決起しよう。
 小沢・鳩山=民主党・連合政権は、自民党時代に日帝支配階級がやりきれなかった独自の軍事外交政策の確立や改憲などの反動的大飛躍を、連合中央を抱き込んで遂行しようとし、7月参議院選での単独過半数確保と独裁的政治体制への移行を狙っている。だが大恐慌の中で、支配階級は「小沢問題」で大分裂を始め、日米帝国主義が安保・沖縄問題とアジア支配をめぐって激突する空前の政治危機に陥っている。そして「米軍基地無条件撤去」を求める沖縄の労働者人民の怒りは、日米安保体制の根幹を揺るがす段階に突入した。この巨大な階級的激突の核心部において、国鉄決戦を始めとする非和解的な階級戦争が火を噴いているのである。
 民主党政権は、労働者人民の憤激で自民党支配が打倒されることで成立した。だがその権力構造は、ブルジョアジーの一方の潮流が連合=帝国主義労働運動を取り込むことで成立している紛れもない資本家の政府だ。労働者人民に問われているのは、民主党政権の最大の弱点である連合支配を突き崩し、全資本家階級とそれを支える政府との全面的な闘争に突入することなのだ。その帰趨(きすう)を決する闘いとして国鉄決戦を基軸に4大産別決戦を闘い、革命派の確固たる拠点を打ち立てる戦略的前進をかちとるのである。
 09年、闘う全逓労働者は小泉政権以来の民営郵政・西川体制を倒し、民営化の核心をなしたJPEX攻撃を破産に追い込んだ。そしていま、銀座局死亡事故に対する怒りが全国の職場でわき起こる中で、郵政民営化絶対反対・連合JP労組中央打倒の闘いの真価が問われている。
 動労千葉と一体で反合・運転保安闘争の路線を郵政においてこそ貫き、すべての職場で階級的なランク&ファイル運動を組織しよう。2・13労働者総決起集会の大結集から3・20反戦大闘争へ総決起しよう。

 死亡事故の責任放棄する当局と組合幹部に怒り

 昨年12月14日、日本郵便銀座支店で、電動牽引(けんいん)車を扱っていた特殊郵便課の労働者
(59)が、業務用エレベーターの2階ドアが開いて1階のゴンドラ上に転落、死亡するという悲惨な事故が起こった。民営化で交通事故、労災、連続深夜勤による過労死や病死が頻発するなかで起こった死亡事故だ。
 郵政当局は、調査もなしに「本人による操作ミス」と発表。「死人に口なし」の卑劣な態度を決め込んだ。現場の怒りは沸騰している。「事故は本人の責任ではない」「現場のミスで片づけるな」「破産したJPEXに大金をつぎ込んで、老朽エレベーターの一台も更新しなかったことが原因だ」「安全に金を使わないのが民営化だ」「当局に責任を取らせろ!」
 「利益が一切」の民営郵政が生んだ劣悪な労働環境と安全無視が現場労働者を殺したのだ。郵政労働者25万人全員の死活にかかわる問題だ。
 この事故で、東京中郵の廃局・銀座移転統合の問題性も浮き彫りになった。中郵廃局は、旧庁舎再開発による不動産業への進出が目的だった。JPEXと並ぶ民営郵政の目玉事業で、高額のテナント料収入や不動産証券化による金融投機が目当ての計画だった。
 そして本業の郵便・集配業務は老朽化した銀座局に統合され、本来は同一平面にあるべき差立て便発着場(本館1階)と到着便発着場(新館1階)が別の建物に分かれ、2階の連絡通路で行き来するという、前代未聞の労働環境が強制されたのだ。
 今回の死亡事故は、この銀座局への統合がなければ起こらなかった。急ごしらえの連絡通路が傾斜構造となり、中郵時代は不要だった電動牽引車が必須となったのだ。荷さばき場の大混雑も常態化した。エレベーターは40年も使い古したあのシンドラー社製である。ドアは「手で押したら開いてしまったこともある」欠陥装置だった。ゴンドラが1階に降りていたのに、エレベーターのドアを牽引車が斜めから押しただけでドアが開いたのだ。このエレベーターの安全対策は何も取られなかった。
 牽引車(トヨタ製)の運転訓練義務も、当局は現場の要求を無視して実施しなかった。死亡した労働者は自動車運転免許もなかった。彼は民営郵政によって殺されたのだ。まさに「闘いなくして安全なし」である。
 そしてJP労組中央は資本の「生産性向上」スローガンを自らの綱領に高め、一切の労働環境悪化を容認し、現場の闘いを抑圧してきた。民営化賛成に転じた彼らの裏切りこそが、今回の死亡事故のもう一方の原因なのだ。彼らは郵政資本と完全に同罪である。
 死亡事故を事実上放置する本部への怒りは広がっている。「もう我慢ならない」「資本と組合幹部の癒着で事故は起きた。JR尼崎事故と同じだ」「当局と組合に責任を取らせろ」との声が職場に充満している。この怒りを組織する反合・安全闘争で職場支配権を獲得していく闘いこそが問われている。

 JPEX分社化を粉砕した現場労働者の闘い

 全逓労働者は09年、小包部門を郵政本体から切り離す民営郵政の大合理化計画の柱だったJPEX子会社化攻撃を完全に粉砕した。これは階級的労働運動が現場労働者の怒りと本格的に結合し始めた決定的な勝利の地平である。
 強制出向の肩たたきにあった労働者の決起を現場の仲間が結束して守りぬく闘いが団結の質を格段に高めた。当局の業務研修は最後は怒号で成り立たなくなり、正規職・非正規職あわせて全国25万人の郵政労働者の大半が、強制出向の強要に「行かない!」の意思表示をたたきつけ、計画を破綻に追い込んだ。
 現場労働者の団結の前に、資本の攻撃の無力さがさらけ出された。全逓労働者が民営化攻撃を土台から打ち破る展望をついに手にしたのだ。
 郵政民営化は、300兆円もの労働者人民の資産(郵貯・簡保)を、歴史的生命力を喪失したブルジョアジーが奪い合う攻撃だった。「利潤・利益」が一切の基準となり、労働組合の絶滅が至上命令となった。JPEX計画はそうした民営郵政の労務戦略の大突破口だった。西川体制が準備していたNTT型の徹底的な分社化・子会社化戦略を入り口段階で粉砕した意義は絶大である。
 また、JP労組中央の裏切りの実態が広く暴かれたことも決定的だ。彼らは民営化以後、現場の6割を超えた非正規職化を裏で承認し、止めどない低賃金化と人減らし、労働時間延長に率先協力し、連続深夜勤による過労死問題も放置してきた。そしてJPEX計画推進の立場を公然化、「病気休暇なし。年末年始休暇なし」「成果給導入。定昇なし」を受け入れ、「ヤマト運輸方式」で現場労働者同士を徹底的に競わせる地獄のSD(サービスドライバー)制度まで受け入れた。
 JPEX攻撃との闘いは、この裏切りの実態を現場にさらけ出した。各職場で本部派執行部の権威と指導性が崩壊する事態が一気に広がったのだ。ランク&ファイルの闘いが職場支配権を取り戻す大きな突破口が開かれたのである。
 JP労組中央委員会が2月18〜19日、千葉で開催される。議案の中身は第一に難波(前書記長、全逓出身)の参議院選出馬、すなわち〈戦争・改憲、民営化と労組破壊>の小沢・鳩山民主党との一体化である。第二に、10春闘でのベア要求放棄と「生産性向上への寄与」という、連合中央の裏切り方針の旗振り役になること。第三に民主党政権の「郵政見直し」=全面合理化と小沢民営化路線への支持、株式上場の承認。そして第四に昨年の大会で否決された「新人事・給与制度」(基本給3割カットと成果主義賃金への転換)の強行である。いずれも郵政労働者を現代版「産業報国会」運動に組み敷こうとするものである。

 労働貴族=JP労組中央打倒し組合権力獲得へ

 「ふざけるな!」というのが圧倒的な現場労働者の声だ。資本と同一スローガンを掲げる本部の腐敗への怒りは、もはや絶対に抑えられない。
 まず「難波選挙」への組合動員に怒りが広がっている。彼ら本部役員こそが、JPEX攻撃による大合理化を受け入れ、「スト絶滅宣言」で会社に忠誠を誓ってきた張本人だ。彼らは、現場労働者が身を削って支払う組合費から平均で2500万円(!)もの年俸を取っている。労働貴族そのものだ。こういうやつらが“小沢民営化路線”を支えている。彼らは完全に現場労働者の敵だ。
 ベア要求放棄も論外だ。民営化で現場労働者が何人も殺されているのだ。銀座局の事故以外にも、昨年12月の東京だけで3人の郵便労働者が事故で死亡した。非正規職化の拡大で郵政資本が年間何千億円もの賃金を略奪する仕組みも、ダラ幹どもが現場の闘いをつぶしてきたから可能となった。名実ともに資本の別働隊となった彼らに対する現場の怒りが爆発するのは時間の問題だ。
 「郵政民営化見直し」も大ペテンだ。本部は、「見直しとは経営の自由を要求することだ」と、小沢の民営化推進路線を支持した。組合執行部が「株式上場」を要求する犯罪性も万死に値する。民主党政権成立後も現場の要員減らしは止まらず、「4時間超勤」が当たり前となったが、その元凶が「株式上場」なのだ。「株が売れるかどうかが民営化の唯一の関心事」(本社取締役)で、「コスト削減に終わりはない」からだ。
 基本給3割カット・成果主義賃金の「新人事・給与制度」も粉砕あるのみだ。組合の名のもとに現場の団結破壊を強要する方針など、労働者は絶対に許さない。
 JPEX計画で1000億円もの損失を出した問題でも、会社方針を支持したJP労組中央の責任を追及する闘いが始まっている。「赤字」を理由に自爆営業が強要される現場の忍耐は限度を超えた。かんぽの宿問題の郵政疑獄を闇に葬ることと引き替えに、前委員長・山口が経営陣に抜擢(ばってき)された前代未聞の癒着も暴かれた。腐敗した権力は絶対的に倒れる。現場の怒りは臨界点に向かっている。
 民営化絶対反対の動労千葉派が全逓労働運動の革命的権力を握る展望が確実に広がっている。動労千葉の「闘いなくして安全なし」のスローガン、反合・運転保安闘争の思想は、全産別の闘いにつうじる武器だ。連合JP労組中央打倒への決定的な飛躍を成し遂げよう。1〜4月国鉄決戦を基軸に全産別で春季ゼネスト情勢を切り開こう。2・13全国労働者総決起集会の5千人結集で、労働者の敵=民主党・連合政権を打倒しよう!