2010年2月 1日

日教組教研集会 大情宣 会場内で“教免更新制撤廃”

週刊『前進』08頁(2425号5面2)(2010/02/01)

日教組教研集会 本部打倒訴え大情宣
 会場内で“教免更新制撤廃”

 本部の妨害粉砕し会場前に登場

 日教組第59回教育研究全国集会が、1月23日から25日まで山形市を中心に開かれた。日教組本部は、民主党政権下の初の教研集会を文科省との「パートナーシップ」をおう歌し、組合員を民主党支持へと総動員する場にしようと画策していた。これに対して、全国労組交流センター教育労働者部会は、東北地方の労働者・学生とともに断固たる弾劾の情宣行動に立ち上がった。
 日教組本部は、「右翼対策」に名をかりて、実は、闘う組合員の抗議や階級的潮流の宣伝活動から教研集会を遮断することに腐心してきた。昨年の広島教研では、全体会、分科会会場に機動隊を導入して、闘う組合員の排除を強行した。今年は、警察権力に要請して会場周辺を全面的に通行止めにし、駐車場ごと会場を柵で囲い込んで要塞化し、宿舎・全体会場・分科会会場間の移動もすべて貸し切りバスで組合員を「護送」するという徹底ぶりだ。
 さらに、一昨年来の「日の丸・君が代」レポート排除、被処分者の傍聴排除に加え、今年はチラシ配布・署名・カンパ禁止、日教組方針に反する発言禁止など、参加者に対する官僚統制もさらに徹底し、一切の本部批判を封殺しようとした。だが、こんな策動が通用するはずもない。
 「金権腐敗、首切りと戦争の民主党を支える日教組本部をたおそう!」「民主党・輿石、日教組委員長・中村は小沢の手先だ!」。早朝、山形駅周辺から全体会場に向かう送迎バスに乗り込む参加者に、次々と民主党・連合政権打倒を訴えるビラや民主党の教育政策を全面的に暴露するリーフ、JR検修外注化阻止決戦を訴えるタブロイド判のカラーチラシがどんどん手渡された。バスの待ち時間に「8・6処分」撤回署名や「君が代」解雇反対署名に応じ、闘わない日教組本部への怒りを表明する参加者も数多くいた。
 全体会が終了し、分科会に向かうバスが出発する11時には、全体会場の山形ビッグウイング正門前に堂々と登場、「公務員大量首切りの民主党・連合政権打倒」の横断幕が会場正面に掲げられた。青年労働者を先頭に、日教組本部打倒を呼びかける現場教育労働者のアジテーションが会場に響き渡った。
 会場内でも、11月労働者集会派の断固たる決起がかちとられた。
 中村委員長は、全体会の主催者あいさつで、「日教組が、社会的パートナーとして認知された今、私たちの責任は重く大きい」と述べた。”政権与党となった以上、文科省のやることに反対するな”という組合員への恫喝(どうかつ)だ。だが、その民主党政権は、何をやろうとしているのか? 文科省からの来賓として教研集会に59年ぶりに出席した高井美穂政務官は、前原・野田グループに所属する極反動であり、「日本国教育基本法案が新政権の教育に対する考え方のベース」と言ってはばからない人物だ。あいさつでは、「新学習指導要領の円滑実施をはかりたい」「教員免許制度の抜本改革までは現行制度は有効」などと述べたて、改悪教基法の具体化推進と免許更新制以上の首切り制度の導入に「日教組の努力と協力をお願いしたい」と言い放ったのだ。

 闘う組合員こそ日教組指導部だ

 この許しがたい発言に対して、参加者から「教員免許更新制いますぐ撤廃! 制度改革許すな!」「日の丸・君が代強制は再び戦争への道だ!」の抗議ボードが、高井政務官と中村委員長の眼前に掲げられた。中村委員長は顔面ひきつらせるも、日教組組合員の意思を体現した抗議を押しとどめることはできなかった。
 「パートナーシップ」の演出で日教組を民主党政策の手先にしようとする本部の策動は、決定的痛打を浴びたのだ。さらに、人権教育や平和教育の分科会でも、「日の丸・君が代」レポート排除に対して抗議する発言が相次いだ。
 昨年の広島教研で、日教組−東京教組本部は、「君が代」解雇攻撃と闘う根津公子さんのレポートを排除したばかりか、傍聴参加も認めなかった。広教組本部は、不起立で闘う青年労働者、倉沢憲司さんらに「不規則発言はしない」などの「誓約書」の提出を要求し、これを拒否したとして排除した。
 倉沢さんは、「被爆の日」に設定された10年研修を蹴って8・6ヒロシマ大行動に年休行使で参加して処分された。だが被爆者や現場労働者からごうごうとまき起こった怒りの前に「配慮が足りなかった。もう8・6には官制研修をやらない」と広島県教委を屈服させる勝利をかちとった。そして、全国のランク&ファイルの不起立の団結の力が、「君が代」解雇を阻止し続けている。
 いまや、誰が職場の怒りと闘いを抑えつけているのか、誰が”闘う日教組”の真の指導部、主人公なのかは、すべての組合員の前に明らかとなりつつある。
 政府・民主党と検察権力が正面衝突するという支配体制のかつてない危機が爆発している。連合、とりわけ日教組出身の輿石らは、小沢擁護の最先兵として立ち現れている。労働者大量首切り政権、沖縄の怒りの圧殺者としての鳩山政権の正体は、日ごとに明らかとなっている。デマとペテンで民主党政権に幻想をつなぎ止めることなど、もうできない。
 闘う教育労働者は、動労千葉、動労水戸、国労共闘とともにJR検修外注化阻止決戦に決起し、道州制・教育の民営化攻撃を打ち砕こう。動労千葉ストに続き、「40秒間のストライキ」=「日の丸・君が代」不起立闘争の爆発をかちとろう。2・13全国総決起から民主党・連合政権打倒へ。