2010年2月 8日

自治労中央委 交流センターが国鉄決戦訴え 「社保庁分限免職やむなし」本部

週刊『前進』06頁(2426号4面1)(2010/02/08)

自治労中央委 交流センターが国鉄決戦訴え
 「社保庁525人分限免職やむなし」
 鳩山政権擁護に躍起の本部

 1月28、29日、労組交流センター自治体労働者部会の闘う労働者は、自治労第139回中央委員会が開かれた東京・九段会館前に登場、全国の自治体労働者に「大恐慌下、今春国鉄決戦をともに闘い、自治労本部と民主党・連合政権を打倒し、革命への道を切り開こう」と訴えた。広島・福山の社保分限免職者の平口雅明さんも駆けつけ、ともに闘った。
 1日目、「動労千葉とともにJR検修外注化阻止決戦に立ち上がろう。社保分限免職525人の解雇を撤回せよ。525人のねんきん機構労組からの排除と全国社保労組の2月末解散を許さない。道州制・民営化=公務員360万人首切り・賃下げを推進する自治労本部を打倒し、闘う労働組合をよみがえらせよう。2・1〜2動労千葉48時間ストライキを支援し、2・13全国労働者総決起集会に5千人の大結集をかちとろう」——鮮烈なアジテーションが鳴り響くなか、自治労の役員、中央委員、傍聴者に労組交流センターのビラと平口さんの「社保ニュース」各800枚を手渡した。
 自治労本部は、社保庁解体1千人不採用(525人分限免職)、非常勤職員3千人雇い止め解雇になんら怒らず反撃もしない。不当解雇と非正規雇用化を前提とした「雇用確保」の「対応」をとっただけだ。不採用通知を受けた労働者を期限付き、賃金2分の1、3分の1で年金機構や厚生労働省に再雇用する長妻厚労相提案をのんだ。
 これに怒り決起したのが525人の分限免職者だ。彼らは労働者の誇りを示した。国鉄1047名解雇撤回闘争に続く新たな解雇撤回闘争が始まった。
 社保労組幹部は、長妻の「お客様へのお約束10カ条」で労働監獄と化した年金機構の奴隷頭となる道を選択した。おまけに今中央委で1億円の補正予算を付けた。いったん不採用通知を受けながら非常勤職員に再雇用された社保労組員の低賃金を補う生活支援金の貸し付けをするという。
 だが、労働者が求めているのは正規雇用継続であり、闘う方針だ。

 「政策実現へ政府と対話」

 自治労中央を代表してあいさつに立った徳永秀昭委員長は「変革と挑戦」を唱えた。自治労を政権の支柱に自己「変革」し、日帝救済に「挑戦」するということだ。そして▼社保庁525人分限免職にはさらに「雇用確保」を追求する▼政策実現へ政府と緊密に対話する▼労働基本権(一部)回復を求める▼非正規を含め全労働者の待遇改善を追求する▼参院選に全力を挙げる——と述べた。政務三役とのボス交ですべてを決めるということだ。
 1日目の議事で経過報告に対する質疑に立ったのは4人だけ。富山県の氷見市民病院民託化などで不当労働行為が行われているが、ストライキや全国闘争で闘うという方針は出されなかった。
 自治体労働者部会は2日目の朝も登場。「検修外注化阻止・運転保安確立、2・13労働者集会」への大結集を訴えるタブロイド判と平口さん作成の「社保ニュース号外」を各500枚配った。会場で多くの組合員が読んでいた。
 春闘方針案、当面の闘争方針案をめぐる討論に入った。
 本部方針案は「景気回復」「企業収益改善」「財政再建」による「賃金水準の維持」「雇用確保」を春闘の最大の目標に掲げる。当局・資本の側に立っている。だから賃上げ要求はしない。
 次に公務員制度改革・労使関係改革について、労使関係制度検討委員会「報告」に基づき、労働基本権の一部(団体交渉権・協約締結権)回復、人事院・人事委員会の廃止を見通し、団交、協約で賃金・労働条件を決める「制度設計」を行うという。
 政府と与党、法律と制度に頼るばかりで、ランク&ファイル(現場一般組合員)の団結に依拠してストライキや実力で闘うという考え方は皆無だ。しかも両改革の狙いが道州制=360万人首切り=民営化の推進であることを隠している。
 さらに「自治・分権推進」「地域公共サービス確立」をうたう。「質の高い公共サービス」の提供、すなわち滅私奉公で財政破綻下の自治体を救うことを誓ったのだ。
 道州制については本部は「地域主権」として積極的に推進する立場を方針化した。公立病院民営化、幼保一元化を推進するということだ。
 質疑討論では、民主党主導の政権への交代にもかかわらず総務省が自治体当局と一体となって自治労攻撃を強めていることへの不満、社保庁の分限免職攻撃への本部の対応への疑問、行政刷新会議の強引な事業仕分けへの怒りが表明された。
 本部は「自民党政権の負の遺産の整理にはさらに半年かかる。夏の参院選での自治労組織内候補・江崎孝の高位当選で政権への自治労の影響力を拡大し、制度・政策を実現しよう」と答弁した。民主党・連合政権への幻想につなぎとめようと必死だ。
 だが、金権腐敗の小沢・鳩山政権は、戦争と改憲、東アジア共同体(争闘戦とアジア侵略)、地域主権=道州制(民営化と360万人首切り)、賃下げを強行するブルジョア政権であり、打倒対象だ。鳩山政権に組み込まれた自治労本部を現場組合員の怒りで打倒しよう。