2010年2月 8日

いとさん不動の決意 “一坪共有地守りぬく”

週刊『前進』06頁(2426号4面2)(2010/02/08)

2・25三里塚本部裁判 反動判決粉砕へ
 鈴木いとへさん不動の決意 “一坪共有地守りぬく”

 1月28日、千葉地裁で三里塚芝山連合空港反対同盟の鈴木幸司さん、いとさん夫妻の一坪共有地裁判が開かれた。これは原告・千葉県が駒井野の一坪共有地の明け渡しを求めて、共有者である鈴木さん夫妻を訴えた裁判。裁判長は、現闘本部裁判で常軌を逸した訴訟指揮を繰り返した仲戸川隆人だ。
 反対同盟顧問弁護団はこの訴訟の違法性・不当性を2点突きつけた。
 ①鈴木さん以外の土地の共有者31人分の権利が千葉県に売却される際、もとの土地提供者である藤崎が各共有者を回って「真正な登記名義の回復」という手続きを取り、一括して千葉県に売り渡した。これを藤崎が無償で行ったことはありえない。弁護士法第7条違反である。
 ②千葉県は新産業三角構想なるものをもとに、この土地を成田国際物流事業の複合基地にすると称していた。こんな思惑は恐慌情勢でとっくに破綻した。県はこの土地を鈴木さんから強奪し地上げして成田空港会社(NAA)に転売することしか考えていない。こんな裁判のどこに「公共性」があるというのか! 県の代理人弁護士らはだんまりを決め込むばかり。
 次回期日を4月15日として仲戸川裁判長が閉廷を宣すると、「現闘本部裁判反動判決を許さないぞ!」との叫びが傍聴者から次々と上がった。仲戸川は浮足立ち、憎々しげな表情を浮かべて視線を返すのみだ。
 弁護士会館に場所を移して、報告会と現闘本部裁判決戦に向けた記者会見が開かれた。司会は鈴木謙太郎さん。
 鈴木いとさんは笑顔で、「体に気をつけて最後までがんばります」と共有地を守り抜く揺るぎない決意を述べた。
 北原鉱治事務局長は、新年第1弾デモで現闘本部のさくに取り付けた反対同盟の横断幕がNAAによって取り外され送り返されてきたことを怒りを込めて報告した。さらに、かつて青年行動隊の幹部として反対運動の中にいた相川勝重芝山町長が節操を投げ捨て「もう一本新しい滑走路を造れ」と提案していることを厳しく弾劾し、「2・25当日は千葉市中央公園を午前中押さえてあるので、全国から全力結集を」と呼びかけた。
 弁護団は現闘本部裁判の口頭弁論再開申立書を提出したことを報告し、全員が勝利へ向けた決意を述べた。葉山岳夫弁護士は「もし仮執行を付けた反動判決で現闘本部が撤去されたら、証拠隠滅を狙った国家権力の犯罪だ」と語気を強めた。
 萩原進事務局次長がまとめの発言で、「われわれはこれまで22回の裁判で、仲戸川裁判長がウソと詭弁(きべん)を使い法も無視しなければ判決が書けないところまで追いつめた。反動判決来るなら来い。断固闘うのみだ。われわれは微動だにしない」と鮮明な闘争姿勢を示し、2・25決戦への全力決起を訴えた。