2010年3月 1日

〈焦点〉 アフガンでの掃討戦弾劾 米帝—侵略軍は撤退せよ

週刊『前進』08頁(2429号7面3)(2010/03/01)

〈焦点〉 アフガンでの掃討戦弾劾
 米帝—侵略軍は撤退せよ

 米帝—国際帝国主義のアフガニスタン侵略戦争も、イラク侵略戦争の泥沼的危機に続き長期化・泥沼化・敗勢の様相を強めている。昨年12月のオバマの包括的戦略(新戦略)は早くも破産の危機にたたき込まれている。
 2月13日、米軍・NATO軍主導のアフガン国際治安支援部隊(ISAF)にアフガン軍を加えた1万5千人の大部隊がアフガン南部諸州でタリバン掃討作戦を開始した。01年10月アフガン開戦以来最大の軍事作戦だ。これは米帝オバマの新戦略の一環である。新戦略は駐留米軍を3万人増派して今年7月までに10万人にし、11年7月から米軍のアフガン撤退とアフガン軍への権力「移譲」を開始することになっている。
 ところが掃討作戦開始の翌日から米軍などの誤射・誤爆で民間人が犠牲になる事件が次々と発生、10日間で少なくとも51人の民間人が死亡した。これに怒ったアフガン人民は「米軍の活動停止」を求めて反米・反政府デモに次々と立ち上がっている。
 ISAFのマクリスタル司令官は民間人を反政府勢力と誤認したことを認め、ひとまず「謝罪」したが、その一方でNATO軍は「武装勢力への応戦」として居直っている。
 だが緒戦の失敗でタリバン掃討作戦の期間延長と新戦略の破産は必至となっている。マレン米統合参謀本部議長は「いくつかの場所では敵との戦闘が予想以上に激しい」と語った。ペトレアス米中央軍司令官は21日、タリバンは「手ごわい」と認め、今回の作戦は「1年から1年半続く軍事行動の最初の作戦」と取り繕った。
 そもそも駐留外国軍の死者は今年に入り91人(うち米兵は54人)に上る。過去最高だった09年1〜2月の49人の倍以上だ。今年の死者の52人が手製の即席爆弾装置(IED)によるものだ。
 01年10月アフガン開戦以来の駐留外国軍全体の死者は2月22日、1657人(米兵は1千人)に達した。開戦後最悪だった昨年は520人(米兵は316人)だ。
 1月28日のアフガン問題国際会議(ロンドン)では、駐留外国軍からアフガン軍・警察への治安権限の移譲プロセスを今年から始めることや、来年10月までにアフガン軍を約17万人、警察を約13万4千人の態勢にするとの目標を掲げた。反政府勢力タリバンの元兵士の「社会復帰」でも合意した。
 日帝はインド洋での給油活動を終える代わりに今後5年間で50億㌦(4500億円)の財政支援を行うと表明した。日帝は02年以来アフガンに2千億円を投入した。昨年は400億円を「民生支援」として投入、アフガン警察8万人の半分の人件費を賄った。カルザイ政権を支え、米帝のアフガン侵略戦争の重要な一翼を担っているのだ。鳩山はISAFへの自衛隊派兵の機会をもうかがっている。
 19世紀に英軍が、20世紀にソ連軍がアフガン侵略戦争に手を染め、惨めに敗退した。アフガンは今や「オバマのベトナム」になりつつある。アフガンとイラクから米帝—国際帝国主義の侵略軍隊をたたき出し、世界革命を切り開くために、万国の労働者は団結し、3・20イラク反戦7周年全世界一斉デモの大爆発をかちとろう。