2010年4月12日

広島「日の丸・君が代」闘争 卒業式で15人が不起立

週刊『前進』06頁(2435号3面1)(2010/04/12)

広島「日の丸・君が代」闘争
 卒業式で15人が不起立
 団結破壊・教育民営化に怒り

 3月末、広島県の教育労働者15人(小学校5人、中学校1人、高校・特別支援学校が9人)が「日の丸・君が代」強制に反対して不起立したことを理由に処分された(戒告9人、文書訓告6人)。09年度全体では20人が不起立で処分。この数年間では最高の数だ。
 県教委—校長は今年、例年以上に強制・職務命令を執拗(しつよう)に行った。「退職強要」や、不起立しそうな職員を何度も校長室に呼びつけて「起立するのかしないのか」と問い詰め「とにかく起立して下さい」と強制した。「日の丸・君が代」強制反対のビラを配った労働者まで不当逮捕された。こうした恫喝や弾圧をはね返して、不起立は拡大したのだ。
 広島では98年の「是正指導」以降、文科省・県教委が組合破壊・団結破壊の攻撃を続けてきた。その軸が「日の丸・君が代」強制だ。広教組や広高教組の執行部が「職務命令が出たら従う」という方針を出して以降、不起立の数が減った。
 その中で職場の団結は破壊され、上意下達の管理・統制が強まり、多忙化・労働強化が一気に進み、病気や事故も頻発してきた。青年を始め多くの労働者が低賃金・不安定雇用の非正規職に追いやられ、学校に競争原理・市場原理が持ち込まれて「教育の民営化」が進められてきた。職場には「もうやっていられない」という怒りが渦巻いている。不起立の拡大は「日の丸・君が代」強制による団結破壊と教育の民営化に対する現場からの怒りの反乱だ。
 広島県教委は「不祥事根絶」を叫び、さらなる管理強化、教職員相互の監視・通報体制を現場に強制してきた。しかし09年度の処分件数は、今回の不起立を含め前年度より24件増の70件に達した。何年たっても不起立は絶滅できず、逆に「処分の多さ」が際立っている。不屈の闘いが県教委を追い詰めているのだ。闘えば勝てる。不起立を一層拡大し、県教委の是正指導と体制内執行部の裏切りをぶっ飛ばし、職場の団結を取り戻そう。

 不当逮捕弾劾し釈放をかちとる

 3月19日、広島市の小学校の門前で「日の丸・君が代」強制に反対するビラを配っていた広島県労組交流センターのAさんが不当逮捕された。反動職員と日本会議広島の蓼(たで)雅治が「暴行があった」とデッチあげたのだ。日本会議広島は、昨年8月6日に核武装を主張する元自衛隊幹部・田母神(たもがみ)の講演会を開き、ごうごうたる非難を浴びた極右ファシスト団体だ。
 ただちに警察署、県教委への抗議行動や抗議のビラまきを行い、29日に釈放をかちとった。
 不起立は、日教組の「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを守り抜く闘いだ。民主党政権の手先になって現場組合員の闘いを押しつぶす日教組本部と対決し、現場から闘う日教組をよみがえらせよう! 北教組への政治弾圧を弾劾し、国鉄闘争を守り抜き、不起立と現場の団結の拡大で闘おう!