2010年4月12日

沖縄米軍基地撤去=沖縄奪還 4・28沖縄デー闘争

週刊『前進』06頁(2435号5面1)(2010/04/12)

沖縄米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の大闘争へ
 4・28沖縄デー闘争 日比谷野音に大結集しよう

 4・28は沖縄デーだ。1952年4月28日、対日講和条約(サンフランシスコ平和条約)と日米安保条約が発効し、日本は独立したが、沖縄は米施政下に置かれた。それ以後、米日帝は日米安保を土台にアジア—中東侵略戦争を重ねてきた。世界大恐慌下で帝国主義の体制的危機と争闘戦が激化する中、日米同盟の再編の攻撃が襲いかかっている。国鉄決戦を柱に、「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」を掲げて、4・28沖縄デー闘争から5・15沖縄闘争へ立とう。

 普天間問題で袋小路の鳩山

 4・28闘争の第一の課題は、普天間基地実力撤去・沖縄米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の大闘争を切り開くことである。
 鳩山の普天間「国外・県外」移設案の正体がついに明らかになった。普天間の移設先として米軍キャンプ・シュワブ陸上部にヘリ基地を建設し、徳之島にヘリ部隊移転(約60機の半分)を先行実施する、その後、米軍ホワイトビーチ沖を埋め立てて本格的な滑走路を建設するというものだ。ヘリ部隊の訓練を九州の自衛隊基地に分散させる。これ自体は海兵隊を九州—沖縄で一体的に展開しつつ、沖縄基地を〈安保の要>として永久化する「構想」だ。
 ホワイトビーチ案はとんでもない巨大軍事基地だ。沖合に1020㌶(関西空港とほぼ同じ)を埋め立てて人口島を建設、3600㍍級滑走路2本、3000㍍滑走路1本を建設する。普天間基地の2倍、名護沿岸案の6倍もある。この構想に対して、うるま市はもちろん、徳之島、大村市などでも怒りの反対運動が巻き起こっている。

 破産した日米ロードマップ

 3月25日、ウィラード米太平洋司令官は、米議会で「現行計画がなお最善。海兵隊8000人のグアム移転に関する予算が危機にさらされている」と語った。
 米日帝は、06年の米軍「再編のための日米のロードマップ」で沖縄基地を含めた再編の工程表を確認した。2014年までに最新鋭の巨大基地を名護市辺野古に建設し(建設費1兆円を全額日本側負担)、海兵隊8千人をグアムに移転、建設費1兆円のうち6千億円を日本側が負担することになっていた。しかし労働者は14年間の反対闘争で辺野古新基地建設計画を完全に粉砕し、「ロードマップ」も粉砕した。
 そして安保をテコに沖縄に基地重圧を押しつける自民党政治に対する怒りの爆発である8・30決起が起きた。鳩山は普天間基地の「国外・県外移設」を掲げて人民の自民党政治への怒りを集め、政権を獲得した。
 鳩山は「緊密で対等な日米同盟」「東アジア共同体」を掲げ、対米対抗的に日帝の利害を米帝に突きつけた。ここには日帝の激しい戦争国家化の衝動がある。しかし完全にデッドロックにぶちあたり、破廉恥にも「国外・県外移設」を投げ捨て、結局は連合を使って労働運動を解体することで体制の危機をのりきろうとしている。
 他方で米帝は、普天間移設問題が長引くほど日本の6千億円に依拠したグアム移転計画が破綻し、太平洋・東アジア全体の米軍再編計画が崩れることを恐れている。
 しかも北朝鮮情勢が緊迫している。朝鮮侵略戦争では海兵隊の普天間基地が決定的な役割を果たす。韓国国防省は「普天間がグアムに移転したら2倍も遠くなる」と言って北朝鮮情勢がらみで懸念を表明している。
 鳩山はシュワブ陸上案やホワイトビーチ沖案などで米帝に合意を求め、「交渉」の破綻を見越し、当面は普天間基地の継続使用を沖縄県民に押しつけようとしている。
 自民党以上に沖縄人民を踏みにじる鳩山案に対して、沖縄の労働者人民の怒りが大爆発している。日米同盟の要、沖縄基地を根底から揺るがし、撤去できる情勢が生まれているのだ。
 安保・沖縄問題が歴史の転換を画する焦点になっている。沖縄の基地問題が突き出しているのは「沖縄の問題」ではない。日本の全労働者人民の運命を決める問題だ。
 今こそ高々と「日米安保粉砕」を掲げ安保・沖縄闘争を発展させよう。鳩山政権を倒し、階級対階級の正面からの激突・決戦情勢を切り開こう。

 安保は核戦争発動の体制だ

 4・28闘争の第二の課題は、日米帝国主義のイラク・アフガニスタン、イラン侵略戦争、そして朝鮮侵略戦争に反対する闘いである。日米安保粉砕の闘いである。
 米帝のイラク・アフガニスタン侵略戦争は完全な敗勢に陥っている。長期の泥沼戦争で米軍の内部崩壊が進み、オバマは「撤退戦略」にすがりつつ絶望的な侵略戦争を続けている。オバマ政権も危機を深めている。
 2月17日、米太平洋海兵隊のキース・スタルダー司令官が「沖縄の海兵隊の対象は北朝鮮だ。もはや南北の衝突より金正日体制の崩壊の可能性が高い。その時、北朝鮮の核兵器を除去するのが最重要任務だ」と述べた。3月8日から韓国内で行われたチームスピリット(米韓合同軍事演習)には「北朝鮮の核兵器の除去」を任務とする米特殊部隊の輸送が含まれていた。北朝鮮の体制崩壊を前にして、米日帝の朝鮮侵略戦争が切迫している。
 4月6日、オバマは「核戦力体制見直し(NPR)」を発表した。「核戦力の役割低下」というマスコミ報道はとんでもないウソだ。この文書は核拡散防止条約(NPT)を順守しないイランや北朝鮮には核攻撃すると露骨に宣言している。オバマは5月3日からのNPT再検討会議でこの方針を貫こうとしている。これが米帝オバマの「核廃絶」の内容だ。ペテンもいいところだ。
 さらに米帝は対中国侵略戦争(何よりも核による重圧)を構えている。2月発表の「QDR(4年ごとの国防戦略の見直し)2010」は、「海洋、宇宙、サイバー空間で米帝が自由に振る舞うことを脅かす軍事能力を中国が獲得している」と述べた。米帝はこれから中国に本格的に軍事重圧をかけていく姿勢をはっきり示した。
 QDRは言う。「引き続き合衆国は大規模な作戦を遠距離において開始し維持できる唯一の国家であり続ける」。日米安保はこうした米帝の世界戦略、世界戦争戦略、世界核戦略を支える世界安保になっている。

 核武装の衝動強める民主党

 米帝は、これらの戦争に日帝をより強固に組み込もうとしている。これに対して小沢・鳩山は「緊密で対等な日米同盟」を対置し、世界大恐慌下における帝国主義間争闘戦の激化、米帝の没落を見据えて、日帝も独自の利害を守り抜くために米帝と同じ血を流す軍事同盟へと再編し、飛躍しようとしている。
 それは核、軍事大国化、自衛隊の戦地派兵と集団的自衛権行使、改憲、さらには徴兵制など、自民党ができなかった戦争体制に踏み込む路線だ。7月参院選での勝利をテコに日米同盟の本格的再編に踏み込もうとしているのだ。
 民主党は核密約の存在を認めた。この意図は、自民党のように「密約」で核を隠すのではなく、おおっぴらに公然と核論議をやろうというきわめて攻撃的なものだ。民主党は、自民党以上に核武装を積極的に主張している。小沢がその先兵だ。
 鳩山・民主党政権を4—5月国鉄・沖縄闘争の大爆発の中で打倒することが決定的だ。
 日米安保は侵略戦争体制であり、核戦争体制である。それは同時に資本の階級的搾取のための軍事装置でもある。帝国主義国家は、対外侵略戦争の軍事力を保有して初めて労働者階級を支配する治安的暴力装置としてその軍事力を成り立たせることができる。
 だから日帝は、内外に通用する最大の武器として核武装への衝動を募らせている。反戦・反核闘争は、日本ではすべてが日米安保粉砕闘争である。またそれは、資本家階級による階級支配を廃絶することによって初めて勝利するのだ。
 今日の日米同盟の解体的危機と再編攻撃の激化は、第2次世界大戦後65年間にわたる日米の基本条件がついに崩壊し始めたことを示す。その中で日帝は、連合を使って本格的に労働運動解体攻撃をかけている。それは逆に言えば労働者階級による革命が問題になっているということだ。
 反戦・反核闘争の主体は労働者階級である。労働者階級は自己を解放する根源的な力を持っている。階級的に団結し、武装し、帝国主義軍隊を解体し、核兵器を廃絶する力を持っている。
 こうした階級的労働運動の生死をかけた決戦が国鉄決戦だ。体制内労組幹部を打倒して、1047名解雇撤回闘争・外注化阻止闘争に勝ちぬき、動労千葉労働運動を軸に闘う労働組合を再生させることにこそ勝利の展望がある。
 国鉄・沖縄決戦を軸に闘いぬき、帝国主義延命のための政府である鳩山・民主党政権を打倒しよう。
 (宇和島 洋)