2010年4月19日

安保粉砕・米軍基地撤去の闘いへ 国鉄・沖縄の闘い結合し鳩山政権打倒を 革共同沖縄県委

週刊『前進』06頁(2436号2面2)(2010/04/19)

沖縄-本土の階級分断をうち破り安保粉砕・米軍基地撤去の闘いへ
 国鉄・沖縄の闘い結合し鳩山政権打倒を
 革共同沖縄県委員会

 はじめに

 2010年の闘いは巨大な階級決戦に突入しつつある。国鉄1047名解雇撤回闘争を巡って日々激しい攻防が闘われ、のるかそるかの決戦となっている。その中で闘われる4・25沖縄県民大会は2010年階級決戦の勝利を切り開く決定的闘いとなる。
 4・25県民大会に向けて、すでに多くの市町村で地域実行委員会が結成され07年の9・29県民大会をまざまざと想起させる情勢に突入している。県民大会実行委員会共同代表の大城節子さんは「戦後65年も基地がおかれていることにワジワジーしている(はらわたが煮えくりかえる)。復帰運動をした日がよみがえる」と語っている。戦後65年—「復帰」38年の「基地の島」の現実を根底から変革する沖縄労働者階級の歴史的決起が始まった。県民大会には三里塚反対同盟も参加する。これこそ、「辺野古を三里塚のようにするな」というあらゆる勢力の大合唱に対する反対同盟の偉大な回答だ。
 4・25県民大会を10万人結集で闘い取り、この闘いと固く連帯して4・28沖縄デー闘争を全国で爆発させよう。その力で5・15沖縄現地決戦に全国から総結集し4〜5月決戦で鳩山民主党・連合政権を打倒しよう!

 正念場迎えた1047名 解雇撤回闘争と一体で

 1047名解雇撤回が正念場を迎えた。謝罪もなく、解雇撤回もない「解決案」に対して動労千葉は4月9日、「『1047名問題和解案』に対する動労千葉の見解」を発表し、「国鉄闘争の火を消してはならない」「国鉄分割・民営化との闘いは終わっていない」と戦闘宣言を発した。そうだ! 戦争と改憲、民営化・外注化と労組破壊と闘い、労働者階級の勝利を切り開く時代がついに到来したのだ。今まさに外注化阻止決戦として第2の分割・民営化攻撃との闘いが火を噴いている。この闘いは2000万青年労働者の未来をかけた決戦である。
 戦後日本階級闘争の一貫した焦点は〈国鉄と沖縄>だった。70年安保・沖縄決戦しかり、80年代に国鉄分割・民営化と一体でかけられた「日の丸・君が代」攻撃しかり。その核心は、日帝・資本、体制内勢力(社民から日本共産党、カクマルまで)と階級的労働運動との労働運動の主導権を巡る大党派闘争だった。
 大恐慌情勢下ですべての党派がふるいにかけられ、この戦後階級闘争の原点に引き戻されている。そして大恐慌情勢ゆえに、〈国鉄・沖縄・三里塚・法政大>が階級闘争の焦点として押し上げられているのだ。これを主体的に言うならば、〈国鉄・沖縄・三里塚・法大>で反スターリン主義・革命的共産主義運動が育まれ、日本階級闘争の不抜の拠点として打ち固めてきたということでもある。われわれが唯一党派として、そして第一党派として闘える戦場に民主党・連合政権が深々と引きずり込まれてきたのだ。これこそ、本年新年号路線とその実践としての1〜3月決戦が切り開いた偉大な地平だ。
 動労千葉の切り開いた1〜3月決戦の勝利の地平、「4・1検修全面外注化」を阻止したこの闘いこそが4〜6月の闘いの勝利の展望を指し示している。この動労千葉が切り開いた地平に4〜5月安保・沖縄決戦が合流・結合した時、巨大な階級的激動を手繰り寄せることができる。動労千葉が呼びかける国鉄決戦勝利の全国大運動の成否をかけて安保・沖縄決戦へ総決起しよう!

 沖縄労働運動の戦闘性を継承し職場から総決起を

 戦後沖縄労働運動の戦闘性を継承するとはどういうことか。それは職場生産点での闘いを甦(よみがえ)らせ、体制内指導部を打倒して階級的労働運動路線派が労働運動の主導権を取るということである。
 沖縄においても、戦後労働運動は体制内指導部と現場労働者との激しい激突の中で闘われてきた。66年から67年に闘われた教公2法阻止闘争は、教職員会の10割年休闘争を先頭に爆発し、教公2法を実力で廃案に追い込んだ。この10割年休闘争も、当時の教職員会会長・屋良朝苗らの制動を打ち破り現場の労働者が切り開いた。
 全軍労闘争も同じだ。69年2・4ゼネストの「回避」から1年後の70年2月4日に牧港支部青年部が結成され、当時の全軍労指導部(上原康助委員長)と激突しながら「労働者は死んではならない、死すべきは基地だ」を掲げて青年労働者が闘い抜いた。
 このスローガンは現場の闘いの中から生み出されたものだ。そして、無期限ストライキ(72年3月7日からの240時間ストが3月17日から無期限ストになった)の35日目、機関さえ無視し記者会見という形でストを収拾して敵前逃亡した三役を弾劾して牧港支部単独でさらに2日間のストを闘い抜いた「37日間スト」も、さらに「復帰」以降の打ち続く大量解雇攻撃といかに闘うのかという苦闘から編み出された「基地内決起」も、すべて現場から生み出された闘いだった。一切の回答は職場生産点での闘いにある。われわれが唯一、戦後沖縄労働運動の戦闘性の継承者であると誇りをもって決起する時が来たのだ。

 戦後世界体制の根幹を揺るがす

 これらの闘いは、「分離軍事支配」による沖縄—本土の労働者階級の分断を打ち破る闘いとして闘われた。
 戦後日帝の「復活」と再建・延命とは、日米安保体制とそのもとでの「基地の島=沖縄」の現実を、沖縄—本土の労働者階級の分断をとおしていわば沖縄に「封じ込め」ることで成り立ってきた。戦後憲法下の「平和国家・日本」の仮象のもとで帝国主義としての再建と延命を図り、そのもとで日本の労働者階級の搾取と支配を貫徹するというものだった。それはまた、この日米安保同盟を大きな柱とした米帝基軸の帝国主義戦後世界体制の形成・確立としてもあった。
 したがって、日本の労働者階級と全世界の労働者階級にとって、国際帝国主義との最大の階級矛盾・対立点こそ実は日米安保問題であり、70年安保闘争はこの矛盾に対して青年労働者と学生が徹底的に闘い抜いた闘いであった。同時に、沖縄の「復帰」運動は「祖国復帰」という形式をとおして、帝国主義戦後世界体制の基盤そのものである沖縄—本土の労働者階級の分断を打ち破っていく歴史的な大衆運動として爆発したのだ。

 大恐慌情勢下の沖縄奪還闘争の爆発を切り開こう

 70年安保決戦が沖縄の「復帰」闘争と結合し、安保・沖縄決戦として闘われたことは、日帝のあり方そのものを根底から揺さぶり、同時に帝国主義戦後世界体制の根幹を揺さぶった。その核心問題は、帝国主義による沖縄の労働者(「基地の島」の労働者)と本土の労働者への分断支配を労働者階級自らの闘いで打ち破り、帝国主義打倒—プロレタリア革命勝利を切り開いていくということだった。
 この時、沖縄の労働者と本土の労働者は、すでに分断支配をのりこえ、職場生産点でまったく同じ闘いを闘っていた。全軍労牧港支部青年部の青年労働者の中で「牧青には仲田(故仲田憲和同志)がいるが、千葉には中野というすごい人がいるらしい」と、故中野洋動労千葉前委員長・常任顧問のことが語られていたという。中野顧問もまた「牧青に続け!」と動労千葉の闘いを指導していた。体制内指導部と闘い、70年安保・沖縄決戦を最先頭で切り開いていた青年労働者の闘いは、分断支配を自らの闘いで打ち破っていた。ここに「革命の現実性」が花開こうとしていた。

 革命の現実性への恐怖と大反動

 日米帝は、このような闘いを抑え込むために、「施政権返還」のペテンで体制内勢力を取り込みつつ、カクマルをその先兵として活用しながら72年5月15日のペテン的「返還」を強行した。そして、これに対して人生をかけて決起した星野文昭同志に対してはデッチあげ無期懲役という反革命を強行し、今も獄中に縛り付けているのである。
 「5・15」体制とは、70年安保・沖縄決戦の切り開いた「革命の現実性」に対する巨大な反動だった。日帝は、体制内指導部とカクマルによって沖縄の戦闘的労働運動を解体し、さらには「沖縄振興策(沖縄振興開発計画)」という名の労働者階級への新たな分断政策をもってこの「革命の現実性」をなきものにしようと全力をあげた。われわれはこの反動と断固対決し、「5・15」体制粉砕=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒を宣言して長征に突入したのだ。
 この大反動が大恐慌情勢の到来と「8・30総選挙」=自民党支配の歴史的終焉(しゅうえん)をもってついに打ち破られた。「5・15」体制は完全に破綻した。そして、「5・15」体制の破綻と同時にあらゆる党派もまた歴史的に破産した。かつては沖縄において尊大に振る舞っていたカクマルも今や見る影もない。
 歴史の試練に打ち勝ち勝利者として存在しているのはわが革共同だけである。そして何よりも、動労千葉労働運動が大恐慌情勢下の唯一の闘う労働運動として屹立(きつりつ)し、この動労千葉労働運動を自らの闘いとして実践する挑戦が全国で、そして沖縄の地で開始されている。ここに「大恐慌をプロレタリア世界革命の勝利へ」の現実性がある。それは、沖縄において、かつての牧港支部青年部を先頭とした沖縄青年労働者たちの闘いを甦らせていく闘いである。
 闘いの旗印は「国鉄1047名解雇撤回」「日米安保粉砕・沖縄米軍基地撤去」だ。この闘いこそが、沖縄—本土の労働者階級の階級的連帯と団結を具体的に甦らせていく闘いである。「5・15」体制とは、沖縄の労働運動と国鉄闘争を結合させないという点に核心問題があったのだ。沖縄の地において「1047名解雇撤回」を真っ向から掲げて闘う動労千葉派・11月集会派が、沖縄の労働運動の戦闘性を継承して新たな闘いに打って出るということは、〈国鉄>と〈沖縄>がついにひとつの闘いとして結合するということだ。
 70年安保・沖縄決戦が切り開いた「革命の現実性」を、現実の革命へと転化していく道筋はここにある。大恐慌情勢下であるからこそ、沖縄はますます帝国主義を打倒する国際労働者階級の闘いの拠点であり「革命の火薬庫」である。故中野顧問の「見果てぬ夢」をわれわれ自身の闘いで実現する決意を固めよう。

 4〜5月安保・沖縄決戦勝利を

 日帝・鳩山政権は、普天間問題で決定的に追いつめられている。沖縄基地問題は帝国主義によっては絶対解決できない。それは日米安保同盟の矛盾の集中点だ。沖縄基地は、イラク・アフガニスタン侵略戦争の出撃拠点であり、資本主義・帝国主義の体制を守るための階級支配の暴力装置である。これを打ち破るのは、労働者階級を中心とした階級的反撃だ。労働者階級にはその力がある。安保を前提とした一切の「移設論議」を粉砕し“戦争と軍事基地がなければ維持できない帝国主義の体制そのものを打倒せよ”の旗を掲げて進もう。それが「沖縄基地撤去・安保粉砕」であり「安保粉砕・日帝打倒」だ。いざ〈国鉄・沖縄・三里塚・法大>の歴史的階級決戦の勝利へ、4〜5月安保・沖縄闘争を闘い抜こう! 4・25〜4・28〜5・15を連続的な決戦として闘い勝利しよう!