2010年5月 3日

“国鉄闘争の火を消すな” 新たな闘いへ400人が集会

週刊『前進』10頁(2438号2面2)(2010/05/03)

“国鉄闘争の火を消すな”
 新たな闘いへ400人が集会

 4月26日夜、「1047名解雇撤回! 検修外注化阻止! 国鉄闘争勝利総決起集会」がティアラこうとうで開催され、400人が結集した。国労本部の恥ずべき裏切りに対する怒り、新たな闘いへの熱気にあふれる素晴らしい集会となった。

 分割・民営化の正当化許すな

 冒頭、司会の国労郡山工場支部の橋本光一さんが「今日は11月集会派以外のすべての労働運動指導部が資本の軍門に下った決定的な日だ。われわれの責任は重大だ」と決意を込めて切り出した。
 国労臨大決戦報告を行った国労共闘の吉野元久代表は、警察権力を導入した国労本部を激しく弾劾、大会議案を全面的に批判した。そして「23年にわたり分割・民営化と必死に闘い抜いてきた闘争団員を失意と絶望のどん底にたたき込む方針案を許せるか。日本の労働運動を塗り替える4〜6月の決戦に突入を」と熱烈にアピールした。
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が「国鉄闘争勝利の新たな大運動へ」と題して提起を行った。
 田中委員長は、「国労幹部たちは今日の大会で、1047名の闘争団員と組合員をだまし、自らの手で自らの首をくくった。今回の和解の本質は国鉄分割・民営化の全面的正当化だ。それを24年かかって国労本部や4者4団体幹部に全部のませたということだ」と断じた。
 そして「30年に及ぶ国鉄分割・民営化反対闘争の歴史が否応なく終わりにされようとしている。その大きさを見据えなければいけない。われわれに求められているものは昨日までとは違う。4者4団体幹部や国労本部を批判しているだけではすまない。ここが勝負だ」と述べた。さらに「すべての勢力が国鉄分割・民営化反対闘争の火を片りんもなく消し去ろうとしている。われわれは逆に“国鉄闘争の火を消すな”と火をつけて回る。ここにどれだけの怒りの声を結集できるか。一切がわれわれにかかってる。これは大恐慌下の労働運動を新たにつくり出す闘いだ」と全国大運動の位置を明らかにした。
 最後に田中委員長は「国鉄分割・民営化攻撃は何ひとつ終わっていない。外注化でJRを数百の子会社に細分化する攻撃との闘いはこれからだ。敵は矛盾だらけだ。1047名闘争と外注化阻止闘争でこの情勢を突破しよう」と訴えた。

 全国の闘争団に仲間拡大を

 闘争団・争議団が烈々たる決意表明を行った。
 国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんは「全身全霊で新たな闘いに突入する。既成指導部はついに国鉄闘争の展望を見つけることができなかった。われわれは労働者階級の団結のみに依拠し圧倒的な勝利の展望をつかみ取っている。全国の闘争団員をオルグし、仲間をどんどん拡大する」と確信に満ちて語った。
 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは「大会を傍聴した組合員から『こんなことをやったら国労は終わりだ!』と激しい怒りのメールが届いた。JRの現場には23年間も草むしりを強制され続けてなお『おれの闘いと1047名闘争は一体だ。おれは必ず原職に復帰する』と闘い続けている組合員のような存在が無数にいる。ここに展望がある。われわれは裁判を取り下げない。沖縄10万人決起や法大新入生の続々たる決起など、ものすごい時代が始まっている。この怒りと結びつけばJRに解雇を撤回させることは可能だ」と言い切った。
 動労千葉争議団の中村仁さんは「動労千葉争議団9人の意思は鮮明だ。われわれは国鉄分割・民営化反対闘争で解雇された28人の気持ちをわがものとして闘ってきた。労働者は一人の首切りも許しちゃいけない。多くの非正規職の労働者たちは、いつ首になるかも分からない。それが今の社会では『合法』とされている。こんな社会にしたのが国鉄分割・民営化だ。どうしても『国鉄分割・民営化は間違いだった』と言わせなければいけない」と語った。
 国家を挙げた攻撃をぶち破って屹立(きつりつ)する当該の発言に、参加者は奮い立つような決意を新たにした。
 5・27臨大闘争弾圧被告団長の富田益行さんが尼崎闘争を報告し5・27控訴審闘争への決意を表明。カンパアピールを行った動労西日本の山田和広副委員長は「契約社員制度撤廃まで闘う」と述べた。さらに5・27弾圧裁判弁護団の鈴木達夫弁護士が「鉄建公団訴訟弁護団の再編問題を5・27弁護団で協議し、その受け皿の一角を担うことを決めた」と報告した。
 国労東京と国労千葉の現場労働者、動労千葉を支援する会、4・28沖縄デー集会実行委員会、全学連の織田陽介委員長がともに闘う決意を表明。
 最後に後半の司会である国労新潟の星野文男さんが「今日は日本の労働運動の区切りをなす決定的な日になった。明日から職場で猛然たる闘いに突入しよう」と訴え集会を締めくくった。