2010年5月17日

大恐慌と対決する学生運動 4月新歓-5月沖縄へ 革共同中央学生組織委

週刊『前進』06頁(2439号4面1)(2010/05/17)

大恐慌と対決する学生運動
 4月新歓-5月沖縄の地平から強大なマル学同の組織建設へ
 革共同中央学生組織委員会

 法大を先頭とした全国大学キャンパスにおける新歓闘争は、4・23法大闘争の成功を頂点に勝利的に打ち抜かれた。そして、5月沖縄闘争が沖縄労働者・学生の根底的怒りと結合しながら闘われた。世界大恐慌が深化し、国鉄闘争と安保・沖縄闘争が最大激突攻防となって鳩山政権打倒へと上りつめようとする中、この闘いと一体で学生運動の歴史的復権を目指して立ち上がろう。6・13国鉄集会への大結集を実現し、強大なマルクス主義学生同盟・中核派を建設しよう。

 新段階に突入した法大闘争

 日本帝国主義国家権力および法大資本と真正面から闘ってかちとった法大4月新歓闘争と4・23集会は、歴史的な勝利を実現した。全国学生が結集し、労働者階級との団結をさらに固め、法大新入生の決起を敵にたたきつけた。「06年3・14弾圧以来の4年間の大激闘に勝ち抜いて、ついに法大闘争と全国学生運動の全面的爆発の可能性をつかみとった!」。われわれは確信をもってこう断言できる。
 大量逮捕−起訴、暴処法弾圧、そして入試ビラまきに対する「営業権」を掲げての逮捕。あらゆる反動をはね返し、資本・権力が一体となった暴力支配という厚い岩盤をぶち破った。悪質デマキャンペーンや学生証チェックなどあらゆる攻撃があろうとも、法大生と新入生は必ず怒りに燃えて立ち上がり、キャンパスを実力で取り戻す闘いに決起するという現実性を示した。これこそが、08年5月にたった3人の命がけのキャンパス内決起から始まった文化連盟の存在の普遍性であり革命性だ。
 数人から始まった新入生の決起に対して、そして学生証チェック弾劾のクラス決議に対して、顔面蒼白(そうはく)になって4月23日にキャンパス全面封鎖と機動隊導入に踏みきった増田総長体制のぶざまな姿を見よ。絶対に正義を譲らない一人の決起が、そして文化連盟の存在が、一見強大に見える法大資本をグラグラに揺さぶり、反動的本性を暴き出し、それが法大生の意識の流動化と分岐と結集を生み出し始めている。
 もうこのうねりは止められない。法大解放は法大生の団結と行動によってのみかちとられる。われわれは、組織拡大の力によってのみ、攻撃をはね返し闘いを前進させられることを4月の闘いの中で確信した。法大闘争は新歓闘争の勝利をもって、文化連盟の発展を軸にした3万法大生の総決起とキャンパス支配権の奪還をかちとるまったく新たな段階へ突入する。それは、新自由主義大学に対する反乱として全国大学へ拡大する。
 さらに4・23法大闘争は、4月25日の米軍新基地建設絶対阻止の沖縄10万人決起−5・15沖縄闘争、そして4月26日の国労臨時大会における1047名解雇撤回闘争解体策動に対する動労千葉と国労内絶対反対派の決起とも一体で闘い抜かれた。共通の敵である新自由主義とブルジョア支配に反撃し、全国学生は沖縄と国鉄決戦を相乗的に闘い、勝利者として5〜6月決戦に乗り込んだ。

 広がる“教育の民営化粉砕”

 1〜4月攻防によってつかみとった路線的核心について提起したい。
 第一に、「営業権」に対する激しい怒りと批判の中から、新自由主義大学における資本の学生支配と真っ向から対決するスローガンとしての「教育の民営化粉砕!」をつくり出し、それが闘いの経験をとおして大衆的確信と行動へと発展していこうとしていることだ。
 「立て看板とビラまきを、自由にできるか否かを争っているわけですが、でかい話をすれば資本主義と争っているわけです」(本紙2433号新入生歓迎号座談会、文化連盟委員長・斎藤郁真君)。これが法大闘争を最前線で闘う学生全員が、闘いの中でつかんだことだ。動労千葉の反合理化・運転保安闘争は、①資本との絶対非和解性を現場に貫き、②安全問題をとおした反合闘争で職場支配権を確立することによって組合員の圧倒的な階級意識と団結を形成する革命的なものである。われわれはこの闘いに学び、学生戦線で、教育破壊に対する絶対反対闘争の中から資本との激突にのぼりつめ、広範な団結と行動を生み出していく水路をこじ開けつつある。
 新自由主義大学の許しがたい現状への怒りは高まっている。私立大学生の保護者は、実に収入の3分の1を「教育費用」として資本に吸い取られている。法人化された国立大学では、施設管理業務や図書館業務を突破口として、「民間活用」という名の外注化・合理化が襲いかかっている。自治寮への廃寮化(民営化)攻撃も次元を画して始まっている。この怒りを今こそ一つの路線へと束ね上げるときだ。
 さらに、3月カリフォルニア教育ゼネストに合流した訪米闘争でも明らかなように、「教育の民営化粉砕!」は全世界で噴き上がる学生の怒りの中心的内容でもあり、国際的団結の形成の核にある。「教育の民営化粉砕!」を、どこまでも大衆的で革命的なスローガンとして発展させることが2010年決戦の最大課題だ。「われわれは、あらゆる改良主義思想が生みだす分断を峻拒(しゅんきょ)し、現代世界の根底的対象化=批判にもとづく変革をかちとるものとして、『教育の民営化粉砕!』を提起する。これこそ、学生運動の歴史を塗り替える国際的団結を生みだすものとなる」(『共産主義者』164号、中央学生組織委員会論文)。
 第二に、法大処分撤回の闘いが求心力を持ち、学生自治の復権の核心的内容となっていることだ。法大4月新歓闘争は、3月末の斎藤委員長への「退学処分」、倉岡雅美さんへの「停学1年処分」への怒りをバネに日々署名運動を拡大していった。処分は学生支配のための恫喝であるが、逆に処分によってしか決起を抑えられず、処分をのりこえて学生が立ち上がり始めたときに他に抑え込む手段を持たない敵の破綻点でもある。ここに勝利を切り開く突破口がある。処分粉砕闘争の中から学生自治の原点がよみがえり、当局支配の不正義性の徹底的暴露の中からのみ、大衆的信頼が獲得されキャンパス支配権が形成される。法大闘争の不屈性は、まさにこの処分粉砕闘争から生まれているのだ。
 第三に、法大攻防と一体で、安保・沖縄闘争を最先頭で闘う全学連運動として飛躍しようとしていることだ。法大闘争に対する最大の「援軍」として、4・25沖縄10万人決起はあった。4月決戦を打ち抜いた法大生は、自らの闘いとして5月沖縄現地闘争に結集した。
 大恐慌が生み出すものは、「戦争と大失業」だ。帝国主義戦争に絶対反対の立場を貫き、反戦・反核・反基地・反安保を闘い抜く中から、革命的な階級意識が生み出されていく。70年安保・沖縄闘争においてわれわれは、全学連と反戦青年委員会運動の大衆的爆発を基礎にして、大学闘争と職場闘争を「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の街頭政治闘争として爆発させ、スターリン主義と社会民主主義の限界性をのりこえ日本帝国主義の存立基盤を揺さぶった。世界大恐慌に対して階級的団結を復権させてきたわれわれは、70年闘争を数倍数十倍する巨大な闘いを実現していく可能性を手にしている。学生運動はその最先頭に立とう。
 総じて、われわれは本年初頭において新自由主義−世界大恐慌と対決する革命的学生運動の可能性をつかみとり、端緒的に物質化してきた。300万学生の本格的獲得と総反乱に向かって、さらに路線を磨きあげ、大衆的宣伝・扇動を武器にして闘いを推し進めよう。

 国鉄と安保・沖縄を闘おう

 学生戦線の5〜6月決戦方針は鮮明だ。動労千葉をはじめとした陣形が呼びかける国鉄1047名解雇撤回闘争の新たな全国大運動に合流し、6・13大集会の成功の一翼を青年労働者とともに担おう。民主党・連合政権を打倒し、労働者権力を目指す階級的労働運動とともに進む学生運動へ挑戦しよう。
 6・13大集会への全国学生の結集は、帝国主義戦争を阻止し、改憲・道州制攻撃を粉砕する立場からも決定的だ。かつて国鉄分割・民営化攻撃の旗を振った中曽根元首相は、「行政改革とは精神革命であり、国家改造計画だ。滅私奉公の精神、『私』は捨てて『公』のために尽くす人間への意識改革、これを軸に据えないコスト削減だけではダメ」、「行政改革の次は教育改革。それによってお座敷をきれいにして、立派な憲法を床の間に安置する」と叫び、国鉄労働運動の解体と日本プロレタリアートの階級意識の解体の中から、侵略帝国主義への飛躍をもくろんだ。しかしその策動を、動労千葉のストライキ決起と1047名解雇撤回闘争の不屈の継続によって挫折させ続けてきた。「戦争と大失業」の時代を切り裂く最大の対決軸として国鉄闘争を発展させよう。
 その上で一つに、処分撤回闘争を軸に法大闘争をさらに全国大学キャンパスへ、世界へと拡大していくことだ。とりわけ、処分撤回闘争をとおして、学生支配の御用機関であるCSK(サークル支援機構)の裏切りを暴き、CSKのもとにいる法大生を丸ごと文化連盟に獲得しよう。結成以来2年、「営業権」と「施設管理権」のもとに屈服し、サークル活動も大学祭も自治も売り渡してきたCSKはもはや法大生にとっての妨害物でしかないことが日に日に明らかになっている。「法大当局と友好的に交渉すれば何がしかの権利やカネを獲得できる」などというペテンは破産し、当局決定を「法大生の自主的決定」の名のもとに押しつけていくための支配機構に成り下がっている。資本や当局との非和解性を否定し、ずるずると屈服と裏切りに手を染めるそのあり方は、国労本部や4者4団体と一体何が違うというのか。4・23集会を打ち抜いた今こそ、文化連盟の組織拡大のチャンスだ。

 学生寮めぐる闘いの勝利を

 二つに、「教育の民営化」との最も激しい激突点である全国学生寮(自治寮)攻防に総決起するときだ。ここに、むき出しの資本との対決軸がある。自治寮死守決戦こそ、学生の“生きさせろ!”の闘いだ。廃寮や民営化(寮費の高騰)で、大学に通うことのできない学生が膨大に生み出されている。それは根源的な怒りであり、生活をかけて団結を固めていく自治の復権だ。京都大学熊野寮・吉田寮、富山大学新樹寮、東北大学日就寮の三大攻防点で一歩もひかず、寮生の団結力と勝利の展望を満天下に示し、全国寮運動の爆発をかちとろう。
 三つに、5月沖縄闘争を闘い抜いた地平の上に、反戦政治闘争をさらに発展させて8・6ヒロシマ闘争への大結集を実現することだ。戦後反戦闘争の二大柱である沖縄−ヒロシマでオバマ−鳩山と対決しよう。
 四つに、ブラジル労働者階級と全学連の連帯闘争(6月)を大成功させ、国際的団結を拡大することだ。「反米大陸」である南米、その中心点であるブラジルにおいて新自由主義を撃つ階級的労働運動が爆発しようとしている。昨年11月労働者集会に参加したCONLUTAS(全国闘争連盟、200万人)の存在が決定的だ。世界革命の炎をさらに燃え上がらせるため、断固ブラジル階級闘争に合流しよう。
 さらに国際連帯闘争の核心課題が、スターリン主義反革命を歴史的にのりこえる反スターリン主義の革命的労働者党建設に絞り上げられてきている。革共同綱領草案と動労千葉労働運動、法大闘争の地平で世界革命に向かう扉を押し開こう。
 総じて、圧倒的な組織建設を実現していく5〜6月決戦としよう。組織拡大は指導部建設と同義だ。それは、300万学生の反乱の先頭に立つ若き全学連執行部の登場であり、法大文化連盟の拡大であり、何よりもマル学同法大支部の建設だ。その可能性をつかんだのが4〜5月決戦であった。断固この道を進もう。2010年決戦に勝利するのはわれわれだ。