2010年5月31日

法大弾圧裁判 5月13、19日

週刊『前進』06頁(2441号6面5)(2010/05/31)

法大弾圧裁判 5月13、19日

 “歴史は無罪と判断” 4・24解放闘争裁判 全員堂々の最終弁論

 5月19日、4・24法大解放闘争裁判の最終弁論公判が、東京地裁刑事第17部で行われた。
 冒頭に、弁護団が最終弁論を読み上げた。数百人もの法大生が主体的に決起した4・24当日の状況や、それが犯罪などになるわけがないことが、説得力をもって縦横に展開された。特に「大学の自治」について、「大学という場は、学問の自由を守るために警察権力はもちろんのこと、政治勢力、そして資本・企業論理からも自由でなければならない」が、「大学の新自由主義化は、むきだしの資本の論理によって公教育を解体・支配するもの」であると断じた。そして、「営業権」をかかげ「学生の生き血をすする法大当局こそ大学の自治を踏みにじっている」と徹底的に批判し、闘う学生の無実・無罪を明らかにした。
 被告団全員が、最終意見陳述を行った。
 まず、斎藤郁真君が「この裁判では、支配の道具としての法律の本当の姿が現れている。裁判所は、法大当局の所有権という法に縛られ、未来の変革を目指す私たちを罰するのか。しかし歴史は私たちを無罪とする」と格調高く断言した。
 増井真琴君は、「大学はあらゆる意味で自由でなければならない。『時代が変わったから』と、新自由主義下の弾圧を肯定することなど許されない。批判の声をあげる学生を弾圧して、社会が少しでも良くなると思っているのか!」と怒りをたたきつけた。
 倉岡雅美さんは「学生は商品ではなく、社会の変革の主体であり主人公だ。その力があることを、法大闘争の中で多くの学生から学んだ。『処分撤回、沖縄基地撤去、鳩山打倒!』で今こそ学生は立ち上がろう!」と呼びかけた。
 恩田亮君は「大学や社会を批判することが犯罪か。世界では、若者が街頭に出て学園を占拠している。次代を担うわれわれが行動するのは当然でありグローバル・スタンダードだ」と断言した。
 冨山小太郎君は「戦争の切迫は鮮明だ。支配者は大恐慌からの脱出の道をそこに求めている。『大学の自治を妨害したのは被告人だ』と論告は言う。大学の自治の名のもとに支配され、戦争に行けと言うのか。学生こそが大学の自治を復権して闘おう」と訴えた。
 内海佑一君は「私たちは弾圧と闘い抜き、団結をさらに固め勝利した。不当処分撤回の大運動を前進させよう。6・13国鉄闘争の大爆発を実現しよう!」と、法廷を革命の演壇として元気いっぱいに訴えた。
 社会変革の主体として圧倒的に飛躍した被告団は、4・24弾圧に完全に勝利した。反動判決など許さず、新たな時代を切り開こう!

 “検察立証は破産した” 暴処法裁判 法廷圧倒する更新意見

 5月13日、法大暴処法弾圧裁判の第13回公判が東京地裁刑事第1部で行われた。冒頭に裁判官の交代に伴う更新手続きが行われ、検察立証の破産と政治的デッチあげ弾圧の正体をとことん明らかにする闘いとなった。
 まず被告団を代表して新井拓君が更新意見を述べた。「登場した証人の大半が公安刑事だ。革命の到来と闘う学生に恐怖し憎悪し、法政大学で悪行の限りを尽くしてきた連中が、ありもしない記憶をしゃべっている。大恐慌と戦争と失業と闘う労働者階級の団結が復権されつつある中、私たちは完全黙秘の勝利性を実証し、暴処法弾圧を完全に打ち破ってきた。裁判所は歴史の歯車を逆に回す弾圧をやめよ!」
 続いて織田陽介君が意見陳述を行った。「『重要証人が残っているから』との理由で、検察官は8カ月も私たちを勾留した。しかし、現在、検察官は次回の証人すら示せない破産状態だ。政治的デッチあげ弾圧だからだ。いま、沖縄情勢が示すことは、戦争の継続か、本土プロレタリアートが決起して基地と安保と帝国主義体制を打倒していくのか、の二つの選択肢だ。未来を体現する学生の行動こそが世界を規定し、問われている。この裁判を、闘いの前進と団結に転化して闘う」
 藤田正人主任弁護人が、弁護団の更新意見を述べた。これまで登場した10人もの検察側証人について、その無内容さと破産性を具体的に明らかにした。特に、「被告人らが犯人であること」を立証するなどと登場した玉聞(ぎょくぶん)証人について、「法廷で『検察官と事前に打ち合わせたことしか証言しない』と言い放った。証人として不適格であり、一片の真実も述べなかった」と弾劾し、検察官立証の即時中止を訴えた。
 この日、検察官が急きょ連れてきた証人は、警視庁公安一課の税所(さいしょ)邦裕だ。過去において税所は、逮捕した学生の取り調べ中に眼鏡を取り上げる暴行を行うなど、卑劣な悪行を重ねてきた。本件では、学生から押収した携帯電話のメールや通話記録などを調べ上げ、人権を公然と踏みにじってきた事実を自己暴露した。学生の怒りを恐れる税所は、ボソボソと小声で話すことしかできない。断じて許し難い。
 卑劣な公安刑事どもを並べ立てて時間稼ぎをするのをやめよ。無内容かつ破産した検察官立証をこれ以上続けることは許されない。直ちに公訴棄却せよ!