●全学連新年座談会 学生の闘いが時代を動かす 全国の大学に自治会を

週刊『前進』12頁(2614号01面01)(2014/01/01)
 ●全学連新年座談会
 学生の闘いが時代を動かす
 全国の大学に自治会つくろう

(写真 12月6日、全学連は秘密保護法反対で国会を包囲した数万の人びととともに闘った。全学連旗を手にした武田君らに圧倒的な注目)

 日帝・安倍政権への怒りが渦巻く中、全学連は「改憲阻止・安倍打倒!」を鮮明に掲げ、13年は日本階級闘争全体をエネルギッシュに牽引(けんいん)した。広島大での学生自治会再建に続き、法大の大学祭攻防の前進、東北大自治会選挙の勝利、京都大での団交要求全学投票の成功――と力強い進撃をかちとる中で、福島や沖縄からの新たな決起も始まった。「国鉄、反原発、改憲阻止、星野奪還」を軸とする2014年決戦へ、全学連はますます闘う熱意に燃えている。全国の大学で活躍するリーダーたちに、14年決戦の勝利の展望などを大いに語り合ってもらった。(編集局)

 出席者 (敬称略)
斎藤 郁真(委員長/法政大・法)
大森 靖之(副委員長/京都大・薬)
百武 拓(副委員長/広島大・理)
坂野 陽平(書記長/上智大・文)
武田 雄飛丸(法政大学文化連盟委員長・国際文化)
青野 弘明(東北大学学生自治会委員長・医)
伊藤 博司(福島大学)
平良 三平(沖縄大学)
▽司会 石田 真弓(副委員長/東北大・経)

 改憲阻止・安倍打倒へ闘う

 秘密保護法に怒り

 石田 12月8日の拡大中央委員会では、「外への侵略戦争と内への階級戦争」に突き進む安倍政権との対決が大きな焦点となり、「改憲阻止・安倍打倒!」の基本的立場で一致しました。11月末~12月冒頭の特定秘密保護法をめぐる国会周辺を中心とした闘いはどうでしたか?

 武田 連日国会前に行きました。多くの人びとから、学生の部隊の登場が待ち望まれていると感じました。1日目はニット帽をかぶって行ったんですが、誰からも話しかけられませんでした。2日目に文化連盟のヘルメットをかぶって行ったら、労働者や市民から「やっと学生が来てくれた」と大歓迎されて(笑)。学生が政治反動に怒りを燃やし、キャンパスから層として立ち上がっていくことが、階級闘争全体にものすごい励みになるのだと感じました。
 また、これまでの反原発行動などは、いわゆる「シングル・イシュー」(原発以外のことを持ち込むなという主張)が強調され、戦争国家化との闘いや労働組合運動が別個にされてきましたが、この間の情勢を経て、安倍政権への怒りがひとつになって噴き出してきていると感じました。
 大森 新自由主義の破産に対するトータルな怒りの爆発ですね。
 平良 秘密保護法成立は絶対に許せません。沖縄でも怒り爆発です。僕の家族からも「許せん」というメールが来ました。
 伊藤 福島では衆院採決に先立って、11月25日に地方公聴会が開かれました。緊急の弾劾行動に150人が参加しました。「委員割り当ての傍聴券がないと会場に入れない」と不当に入場制限されて、傍聴席は空席だらけ。何のための公聴会なんだと思いました。それでも意見を述べた7人全員が反対です。10月には福島県議会が「秘密保護法に慎重な対応を求める声明」を出しています。許せないのは、福島を中心にこれだけ怒りがあるにもかかわらず、与党が強行採決したことです。そもそも、福島第一原発の事故直後にSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)などの情報は、すべて政府によって隠されて県民に被曝が強制されました。これほど秘密だらけなのに、一体これからどうなるのかと思います。

 戦争準備を許すな

 百武 秘密保護法は明確に戦争準備です。広島でも反対の集会・デモがあったんですが、原爆ドーム前に1000人規模で集まりました。情勢は急激に変わってきています。この集会でマスコミ関係労組が「秘密保護法が制定されても、このような法に従って仕事はしない」「実力で秘密を探る」と発言しました。会社で資本と激突しながら集会に参加したとも聞きました。労組や自治会が職場・キャンパスで闘い、実力を行使していくことが重要だと思いました。
 坂野 国会前では「このままだと本当に戦争になってしまう」という激しい危機感を感じました。しかし、「あきらめ」や「絶望」はほとんど感じなかった。参議院議員の山本太郎さんが12月6日の秘密保護法成立直後にツイッターで、「(強行採決は)想定内だ」「新しい世の中をつくる毎日がこれから始まる。今まで以上のハイボルテージでなきゃ実現できない」と言っています。
 「新しい世の中をつくる」とは、僕は革命だと思います。 「新しい世の中」を示す革命党を僕らの手でつくらなくてはならないと決意を新たにしました。
 そのためにも、11・3労働者集会の総括が重要ですね。「憲法改悪反対労組声明」も出ました。国鉄分割・民営化以来、30年にわたる新自由主義攻撃を破産させ、勝利の展望を指し示している国鉄決戦を基軸に闘い、労組・自治会権力樹立で情勢を迎え撃とうということです。
 石田 60年安保闘争時の国会包囲の写真を添えて、「こういう情勢で国会に突入するのが本当の全学連だ」というツイッターも出てきていますね。

 東北大選挙に勝利

 斎藤 僕たちは、「06年3・14法大弾圧」以来、法大キャンパスの中で「秘密保護法の先取り」のような弾圧体制とずっと対決してきた。やはり、焦点はキャンパスでの闘いです。
 石田 斎藤委員長の言うとおりです。では自治会執行部選挙が行われた東北大からお願いします。
 青野 執行部選挙に勝利しました!
 一同 おめでとうございます!
 青野 僕はこれまで3回の執行部選挙をやりましたが、一番勝利感にあふれた選挙でした。副委員長に立候補した2人の仲間の存在が大きかったです。一人は、11月26日の東北大全国集会に参加して「学生運動は面白い」と立候補を決めてくれた。そして、連日キャンパスに登場して一緒に頑張った。「僕も頑張らなければ」と思いました。僕が彼らを獲得し、彼らに僕が獲得される関係です。

 斎藤 私も支援に駆けつけ、これまでの運動の蓄積が非常に大きいと感じました。東北大は2000年に国立大学法人化反対のバリケード・ストライキをやって、自治会は翌年に非公認化されましたが、毎年の全学選挙で断固勝負してきた。学生の団結に依拠した闘いの権威や力はハンパじゃない。
 平良 僕も、沖縄大学で自治会をつくる決意を込めて支援に参加しました。おそらく、候補団よりいっぱい演説しまくった(笑)。
 青野 今回の選挙戦は、里見東北大総長の「里見ビジョン」粉砕を焦点にしました。里見打倒で非和解で闘う。学生の中に分岐を持ち込み獲得する内容でした。選挙前は「信任と不信任が伯仲するのではないか」と思っていましたが、昨年とほぼ同じ割合の信任率で勝利しました。キャンパス内には、「里見ビジョン」への怒りがあふれています。
 石田 「里見ビジョン」の矛盾点を徹底的にたたく中から、東北大生は立ち上がり始めました。いま、仙台市営地下鉄東西線敷設に伴い、サークル棟がつぶされようとしています。それに学生が声を上げ始めている。もう一つは学生寮です。自治寮をつぶし、PFI化(ユニバーシティ・ハウス三条、民間資金主導型の寄宿舎)という形で寮を民営化してきた。そして廃寮攻撃も始まっている。今回の選挙では多くの寮生が選挙を担ってくれた。PFI寮からも学生が立ち上がりました。

 青野 学生自治会が全学生の怒りと利害を体現して闘っていることが浸透してきています。11月12日、当局は「全サークル説明会」を開催し、闘うサークルから部室を取り上げようとしました。これに対して自治会が先頭で決起し、分断を許さずに当局のもくろみを粉砕しました。あとは、福島県民健康管理調査検討委員会の御用学者・室月淳(医学部教授)と徹底的に対決してきました。こちらが室月に「会って話がしたい」と連絡したら、「私は講義を持っていないし、教授の肩書きは文科省からもらっているので学生の質問に答える立場にない」と逃げた。他方で「教授」の権威で原発事故と健康被害の因果関係を否定している。室月打倒の闘いの中で3・11郡山集会に攻め上ります。

(写真 「大学の主人公は学生だ!」――学生自治会の新たな担い手を生み出した11・26東北大学集会【仙台市・川内キャンパス】)

 自治会建設が画期的に前進

 広大で反原発貫き

 石田 御用学者との闘いから7月に自治会を再建した広島大、学祭をめぐる攻防を闘ってきた法大からお願いします。

 百武 福島原発事故で「被爆地ヒロシマの大学」が問われました。広島大教授の神谷研二は原発事故直後、福島県放射線健康リスク管理アドバイザー、県民健康管理調査検討委員、そして福島県立医大の副学長にまでなりました。広大経営協議会には、原発輸出企業の三菱重工元会長・佃和夫が入っています。三菱重工は今、原発のみならず戦車の部品もトルコに輸出しようとしています。佃は東大経営協議会の委員でもあり、安倍政権の「大学改革」の中心人物です。これらに対する怒りが自治会建設につながったと思います。
 武田 法大も学生権力をうち立てる段階に入りました。法大生の中に、"当局にすり寄るCSK(サークル支援機構)や学祭実行委などの御用学生団体はおかしい"という広範な怒りが広がっています。これまでなら、「おかしいとは思うけど、全学連や文連と一緒にやるのはちょっと......」と思っていたサークルが、当局の攻撃を受ける中で僕らと行動をともにし始めた。間違いなく自治会建設の芽が生まれています。
 石田 新自由主義大学の学生支配の最後の柱は、御用学生団体ということですね。
 武田 そうです。なぜ御用学生団体が必要なのか。当局の支配が貫徹できていないからです。彼ら御用団体は、表向きは「学生自治」や「差別の止揚」などと言いますが、しかし当局の「施設管理権」「営業権」を認めていることに矛盾があります。「施設管理権」や「営業権」とは、「大学は一般企業と同じで、営利が最重要の目的だ」「大学施設は理事会の私有財産だ。だから学生はそれに従うしかない」ということです。これを学生が認めてしまえば、大学の「営業」に差し障りのない程度に学生活動を認めてもらいましょう、という「お願い運動」しかありません。
 11月、学祭当日に一挙に規制が強化されました。みんな、学祭実など御用学生団体に完全にしらけているし、彼ら自身がそれを一番自覚している。あいつらは学生への求心力を失っています。学生の側は個別問題で勝利し始めています。求められていることは、全学生の立場から個別的勝利をとらえて、それを全学的に拡大する存在です。この立場で学生自治会を建設した時、キャンパスの力関係を完全に逆転できます。

 沖縄大で団結拡大

 平良 法大や全国大学の闘いを見て、沖大にこそ学生自治会をつくろうと決意して、1年間活動してきました。マスコミでは沖大教授が改憲・基地に反対していますし、入学前は沖大はリベラルだと思っていました。しかし、入学してみると、内実は新自由主義大学そのものでした。入学直後の授業で言われたことは、「沖縄の学生は主体的にものを考える力がない」「この教室の学生の6割は非正規職になるんだから、せいぜい頑張りなさい」と。現状変革ではなく現状肯定を学生に強いて、競争をあおるやり方に怒りを感じました。「大学や学問は現状変革のためにあるのではないのか」と。
 石田 基地問題についてはどうでしたか?
 平良 経済学の授業がひどかったです。安倍政権が辺野古沖の埋め立て申請をやっているのを、「普天間の負担軽減をしようと思ってやっているんだ」とか、「基地との共存」を説く問題がテストで出されました。アベノミクスの礼賛もすさまじいです。
 石田 昨年の沖大では、どんな闘いがありましたか。
 平良 初めは隣の人に「消しゴムをとって」とすら言えない状況から始まりました。だんだんと授業批判をしていって、思い切って『前進』を持ち込んでいきました。その中で、9月全学連大会に多くの沖大生が参加しました。「学生自治会復活会」をつくって団結を拡大していきました。そこでは、法大闘争の内容が重要でした。武田君処分撤回署名を多くの学生に提起しました。この処分は普遍的なものだし、新自由主義が吹き荒れる沖大でこそ通用すると思いました。この署名をしてくれた人が中心となって当局交渉を行いました。部室のクーラーが5年以上故障しているサークルが、差別的に放置されていました。学生が団結して当局と非和解で闘い、クーラーの修理を約束させました。初めは「当局と非和解で闘う」という一致をつくることが難しかったのですが、法大闘争の内容が浸透するにつれて、みんな核心を理解し闘いをつくれました。

 京大で葛西と対決

 石田 一昨年に同学会を再建した京大はどうでしょうか?
 大森 京大では「松本総長打倒」「経営協議会・葛西敬之打倒」を基本にやっています。葛西(JR東海会長)は、国鉄分割・民営化を先頭で推進してきた人物であり、原発再稼働や秘密保護法の最先兵です。「さくら会」という安倍政権を支えるブルジョアジーの団体の発起人であり、安倍の最大のブレーンでもあります。松本総長は国立大学協会会長として「大学改革」の先頭に立っています。京大の闘いは、300万学生と6千万労働者の過去・現在・未来がかかった闘いです。
 石田 京大ではこの間、全学投票を行ってきました。
 大森 僕は全学ストライキをやりたい。そのための基礎的・原則的団結が必要だと考えています。11~12月に、総長への団体交渉を求める投票を呼びかけました。1587票を集めて、賛成は1146票で勝利しました。この前進に対する危機感から、11月11日付で京大当局から「告示第4号」が出されました。「全学投票を行っている団体は、京都大学が認める全学自治会同学会ではない」から「全学投票は無効であり、交渉にも応じない」というものです。本当に許せません。「当局の認める同学会」なんてどこにいるのか、出してみろと(笑)。「告示」への怒りを全学に広げていきたい。
 石田 12月5日に総長室突入闘争が行われたと聞きました。

 大森 200人もの学生が集まりました。ツイッター上ですごい反響です。学生が時計台に上っている写真と一緒に「京大で革命」と流れました(笑)。他にも同学会メンバーが中心となって「熊取6人衆」(原子力政策に反対して闘う京大教官たち)の講演会を開催し、220人の学生・市民で討論しました。同学会では「翻訳部会」を立ち上げ、ロシア科学アカデミー・ヤブロコフ氏の『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店)の出版にかかわりました。「全国大学に自治会建設を」という方針ですが、これまでの自治会運動の教訓や苦闘を共有することが重要だと思います。
 百武 昨年7月に自治会をつくった後の方が大変でした。「どうやって自治会運動を担う膨大な活動家をつくっていくのか」と。
 今、最も重要なことは、サークルの予算配分権をめぐる攻防ですね。昨年、自治会をつくった力もあって、それまで当局が持っていた予算配分権を学生の側が取り戻しました。しかし、取り戻した後の方が大変なんです。これも考え方が重要で、単なる「予算配分権の問題」ではなく、佃や経営協議会を打倒していく第一歩だということです。サークルでも自治会でも、今の大学の支配体制を問題にしなければ権利の確立もない。今はさらに、サークルの仲間にも『前進』を使って、僕たちの主張を値引くことなく訴えています。
 大森 京大では自治会運動を担う多くの活動家が生まれてきました。これをさらに強固な階級的団結として打ち固めることが課題です。昨秋は理論的な学習、特に国鉄決戦に関する討論などを意識的に行ってきました。
 石田 自治会運動の「しにせ」の東北大はどうでしょうか?
 青野 自治会の「非公認化」から10年以上を経ても、なぜ自治会は団結を守り、学内に影響力を持ち続けたのかという教訓ですが、一つは、「時代認識と路線」を常に徹底的にはっきりさせてきました。"時代とどう向き合うのか"ということが自治会運動の出発点です。二つは、「当局との非和解性」をはっきりさせて闘ってきました。これは、学生の団結に徹底的に依拠することと同じです。三つは、労働運動や地域の闘いと連帯し学んできたということです。
 自治会として女川原発反対闘争に一貫して取り組んできました。3・11大震災直後の学内集会では、女川原発反対同盟の故・阿部宗悦さんに講演していただきました。そして、解雇撤回闘争を貫いてきた全金本山労働組合の存在も大きいと思います。「一人の仲間も見捨てない」――労働者階級のこの不屈の闘いから自治会は多くのことを学んできました。

(写真 全国の闘う学生と沖大生が合流した5月沖縄闘争【5月18日 那覇市】)

 福島と沖縄は攻防の焦点だ

 「福島圧殺」許すな

 石田 安倍政権との攻防の焦点となっている福島と沖縄で、昨年は闘いが大きく前進しました。まず、福島大はどうですか?
 伊藤 「フクシマの怒り」の爆発は不可避です。この間の福島の自治体首長選挙では、福島・郡山・いわきの県内3大都市をはじめ、ことごとく現職候補が敗北に追い込まれています。11月24日の二本松市長選も重要です。二本松市は根本復興担当大臣のおひざ元ですが、そこからこの間の「復興キャンペーン」に「NO!」がたたきつけられました。「3・11を忘れない、忘れさせない闘い」として、郡山市で3月11日に「反原発福島行動14」を開催します。

 石田 3・11は、安倍政権による「福島圧殺」攻撃との全面対決になると思いますが、福島の現状はどうですか。
 伊藤 3月11日には全国から結集して、福島の現実を直視してほしいと思います。オリンピック招致の演説で、安倍首相は「アンダーコントロール」「健康被害は将来も発生しない」と大うそをつきました。「原発事故は収束した」という虚構のもとで、福島では放射能被害の隠ぺい、補償・賠償の切り捨て、帰還強制運動が起こっています。これと徹底的に対決することが重要です。深刻なのは小児甲状腺がんの多発です。しかし、放射能被害との関連は否定され、帰還運動が始まっています。「故郷に帰りたい」という心理を巧みに利用していることが許せません。震災関連死が1500人を超え、地震や津波による「直接死者数」を上回っていますが、これは帰還運動の中で行われている地域の分断とコミュニティの崩壊によるところが大きいです。
 青野 東京電力が柏崎刈羽原発を再稼働させようとしていることも絶対に許せません。
 伊藤 そうですね。しかも東電は、これまでに除染費用の1割しか支払いを終えていません。最近では「賠償と二重払いになる」と支払いも拒否し始めています。汚染水問題もそうですが、原発事故で引き起こされた現実は何も解決していません。それにもかかわらず、原発再稼働を狙う東電とはいったい何なのでしょうか。3・11に向かって国労郡山工場支部の労働者やふくしま共同診療所と連帯して闘い、福島大学からの多くの学生の決起を実現していきたい。

 福大当局と対決し

 石田 福大当局による闘う学生への許し難い攻撃がありますね。
 伊藤 最近、私の両親に福大当局から直接連絡が来ました(一同「え~!」)。「お子さんが全学連とともに活動している」というものです。福島以外での活動もチェックしている、と。大学当局が警察権力とも一体化して露骨に学生運動つぶしをやっています。そもそも、自分が信念をもって行う活動を当局にとやかく言われる筋合いはありません。4月に、「反原発を装った過激派の勧誘に注意」という看板が構内に立てられました。この立て看板は、「デモはテロと本質的に同じ」との石破発言と似ていると思います。どちらも本質は、反原発や秘密保護法反対運動の高揚に対する政府や当局の恐怖だと思います。
 石田 御用学者との闘いという点では、清水修二(福大教授、前副学長)との闘いが重要だと思いますが。
 伊藤 その通りです。清水修二はこれまで「原発反対」を掲げながら、反原発運動に敵対してきました。ついに昨年は福島県民健康管理調査検討委員会・副座長にまで登用され、「放射能の遺伝的影響はない」と新聞紙上で言い出すまでに至っています。清水は以前、私たちに「『福島大で自治会建設をする』と言っているから全学連には活動させない」と直接言ってきました。勝負は福島大における自治会建設です。3・11集会に多くの福島大生の結集を実現することは、こうしたキャンパス内での大学当局による支配体制をひっくり返していく意義も持っています。

 辺野古新基地阻止

 平良 沖縄では辺野古新基地建設の動きが急速に強まっています。大きな焦点が1月19日の名護市長選です。先日、自民党幹事長・石破が沖縄選出の国会議員団を呼びつけ、全員を「辺野古容認」に転換させました。また、仲井真県知事が政府の「辺野古埋め立て申請」を承認する意向を明らかにしています。重要なことは、「オール沖縄」の掛け声のもと、政府にすり寄れば物事が解決するかのような幻想が吹き飛んだことです。「オール沖縄」とは聞こえは良いですが、要するに労働者や労働組合の闘い、辺野古現地での独自の行動を否定する考え方です。政府にお願いをして基地建設が止まったことなど一度としてない。辺野古現地やそれを取り巻く労働者民衆の闘いが基地建設を止めてきたのです。
 石田 沖大での米総領事マグルビーの講演をめぐる闘いについて教えて下さい。
 平良 「沖縄県民はごまかしとゆすりの名人だ」と暴言を吐いたケビン・メアの後任がマグルビーです。11月、沖大で「グローバル人材になるためのスキルの必要性」というタイトルでマグルビーの講演が行われました。フィリピンでの震災に際し「支え合い作戦」という名でオスプレイが使われましたが、それをもって「オスプレイは人道支援に使われていて有益だ」と言っています。授業の前には、「普天間基地に文句のあるやつは聞きに来い」なんて言っていましたが、授業が終わったらSPに守られて早々に退場(笑)。居丈高なくせに本質的に脆弱(ぜいじゃく)なんだなと思いました。授業担当の教授は「偉い人が来てくれた」と手放しで喜んでいました。また、通訳で来ていた琉大卒の女性を「これこそグローバルリーダーの見本だ」などと持ち上げました。
 これが「大学改革」の中身です。つまり、改憲・戦争攻撃を大学が担う。学生をその先兵にする。「グローバル人材」、すなわち国際争闘戦に勝つための学生をつくり上げるということです。辺野古新基地建設阻止のため、そして大学の現状を変えるためにも学生自治会をつくらなくてはならないと決意しています。

(写真 当局と国家権力を終始圧倒した10・18法大闘争【法大正門前】)

 新自由主義粉砕する決戦へ

 法大闘争の新段階

 石田 最後に2014年の闘いの展望を。
 武田 法大は14年度から、現在の増田総長に代わって田中優子教授(社会学部長)が総長になります。田中新総長も含め、これまで法大で学生を弾圧したり、あるいは沈黙してきた連中が、何人も秘密保護法反対の学者声明に賛同しています。じゃあ、自分のキャンパスでのとんでもない学生弾圧をどう考えているのか。面白い情勢です。学外では戦争に反対するが、学内では学生を強権支配する――こんなあり方は通用しない。ペテンをすべて引きはがさなければなりません。14年は、国策と大資本に従属している大学の姿がこれまで以上に明らかになる。学内的な問題が、秘密保護法とか原発とか改憲とか大きな問題と結びつけられます。学内に大胆に政治を持ち込んでいく。敵の側の崩壊は激しいが、まだ僕らも現実的な選択肢になりえていない。組織拡大でここを突破します。
 石田 「無期停学」処分撤回闘争はどうですか?
 武田 学内で処分撤回のうねりをつくることが一番重要です。そして、裁判でも徹底的に敵を追い詰める。法大当局は9月の裁判では、私たちの「準備書面」に対して「反論はしない」と言ってきました。下手に論争をしてしまうとボロが出るということですし、「裁判長は当局に有利な判決をきっと書いてくれるはずだ」という「期待」を込めているわけです。でも、12月13日の裁判では、法大当局の「早期結審→判決」というもくろみを粉砕しました。

 坂野 法大の闘いをもう一段押し上げるためにも、首都圏の大学で学生運動を爆発させることが必要不可欠です。70年安保・沖縄闘争の歴史的爆発の中で、全学連の「大学を安保粉砕・日帝打倒の砦(とりで)に!」という闘いに震え上がった支配階級は、新自由主義政策のもと、首都・東京で絶対に学生運動をやらせないという一貫した政策をとってきました。しかし、いくら激しく弾圧しても闘いはつぶせない、むしろ団結は拡大していくことを法大闘争は示してきました。もちろん簡単ではありませんが、東大をはじめ首都圏の大学で学生自治会権力を打ち立てていくことは、やりがいがあります。実際に芽が出始めています。私たち自身が大胆に自己変革し、執念をもって闘う。「革命の現実性は革命家の執念に宿る」。この点は富山大学の闘いに学びたい。富山大は法大と同じくらい弾圧が激しいですが、反原発闘争を中心にして不屈に闘い抜いて、新たな仲間を獲得し、闘いを着実に大きくしています。

 14年決戦の先頭に

 斎藤 2014年は「国鉄、反原発、改憲阻止、星野同志奪還」を軸に安倍政権を打倒し、国鉄分割・民営化以来30年にわたる新自由主義攻撃に決着をつける歴史的決戦です。この闘いの先頭に、青年労働者とともに僕たち学生が立つ決意です。全学連はこの1年間の勝利の地平から、さらなる飛躍をかけて全国大学で学生自治会を建設・強化し、その中で新たな活動家の登場と指導部建設をかちとっていきます。
 当面する最大の決戦は、3・11郡山現地闘争に全国の学生を大結集させることです。「フクシマの怒り」を腹の底から共有して、3・11反原発福島行動に学生の大部隊を登場させる決意です。
 また、法大暴処法弾圧裁判も決戦局面に入っています。12年の5月、私たちは東京地裁で「完全無罪判決」の大勝利をかちとりましたが、東京高裁・井上裁判長は控訴審の結審と反動判決を狙っています。極悪の治安弾圧法である暴力行為等処罰法をめぐって一審で無罪判決をかちとったことが支配階級と法大当局に大打撃を与え、秘密保護法の狙いを先取りして粉砕しています。絶対に反動判決を許さない、キャンパスや霞が関での大きなうねりをつくっていかなければなりません。
 無実の星野文昭同志奪還の闘いも、決定的な勝利局面に入っています。私は徳島刑務所包囲デモに毎回駆けつけています。関西や中四国をはじめ全国の学生も徳島現地に結集しています。昨年は星野闘争の大前進に励まされ、そこから学んで全学連も闘ってきました。さらに取り組みを強めます。
 三里塚闘争では、「これまでの殻をぶち破ろう」という反対同盟の意気込みに感動しています。3月23日に芝公園で行われる集会と都心デモ方針には、本当に興奮しています。この時代、三里塚闘争の中で培われてきた実力闘争の思想に、学生は徹底的に学び尽くしたいと考えています。三里塚現地行動隊も強化します。
 武田 新年最初の法大包囲デモを1月17日(金)に行います。無罪確定を目指す暴処法控訴審は1月10日(金)に最終弁論、2月12日(水)に判決が出ます。みなさん、ぜひご参加下さい!
 青野 今年は全学連数百人の部隊で、国会周辺でヘルメットをかぶって「改憲阻止! 安倍打倒!」のジグザグデモをやりましょうよ! そのために、東北大学生自治会も組織拡大します!
 石田 今年も団結して頑張ろう!(拍手)

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