第3誘導路裁判 欠陥と違法性を批判 文書隠しでNAA窮地に

発行日:

週刊『前進』12頁(2614号04面03)(2014/01/01)


 第3誘導路裁判 欠陥と違法性を批判
 文書隠しでNAA窮地に


 12月16日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で第3誘導路許可取消裁判が開かれた。
 反対同盟は11月18日から23日に、暫定滑走路
(B´)の3本の誘導路の運用実態と騒音を調査した。これを専門家が分析して調査報告書として提出するまで半年を要することを、裁判所に認めさせた。
 また、第3誘導路とともに東側誘導路の欠陥性、違法性を今回あらためて突き出した。東側誘導路はもともとの空港敷地を大きくはみ出し、東峰の森を破壊して造られ、滑走路の南端で滑走路を横断する危険極まりない代物だ。これが実際に「使い物にならない」ことを理由に、西側に第3誘導路が造られた。何というデタラメか!
 弁護団はこれらの批判を突きつけ、NAAに釈明を強く求めた。次回期日を3月10日(月)として閉廷した。
 裁判後、報告集会が行われた。弁護団がこの日の法廷を解説したあと、市東さんの農地を守る闘いをめぐって重大な進展があったことが葉山岳夫弁護士から報告された。
 すなわち、「耕作権裁判」で千葉地裁民事第2部(岸日出夫裁判長)は12月9日、NAAに対し、空港公団(NAAの前身)と旧地主・藤崎政吉との用地買収交渉に関連する報告書などの文書類の提出命令を出したのである。これらの文書をひた隠しにしてきたNAAに対し、弁護団がその存在と取り調べの必要性を粘り強く主張してきたことが、今回の命令を出させた。そこでは「NAAが存在しないと言って提出に応じないのは、自分たちに不利な判断を出されることを予期しているからだ」と断定し、提出期限を「7日以内」と通告している。まさにNAAは崖っぷちに追いつめられた。これは3月に開かれる農地裁判控訴審にも影響する。
 質疑応答を経て動労千葉の滝口誠さん、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行い、最後に萩原進事務局次長がまとめのあいさつに立った。「市東さんは自分の土地を100年近く耕してきて、それを不法耕作だと裁判にかけられた。NAAの側こそがデタラメだと完全に明らかになった。こんな国策裁判には絶対に負けられない! 
霞が関に攻め上り、反原発、沖縄、労働者の闘いとの結合を求め三里塚闘争を大胆に広げよう。14年もともに立とう」と締めくくった。
このエントリーをはてなブックマークに追加