京大の「大学改革」を粉砕し安倍-葛西-松本総長打倒へ

週刊『前進』06頁(2616号05面02)(2014/01/20)


 京大の「大学改革」を粉砕し安倍-葛西-松本総長打倒へ


 大激動の2014年決戦は、東京都知事選への鈴木たつお氏の立候補をもって、新たな段階へと発展している。われわれは、「1千万人の怒りでアベ倒そう」を掲げる鈴木氏の決起を感動をもって受け止め、京大生と全国学生に都知事選決戦への総力決起を訴える。
 全世界の労働者が素晴らしい闘いに立ち上がっている。韓国民主労総のゼネストは決定的だ。
 安倍政権の改憲・戦争、原発推進、解雇自由化などの反動政策の乱発は、帝国主義間・大国間争闘戦に立ち遅れた日帝の焦燥感と絶望感のあらわれだ。いずれも労働者の団結の解体なしには進められない脆弱(ぜいじゃく)な攻撃だ。動労千葉をはじめ、階級的団結の拠点を守り抜いてきた日本プロレタリアートの闘いが、安倍をぎりぎりと追い詰めている。

 総長選廃止を粉砕した勝利

 この力関係は、安倍の「大学改革」をめぐる攻防でも同質だ。
 安倍は「大学改革」を成長戦略の主軸に位置づけている。その最大の矛先は東京大学と並んで京都大学であり、松本紘・京大総長はその最大の先兵だ。松本はまず、東大総長・濱田純一が掲げた「秋入学」を「時期変えるだけで国際人は育たぬ」(朝日新聞12年12・27付)と批判し、自らを「改革」の先兵として売り込み始めた。そして昨年6月11日に「京都大学の国際戦略」を発表し、文部科学省の「国立大学改革プラン」(同年11月26日策定)への道筋を先行的に示した。6月19日には国立大学協会(国大協)会長に就任し、その総会で安倍の「日本再興戦略」を支持する決議(「『日本再興』に貢献する国立大学」!)を採択した。これらすべてが、一昨年10月にJR東海会長・葛西敬之を経営協議会委員に任命してからすさまじいテンポで進められた。日帝ブルジョアジーの「京大拠点化」の意志は明らかだ。
 安倍・葛西・松本にとって、避けては通れないのが京大の総長選考プロセスの改悪だった。松本の任期は6年だが、就任当初打ち出していた「道州制」が盟友の橋下大阪府知事(当時)の低迷で行き詰まり、最初の4年間はほとんど「改革」は進まなかった。今年9月末の任期切れが近づくほど焦って諸政策を強行した結果、学内から怒りが噴出し、大学中枢の会議内容も外部にリークされるなど、その支配はグラグラだ。「職員による学長意向投票の廃止」と「自身の再任の合法化」は、昨年12月の闘い(写真)で粉砕された。

 革共運動50年の力が根底に

 この攻撃を粉砕した根底的な力は何か。それは、革命的共産主義運動とその党の50年の闘いだ。新自由主義大学化の本格的開始は、国鉄分割・民営化を強行した中曽根政権からだ。第二臨調(1981~83年)と中曽根政権下の臨時教育審議会(臨教審、84年設置)が起点となり、学費値上げや有利子奨学金の導入など、大学間の競争と営利主義を加速させた。その最大の攻撃が、2004年4月からの国立大学法人化だった。
 その裏で、70年安保・沖縄闘争を闘った各大学の自治会拠点を機動隊と反革命カクマルの暴力で次々と解体していった。しかし、この攻撃を「70年決戦の結果として生まれてきた一個の階級戦争状態としてとらえ、全面的に勝利するまで闘う」(『現代革命への挑戦』94㌻)という党の決断で、数々の拠点が守り抜かれてきた。
 京大でも吉田寮への「在寮期限」設定=期限付き廃寮(82年)として解体攻撃がかけられた。党は国鉄・三里塚決戦を闘う中で、敵の攻撃が一大学の問題にとどまらない階級的攻撃であること、資本主義を打倒し労働者階級が権力をとるまで決着のつかない闘いであることを訴え、激烈な路線闘争の中で廃寮絶対反対を闘い抜いた。
 動労千葉の国鉄分割・民営化阻止決戦に京大生の闘いが丸ごと合流することを恐れたカクマルが86年1月20日、当時の全学連副委員長代行であり熊野寮自治会委員長であった福島慎一郎同志を虐殺したことは、許されざる反革命だった。しかし、党は一歩も引かずに決死の闘いに立ち上がり、88年7・1戦闘でカクマルを学内から完全にたたき出した。党の決断と勝利が、京大での階級的団結の旗を守り、今日に至っている。

 党派闘争に勝利し松本倒せ

 京大はこれまで「自由の学風」「大学自治の砦(とりで)」と言われてきた。しかし、その本質は、革命党と階級的拠点の存在に規定されて、大学当局が学内支配のため一定の「民主主義的・融和的態度」を演じざるをえないことにあった。
 同学会中央執行委員会による年末の本部棟内座り込み闘争は、その関係を学生の側から打破する闘いだった。この闘いが京大を14年の決戦場に押し上げた。「松本再任か打倒か」をめぐる永続的な闘いが始まった。
 最大の鍵は日共スターリン主義との党派闘争だ。「スターリン主義は......『労働者階級の解放は労働者自身の事業である』というマルクス主義の最大の核心を破壊し、捨て去」り(前掲書279㌻)、ブルジョアジーと結託して労働者の自己解放的決起を抑え込む反革命だ。彼らは京大攻防でも、「民主的な総長選挙を守れば大学は良くなる」という幻想をあおり、闘いを変質させようとしている。しかし、総長選廃止は日帝の延命をかけた攻撃だ。団結した力でキャンパスの支配権を奪いとる以外に「民主的大学」が実現することはない。すべての総括軸を階級的団結の拡大に据えて闘った時に、初めて勝利が切り開かれる。都知事選決戦と一体で京大生はスターリン主義粉砕の闘いに勝利しよう。
 ブルジョアジーはいかなる方法をとっても松本を再任させようとする。しかし、労働者・学生は絶対に認めない。われわれには、動労千葉労働運動と法大闘争8年の力がある。学生自治会を再建してきた力がある。絶対に勝利できる。労働組合・学生自治会の力で松本を打倒しよう。都知事選決戦と3・11福島反原発大行動に勝利し、マル学同に結集しよう!
 (マルクス主義学生同盟中核派・京都大学支部)

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