NHK問題 大本営放送化許すな 日放労は今こそ決起し籾井・百田・長谷川倒せ

週刊『前進』06頁(2620号04面02)(2014/02/17)


 NHK問題 大本営放送化許すな
 日放労は今こそ決起し籾井・百田・長谷川倒せ

(写真 日放労の労働者に安倍・籾井打倒を訴える鈴木達夫さん【1月30日 渋谷NHK前】)

 籾井勝人NHK新会長の反動発言に続き、NHKの新経営委員の百田尚樹と長谷川三千子の言動も大問題だ。NHK労働者の組合、日放労の決起と全国労働者人民の力でこのNHK体制を打倒しよう。

 NHKの新体制は安倍が送り込んだ最悪の人事だ

 安倍首相とその盟友・葛西敬之JR東海会長らは、昨年末から今年にかけて籾井や百田、長谷川ら極右・超反動ファシストをNHK経営体制に送り込んだ。安倍政権と葛西ら支配階級は、このNHKの新体制をもってNHKの「中立・公正な公共放送」の建前をかなぐり捨て、踏みにじり、戦前と同じ政府大本営放送機関へと決定的に変質させようとしている。
 安倍政権はNHK経営委員12人のうち8人を交代させた。うち新人4人を含む5人の人事は昨年11月の国会で同意された。いずれも安倍・葛西らと親しい極右・超反動分子だ。憲法9条への揶揄(やゆ)を繰り返す作家の百田尚樹、右翼・改憲団体「日本会議」代表委員で埼玉大名誉教授の長谷川三千子、安倍の小学校時代に家庭教師をした日本たばこ産業顧問の本田勝彦、トヨタなど大資本の肝いりでつくられた海陽学園中等教育学校長の中島尚正、原発推進を頑強に唱えるJR九州会長の石原進(再任)。おぞましいばかりだ。
 この経営委員会が選んだ会長の籾井は、就任会見で「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」と安倍政権べったりの意図をあらわにした。
 こうした安倍政権と支配階級のあからさまな反動人事にNHK内外で労働者人民の怒りが沸騰している。NHK労働者、日放労の決起を先頭に安倍政権とNHK体制を打倒しよう。

 百田は田母神を応援演説長谷川は極右人物を追悼

 百田尚樹は2月3日、東京都知事選で田母神の応援演説に立ち、米軍による東京大空襲や原爆投下を「悲惨な大虐殺」とし、東京裁判について「これをごまかすための裁判だった」と歪曲した。また「1938年に蒋介石が日本が南京大虐殺をしたとやたら宣伝したが、世界の国は無視した。なぜか。そんなことはなかったからです」「極東軍事裁判で亡霊のごとく南京大虐殺が出て来たのはアメリカ軍が自分たちの罪を相殺するため」と述べた。また「他候補はくず」と罵倒(ばとう)した。
 日帝は中国・アジア・太平洋への侵略戦争・帝国主義戦争(「15年戦争」)で310万人の日本人民と2千万人のアジア人民を殺し、あるいは死に至らしめた。その責任を負うべきは、第一に日帝であり、昭和天皇、軍部、支配階級、資本家階級だ。それをアメリカによる一方的な日本人民虐殺であったかのよう描くのは反米右翼とファシストのレトリックだ。
 日帝が引き起こした戦争の帝国主義的侵略的反人民的な本質をごまかし、隠蔽(いんぺい)し、免罪しようとする所業だ。そして反米・反中国の排外主義を扇動し、改憲・戦争国家化・軍拡を要求しているのだ。許せない。
 このようなファシスト百田を「公共放送」NHKの経営委員に一時たりともしておくわけにはいかない。直ちに引きずり降ろそう。
 長谷川三千子は、1993年に朝日新聞社内で拳銃自殺した極右・野村秋介への追悼文を昨年10月に書いていた。長谷川は「野村秋介は神にその死をささげた」と野村の行為を最大限に美化・神聖化し賞賛した上に言う。
 「彼(野村)がそこに呼び出したのは、日本の神々の遠い子孫であられると同時に、自らも現御神(あきつみかみ)であられる天皇陛下であつた。そしてそのとき、たとへその一瞬のことではあれ、わが国の今上陛下は(「人間宣言」が何と言はうと、日本国憲法が何と言はうと)ふたたび現御神となられたのである」
 改憲と戦争、「神聖不可侵」の戦前天皇制の復活を公然と要求する大反動だ。驚くべき極右思想、天皇主義、戦争賛美の靖国思想だ。長谷川も労働者人民の怒りで即刻打倒すべきだ。

 NHKの安倍戦争政治の先兵化を断固打ち砕こう

 籾井体制に入ったNHKは、東京都知事選の過程で、長年のレギュラー出演者、中北徹・東洋大学教授が番組のなかで述べようとしていた脱原発の意見表明をとりやめさせた。このため中北氏はNHKに抗議して番組出演を降りた。これはNHKが安倍政権とくっつき、原発再稼働と輸出、改憲と戦争への道を突き進み、ついには大本営発表機関となろうとしていることの表れだ。中北氏の抗議は、NHKの大本営放送化に対する労働者人民の危機感と怒りの噴出の始まりでもある。
 さらに安倍は今国会で、自分が経営委員に任命した百田の田母神応援演説と長谷川の極右追悼文を「聞いていないからわからない」「読んでいないからわからない」とうそをつき、ごまかし、居直った。まったく見え透いている。そして自民党にこの経営委員2人の参考人招致を拒否させた。あくまで知らぬ存ぜぬで押し通そうとしている。人民をなめるんじゃない。
 さらに安倍は今年、再び集団的自衛権行使容認の策動を全面的に強めている。憲法改定の発議要件を定めた憲法96条の改悪にもあらためて「意欲」を示した。帝国主義間・大国間争闘戦に軍事的に突っ込む姿勢の現れだ。2月11日には「建国記念の日」を迎えるにあたってのメッセージを発し、集会で右翼の拍手喝采を浴びた。歴代首相として前代未聞だ。
 安倍は労働者人民に真っ向から反動的に対決してきている。対外的にも反米性をあらわにし、アメリカ帝国主義との軋轢(あつれき)、矛盾、対立の激化、日米同盟関係の危機をも辞さず、TPP(環太平洋経済連携協定)でも対米争闘戦を挑んでいる。中国や韓国との対立、関係悪化も意識的に進め、排外主義をあおり、軍事的激突情勢を促進している。世界大恐慌の深まりと日帝経済の超長期不況、福島第一原発事故によって帝国主義として日帝が脱落するなかで絶望的に戦争に向かって突き進んでいるのだ。
 日帝ブルジョアジーとファシストが公然とつながり、言論機関を牛耳り、戦争への道に突進している。鈴木達夫弁護士が都知事選で訴えたように、日放労が団結して闘えばNHK籾井体制を打倒・追放することができる。日放労とその組合員はその力を持っている。労働者人民は日放労の決起を圧倒的に支持する。日帝・新自由主義=安倍を打倒しよう。
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