市東さんの農地死守・控訴審勝利、 三里塚闘争の力で戦争阻止を! 3・23芝公園―3・26東京高裁へ

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週刊『前進』06頁(2623号05面01)(2014/03/10)


 市東さんの農地死守・控訴審勝利、
 三里塚闘争の力で戦争阻止を!
 3・23芝公園―3・26東京高裁へ

(写真 昨年末に急逝した萩原進事務局次長の遺訓を胸に刻み、北原鉱治事務局長を先頭にして今年最初の敷地内デモを行う反対同盟【1月12日】)

 48年間にわたり「反戦の砦(とりで)」として闘われてきた三里塚闘争は、今や歴史的な大決戦に突入した。3・23三里塚全国集会(東京・芝公園)―3・26市東さん農地裁判控訴審へ全国から結集しよう。「控訴審勝利!3万人署名」をありとあらゆる人びとに呼びかけよう。3・11反原発福島行動、春闘決戦の勝利と一体で、三里塚闘争勝利へ攻め上ろう。

三里塚48年 力発揮する時

 ウクライナをめぐる情勢の緊迫と東アジアにおける戦争危機の切迫の中で、主要帝国主義からの脱落にあえぐ日帝・安倍政権は、そののりきりをかけて凶暴な改憲と戦争政策を推し進めている。解釈改憲による集団的自衛権の行使容認、教育の国家統制、消費大増税など、国のあり方を強権的につくりかえる攻撃に対して、労働者人民の怒りが沸々とたぎっている。
 日帝の戦争と新自由主義の攻撃の前に立ちはだかり、48年間にわたって「反戦の砦」として闘い続けてきた三里塚闘争は、安倍政権打倒の最前線である。その当面する最大の攻防点は、3月26日から始まる市東さんの農地裁判控訴審だ。3・23三里塚全国集会は、控訴審裁判勝利のための総決起集会である。
 3・11反原発福島行動の大成功をかちとり、14春闘と一体となって3・23―3・26を闘おう。都知事選に続く安倍打倒のうねりを巻き起こそう。新自由主義の破産の中で、韓国民主労総のゼネストをはじめとして、世界の労働者人民は新自由主義を打ち破る闘いに立ち上がっている。この闘いに続こう。

新自由主義と闘う最前線

 2月25日までシンガポールで開かれていたTPP(環太平洋経済連携協定)の閣僚会合は、何の合意もできず次回日程も決められないままに破産した。その最大の原因は、農産物と自動車を焦点とする日米の関税協議の決裂である。
 もともとTPPは激しい日米争闘戦であり、米帝と日帝はますます抜き差しならない対立を表面化させている。世界大恐慌の激化・深化の中で対立を深める米日帝は、労働者や農民・漁民に一層犠牲を強いる形で、新自由主義と戦争の攻撃に突き進まざるを得ないのだ。
 TPP攻撃の先取りとして、安倍政権は中小農家をつぶす減反政策廃止の攻撃に続いて、農業委員会を解体しようとしている。農業委員の農家による公選制を廃止し、首長に任命権を与えようとしている。農民の声を押しつぶし、農地の流動化と大規模化=農地取り上げを促進して、企業の農業への参入を容易にするものに他ならない。
 1951年に始まる農業委員会制度は、農地法と並んで戦後改革の柱と言えるものだ。これを解体する攻撃は、教育反動の中での教育委員会の解体と並ぶ安倍政権の改憲・戦争攻撃でもある。
 新自由主義のもとでは農民も闘わなければ生きられない。ほうはいとして農民の決起が生まれる情勢であり、全国農民会議の組織拡大は待ったなしだ。
 この時、農地と農業を奪う攻撃を真っ向から迎え撃っているのが、「耕す者に権利あり」を掲げた市東さん農地決戦である。階級的労働運動が労組破壊攻撃を打ち破る闘いであるように、三里塚闘争は日帝の農業破壊・農民圧殺攻撃を打ち破る戦略的拠点として、ますます真価を発揮する時が来ているのだ。
 三里塚は戦争と改憲、TPP・新自由主義と闘う最前線である。階級的労働運動と三里塚の闘いを軸にした労農同盟と国際連帯の中にこそ、破産の危機に瀕したTPPを粉砕する力がある。

24時間化・第3滑走路阻止

 新自由主義の破綻の中で、成田空港は今、生き残りをかけて「3本目の滑走路」建設と24時間空港化を策動している。
 2月27日、成田商工会議所など経済関係団体は、小泉一成市長に3本目の滑走路建設の検討を求める要望書を提出した。3本目の滑走路は昨年、国交省で検討が始められ、今年に入ってからにわかに声高に叫ばれている。だが、一体どこにそんな敷地があるというのか。あまりにも地元住民を愚弄(ぐろう)する話である。
 また、深夜11時以降の離着陸が月を追うごとに増えている。「やむを得ない事情」と言いながら、なし崩しに24時間化に向けた既成事実を積み重ねているのだ。
 2月8日の大雪の時は、午後11時以降、深夜午前2時まで24便が発着した。とりわけLCC(格安航空会社)便は、「玉突き遅延」を理由にその後も無理な運航が相次いだ。経費を切りつめて少ない機体をやりくりするため、緊急事態に対応できない。それでも乗客や乗員の安全より「運航ありき」なのだ。
 このような生き残りをかけた策動は、羽田の再国際化で没落の一途をたどる成田空港の危機の表れである。3月30日に羽田空港の国際線発着枠が拡大することに伴い、羽田への路線の移行が相次いでいる。全日空と日本航空は、ともに成田―ロンドン便を運休して羽田に移し、羽田―ベトナム線を同時期に開設するなど、競い合って羽田へのシフトを強めている。
 2013年に成田の発着回数は初めて年間22万回を超えたと宣伝されているが、今年は国際線の発着回数も旅客数も減少することは不可避だ。LCC導入とともに力を入れているビジネスジェットの利用は、羽田空港が再国際化された3年前から半減し、羽田の3分の1でしかない。
 金もうけのための生き残りをかけた競争がもたらすものは、空港労働者のさらなる非正規職化であり、JR北海道の事故にみられるような安全の崩壊に他ならない。
 第3滑走路も24時間化も、さらに多くの住民を騒音地獄に追い込み、地域からたたき出していくものだ。騒音下地域住民の怒りの決起は不可避である。市東さんの農地を守る闘いが周辺住民の怒りと結びつき、空港労働者の決起と結びつき、北総大地を揺るがす情勢が到来している。

3万人署名を集めきろう

 三里塚が安倍の戦争と新自由主義の攻撃に対して闘えるのはなぜか。
 1966年の闘争開始以来、「農地死守・実力闘争」の原則を貫き、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争を闘い抜いた動労千葉とともに労農連帯で闘ってきたからである。80年代の中曽根に始まる新自由主義攻撃と30年以上にわたって真っ向から闘い、今日に至るまで不屈・非妥協で闘い抜いているからである。そして今、反対同盟は安倍打倒を真っ向から掲げ、首都東京で初めての全国集会を開催する。
 市東さんの農地をめぐるもうひとつの裁判である「耕作権裁判」は、文書提出命令問題で再び審理がストップしている。用地交渉経過を記録した、あるはずの文書をあくまでも「ない」と言い張って逃げまくるNAAが追い詰められているのだ。
 控訴審を前にして市東さんは言う。「東京高裁は地裁以上に反動的な場所だと聞いている。だったら逆に東京のど真ん中で勝負しようじゃないか。高裁を包囲する闘いをやりたい」と。
 この間、動労千葉鉄建公団訴訟、法大暴処法裁判など、東京高裁において歴史的な勝利が切り開かれ、反動の牙城(がじょう)が突き崩されている。これらは「新自由主義は打ち破れる」ことを示す大勝利だ。だが、敵も階級支配のために、この控訴審でなりふり構わぬ巻き返しに出てくることは必定だ。仮に拙速裁判でNAAの求める仮執行宣言がまかり通るならば、年内にも現地実力攻防に至る死活のかかった情勢である。まなじりを決した総決起が求められている。
 反対同盟と支援連はこの3月、農作業の合間をぬって全国集会までに10波の連続街宣・署名活動を計画している。3万人署名は東京高裁・貝阿彌裁判長だけではなく、日帝・安倍ののど元に突き刺さる刃(やいば)だ。第1弾の署名提出行動は3・26裁判当日に行われる。この日までにとことん署名を集めきろう。
 青年労働者・学生を先頭に、一人ひとりが「萩原進となって」闘おう。3・23全国集会へ、午前11時・芝公園に結集しよう。3・26控訴審第1回弁論に集まろう!
 〔白川賢治〕
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