4・16東京地裁と最高裁へ 民営化・外注化粉砕を 新10万筆署名を集めきろう

週刊『前進』08頁(2627号02面01)(2014/04/07)


4・16東京地裁と最高裁へ
 民営化・外注化粉砕を
 新10万筆署名を集めきろう

(写真 1万7千余筆の署名を突きつけた1月22日の最高裁への第1回署名提出行動)

 4月16日、動労総連合が外注化粉砕へ闘う出向命令無効確認訴訟の第6回弁論が開かれ、午後には最高裁への解雇撤回・JR復帰10万筆署名の第2回提出行動が行われる。同日の東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の解雇撤回裁判判決とともに、大結集して闘おう。

民営化の帰結が安全崩壊だ

 JR北海道の安全崩壊やJR京浜東北線・川崎駅事故は、国鉄分割・民営化と外注化の全面的な破綻を示している。民営化で膨大な労働者が職場から追われ、最も経営が厳しい北海道では極限的なコストカットが行われた。補修のための資材も現場に届かないのに、競争のための無謀なスピードアップが強行され、安全は解体されてきた。
 これを極限まで推し進めたのが、02年に発表された中期経営計画「スクラムチャレンジ21」だ。00年11月に「ニューフロンティア21」を打ち出したJR東日本の後を追い、JR北海道も鉄道事業より駅中ビジネスや不動産開発に熱中した。その象徴が札幌駅前にそびえ立つJRタワーだ。こうした施策を社長として主導したのが、今年1月に自殺した坂本真一相談役だった。JR総連カクマルとの結託も、坂本体制下で維持され続けた。
 金もうけ最優先の方針のもと労働者も資金も鉄道以外の事業に移され、鉄道事業自体は次々と外注化された。職場はバラバラにされ、安全は崩壊した。これが国鉄分割・民営化の帰結だった。
 動労千葉の鉄建公団訴訟は、国鉄分割・民営化と真正面から対決する闘いだ。被告の鉄道運輸機構が最高裁に出した主張は、この闘いの今日的な意義を敵の側からあらためて突き出した。
 鉄道運輸機構は、〝公労法上、違法なストを敢行して停職処分を受けた原告らは、JR各社の業務にふさわしい者ではないから、採用候補者名簿から除外されてもやむをえない〟と言い放っている。〝分割・民営化に反対してストをしたから不採用〟という彼らの主張は、まさに不当労働行為を自認するものだ。
 こうして強行された国鉄分割・民営化の結果が、JR北海道の現実だ。膨大な労働者が非正規職化され、解雇規制も無視した資本の勝手な解雇がまかり通る現実も、国鉄分割・民営化によってつくり出された。国鉄解雇撤回闘争は、これらすべてを覆す闘いだ。なんとしても10万筆の署名を最高裁に突きつけて、解雇撤回・JR復帰の判決をかちとろう。

違法を暴かれ開き直るJR

 強制出向無効確認訴訟は、JRのうそとペテンを追及し、違法行為を暴き出す闘いに入っている。これまでの裁判で、動労総連合は職場で横行するさまざまな偽装請負の実態を暴いてきた。それに対してJRは、「しょせん派遣法違反にすぎない」と言い放った。違法行為であろうが構わないと居直ったのだ。
 外注化と鉄道の安全はけっして相いれない。京浜東北線・川崎駅で起きた事故は、それを衝撃的に示している。外注化によって業務は6社に分断され、指揮命令系統などの基本中の基本さえ解体された。事故はまさに外注化の結果だ。
 しかし、JRは事故は「個人的過誤」のせいだとして、全責任を労働者個人に押しつけている。数々の偽装請負もうそとペテンで押し隠そうとしている。絶対に許してはならない。
 千葉鉄道サービス(CTS)で動労千葉がストライキに立つと、スト破り要員はJRから出される。スト権侵害であり、明白な憲法違反だ。それはまた、JRとCTSが完全に一体だということであり、偽装請負の動かぬ証拠だ。しかもJRは、ストの対象になった業務については「CTSに発注しなかった」という形をとって、JR側で業務を行っている。
 しかし、争議行為を行う前に労働者を排除することは「先制的ロックアウト」と呼ばれる違法行為だ。JRとCTSは結託して、違法なロックアウトを行っているのだ。
 動労千葉組合員が出向させられているCTSは完全な「ブラック企業」だ。労働者が職場で亡くなっても、現場の状況を一切省みずに「業務と関係ない」と言い切る。やってもいない「全般清掃」を「完了」したと報告し、JRと有無通じて年間数億円のカネを不正に受け取っている。さらには、労働者に8日間連続の勤務を強いる違法行為まで行って、不正隠しに躍起になっている。
 これらの問題をJRは「外注化と関係ない」と開き直っている。しかし、こんなブラック企業に業務を委託し、仕事と労働者を放り出したJRに、全責任があるのだ。

JR復帰かちとれる情勢に

 資本は今、至るところで闘う労働者の解雇に手を染めている。国鉄分割・民営化の時と同じように、「資本と闘ったから解雇」というあからさまな攻撃だ。だがそれは、資本が追い詰められていることの表われだ。彼らは、労働者の怒りが爆発し、職場から巨大な反乱が起きることを恐れている。解雇や処分を受けた1人の決起、1枚のビラに、膨大な労働者の決起を感じておびえているのだ。だからこそ、本当に10万筆の署名を集めきれば、解雇撤回・JR復帰をかちとれる情勢にあるということだ。
 国鉄分割・民営化の破綻はあらわになった。動労千葉を先頭に、外注化された職場から外注化を粉砕する新たな闘いが開始され、JRを追い詰めている。
 4月16日の裁判と署名提出行動に結集しよう。10万筆署名を集め、解雇撤回・JR復帰をかちとろう。

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