韓国労組つぶしと大激突鉄道労組 強制配転阻止へ決起

週刊『前進』08頁(2627号05面02)(2014/04/07)


韓国
労組つぶしと大激突
鉄道労組 強制配転阻止へ決起

(写真 労組弾圧に怒りのこぶしを振り上げる鉄道労組【3月29日 ソウル】)

(写真 「非人間的な強制配転を直ちに中止しろ!」の横断幕を掲げデモに立つ鉄道労組【3月29日 ソウル】)

 韓国民主労総とパククネ政権との闘いはますます非和解的に発展している。3月20日、パククネは資本の活動に対するあらゆる規制を全面撤廃する方針を打ち出した。パククネの大統領任期が切れる2017年までに、経済関連の規制約3千件を撤廃するという。そして「反対は罪悪。抵抗する者は許さない」とまで言い放った。その核心は公共部門の全面民営化・外注化・総非正規職化と労働組合の絶滅・一掃を狙う攻撃だ。

 昨年の鉄道労組の民営化反対ストライキと2・25「国民ゼネスト」の爆発に追いつめられたパククネは、どんなに破産的であろうと、労働者階級への階級戦争をさらに極限的にエスカレートさせていくしかない。これへの労働者人民の怒りの火も一層激しく燃え上がっている。その先頭に再び立っているのが鉄道労組だ。
 鉄道公社は昨年のストに130人の解雇を含む大量報復処分を加えてきた。続いてストの主力を担った機関士・整備士を中心に、850人の労働者を強制配転する攻撃に出てきた。「循環配転と定期人事交流」の名で、各職場ごとに人員の5〜10%を4月から他地域・他職種に強制的に転出させ、しかも当局の一方的決定を本人の意思を無視して無条件に押し付けるというものだ。鉄道労組は、もし強制配転を強行するなら直ちに再度の全面ストに突入すると宣言して立ち上がっている。
 3月29日には組合員5千人がソウル駅前広場に結集し、「熟練とチームワークが重要な鉄道でこの攻撃を許せば安全が崩壊する」と絶対阻止を叫んだ。「鉄道労組を弾圧でつぶすなどできないことを見せてやる」――鉄道労働者のこの不退転の決意は全労働者、全人民の「鉄道労組を守れ」の声へと発展し、パククネとの一層鋭い対決軸を形成しつつある。

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廃業撤回・労組死守!
 サムスン資本を徹底糾弾

(写真 1千人のサムスン電子サービス支会組合員がサムスン本社前に陣取り資本を糾弾【3月28日 ソウル】)

 3月28日、サムスン電子サービス支会の組合員約1千人と金属労組、市民社会団体の約3千人がソウルのサムスン電子本社前で「廃業撤回! 団体協約争奪! 民主労組死守! サムスン糾弾金属労働者決意大会」を開催した。3月23日に労組創立大会を開いて金属労組に加入したばかりの蔚山サムスンSDI支会の労働者も合流した。サムスンで初めての正規職の労組だ。
 サムスン電子サービス支会は昨年7月、サムスン電子製品のアフターサービスを担当する非正規職の技術者400人によって結成された。専門チームをつくって労働者の個人情報を収集し、人権を踏みにじり海外に配転するなどして、労組を結成する動きを芽のうちに摘んできたサムスン資本。その「75年間の無労組神話」を非正規労働者が団結して打ち破り、8カ月の間に全国に組織を拡大してきた。そして、結成以来、最大規模の組合員を本社前に登場させたのだ。
 この日、サムスン電子サービス支会は2日間の全面ストライキに突入し、その場で野宿座り込み闘争に入った。

労組破壊と命を奪う資本に怒り

この闘いに向けては、資本との激闘を通して上り詰めていった。
 1月13日から地域別ストライキに突入し、賃金や労働協約をめぐって資本と激突した。これに対してサムスン資本は、労組法で禁じている「当該事業と無関係の者」である他社のサービスマンを投入してスト破壊に出た。その違法性が暴かれると、今度はサムスンの元サービスマンを投入した。しかし、その9割は技術力が低く、修理もできないといった水準だった。
 2月に入り、全国34のセンターでストライキが始まり、5日〜8日の4日間に初めて全国規模の集団ストライキが闘われた。地域別ストには1日最高約900人の組合員が参加した。サムスン資本は1日100人以上のスト破り要員を配置した上、労組が代替要員を把握できないよう電算プログラムを修正した。
 これに対して金属労組とサムスン電子サービス支会は、「サムスンが投入した元請けサービス技師と私たちが同じ事業場の労働者なら、私たちも正規職だ」と言い切り、「生活賃金を保障しろ。民主労組を認めろ。スト権を保障し代替要員投入をやめろ。直ちに正規職にしろ」と要求した。
 そして2月25日、鉄道労組や大学清掃労働者、商人や露天商らとともに国民ゼネストに立った。
 サムスンに対する労働者の怒りは労組つぶしによるものだけではない。「サムスンは白血病、職業病の王国」(サムスンを正す運動本部共同代表、クォンヨングク弁護士)だからだ。サムスン電子半導体関連企業などでは、わかっているだけでここ十数年間に96人もの労働者ががんで亡くなっている。大半が20〜30代の青年だ。
 「利潤のために労働者の命を支払う野蛮な時代は、今こそ終わらせなければならない」(3月22日のサムスン糾弾文化祭の看板)。労組結成の根底には労働者の命を奪う資本への怒りがある。

労組を守りぬきパククネ打倒へ

 追い詰められたサムスン資本は偽装廃業で労組をつぶす攻撃に出た。
 2月27日、サムスン電子サービス釜山海雲台センターの業務を請け負う協力社が、代表理事の健康悪化と経営難などで3月8日に閉鎖するという公告を会社正門に掲示した。同じ日に京畿利川センター、翌日には忠南牙山センターの協力社が3月28日に閉鎖する通知を出した。理由も同じだ。忠清、牙山、釜山慶南のセンターでも同じ事態が起きた。労組活動の拠点を地域別に1カ所ずつ廃業にする攻撃だ。
 金属労組は「サムスン電子が昨年36兆㌆の営業利益を上げた時も、協力業者から仕事を奪い、廃業の脅迫による労組弾圧が続いた」と弾劾。さらに「中止しなければ全国のサービス労働者の巨大な抵抗に直面するだろう」と警告した。
 大恐慌下、資本同士のつぶし合いが激化する中で巨大資本サムスンも窮地にある。16万人の金属労組、80万人の民主労総と団結したサムスン電子サービス支会の闘いは、パククネ政権ののど元に突き刺さり打倒する力として発展している。

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