田中優子新総長は処分撤回せよ 全国から4・25法大闘争に集まり学生自治会建設へ 革共同中央学生組織委員会

週刊『前進』06頁(2628号04面01)(2014/04/14)


田中優子新総長は処分撤回せよ
 全国から4・25法大闘争に集まり学生自治会建設へ
 革共同中央学生組織委員会


 4月1日からの全国大学での新歓闘争は法政大を先頭に沖縄大、福島大などで「新自由主義大学」としての本性をむき出しに学生を弾圧する大学当局との大激突に勝ち抜いて前進している。新入生の感動的な決起が続々生まれている。敵は「一人の決起」に恐怖している。「教育の民営化(私物化)」を粉砕し、キャンパスを300万学生の手に実力で取り戻すための天王山が4月25日に法大文化連盟が呼びかける総決起集会だ。「田中優子・法大新総長体制打倒! 法大解放! すべての不当処分撤回!」のスローガンのもとに全国学友は大結集しよう。そして自らの大学で学生自治会を建設しよう。

リベラル装い弾圧体制維持

 2006年3月14日の大弾圧以来8年あまり、125人の逮捕、33人の起訴、13人の重処分という反動をはね返して不屈に闘われてきた法大闘争は、今年4月1日からの田中優子・社会学部教授の総長就任という新局面を迎えている。
 08〜14年の増田壽男前総長の学生弾圧政策が破産する中、田中新体制は登場した。増田体制の破産の象徴が、09年法大暴処法弾圧裁判における今年2月の被告5人完全無罪判決という歴史的大勝利だ。法大当局はこの真実に絶対に向き合えない。田中新体制の本質は国家権力と癒着して学生弾圧にさらにのめり込み、新自由主義大学として純化していくものだ。
 田中優子は法大卒業生であり、以来法大教員として一貫して学生弾圧の現場にあり、それを目にし、くみしてきた。他方、学外で「改憲反対・脱原発」を唱え、「リベラル」を装い、大江健三郎氏などの呼びかける「戦争をさせない1000人委員会」呼びかけ人や『週刊金曜日』編集委員にも名を連ねている実にペテン的なやからだ。
 田中新総長の本質は一つに、新自由主義大学化の先兵だ。田中は「世界生き抜く力を」(毎日新聞4・3付)などと新入生に説教し、「グローバル化に向けて教育環境づくりが進む」(『サンデー毎日』4・13付)と自慢しているが、要は、帝国主義間・大国間の国際争闘戦で日帝支配階級が敗北していることに危機感を募らせ、大学はそれを支えよ、大学・学生は海外侵略の先兵となれ、学生は「アジア並み賃金」の非正規職化で生きることを我慢せよ、と迫っているのだ。言っていることは安倍政権や日本経団連とうり二つだ。
 二つに、「リベラル」の虚構をつくろうとするあまり、自縄自縛に陥っている。4月3日の入学式式辞では「選挙権は天から降って来るものではありません。自ら獲得するもの」「社会のめざましい変化は、ただ楽天的に待っていて訪れたわけではありません。時には命をかけるほどの活動によって獲得したものです」と述べ、前記毎日新聞では「民主主義は一人一人の人間が自分で調べ、自分で確認し、自分で考えないと確立されない。そうした自覚を持った『市民』が多くなって初めて、民主主義国家と言えるわけです。その市民を育てるのが大学の責務」などと吹聴しているが、よくぞ言った!
 まさにその入学式の入り口で法大当局は「文化連盟にかかわるな!」と新入生に絶叫し、キャンパス内でビラをまく学生に弾圧職員が「田中新総長になったからって(弾圧)体制が変わると思うな!」と襲いかかった。田中新体制の欺瞞(ぎまん)は発足後3日ですべて暴かれた。
 三つに、文連・全学連の闘いに正対できず、逃亡を重ねている。4月2日に予定されていた田中新総長お披露目記者会見は、文連の抗議行動を前に急遽(きゅうきょ)中止に追い込まれた。田中は「秘密保護法反対」を掲げながら、暴処法完全無罪という警視庁公安部と法大当局のデッチあげについてコメントできない。結局、田中新体制はますます国家権力に救いを求め、学生弾圧を強めて3万法大生の怒りの業火に焼き尽くされるしかない末期的支配体制だ。
 総長選で「圧勝」した田中体制を規定しているものは、新自由主義大学=法政の存立危機だ。受験者数は日本トップの明治大(13年度に10万9934人)に大きく水をあけられた(同8万9047人で5位)。「営業権」を掲げて学生集めとカネもうけにのめり込んできた法大は沈没寸前だ。この状況を打破するための広告塔として田中がひっぱり出されたのだ。
 田中新体制は何より、前進する法大学生運動の鎮圧のために焦りにかられて生み出されたものだ。新自由主義の大破産と大恐慌と戦争情勢は、一方で安倍のような極右ファシストを権力者に押し上げるが、他方では田中のような「改憲反対・脱原発」を掲げる最悪の学生運動破壊者を登場させた。しかしこんなものは絶対に成功しない。安倍政権への怒りの高まりと一体で、田中新体制は発足直後から求心力を失いグラグラだ。記者会見からの逃亡がその象徴だ。そのど真ん中に明るく生き生き闘う文連・全学連の隊列がある。4・25集会への大結集から法大ストライキ―田中総長体制打倒へ突き進もう!

武田君の処分撤回こそ核心

 4・25法大闘争へ、あらためて文連委員長・武田雄飛丸君への「無期停学」処分撤回の闘いの重要性を訴えたい。この処分の中に全国学友が突き当たり怒っている新自由主義大学の矛盾が凝縮している。処分撤回闘争をとおして団結をよみがえらせ、学生自治会建設をかちとることはできる。
 一昨年10月の武田君への処分は①原発御用学者の授業への抗議行動、②大学祭実行委員会への抗議行動、③キャンパスでの1千人集会を「授業妨害」や「業務妨害」とすることで下された。
 新自由主義大学の腐敗・不正義への学生反乱を抑えつけるための処分の本質は、徹底した暴力性である。闘う学生をキャンパスから排除し、学生の中に分断を持ち込む処分とは、全学生への攻撃だ。その処分をいかなる民主主義的手続きも超えて「教育的指導」の名のもとに強権的に断行することで「大学・教育」なるもののとんでもない欺瞞を自己暴露する(法政大の校是は「自由と進歩」だ!)。
 処分攻撃とそれに抗する闘いの中に、新自由主義大学と教育の民営化、そして資本主義・帝国主義と学生との非和解の関係が凝縮している。処分と排除でしか学生支配を維持できない大学資本の危機は深い。大学当局は「資本の本性」をさらけ出して、「学生の人間存在」と「一人の学生の持つ革命性・可能性」を否定し「モノ」とする。青年労働者への非正規職化・雇い止め解雇と同じだ。当該学生と全学生の処分への屈服をとおした「資本の奴隷化」に対し、処分絶対反対で闘うことの中に新自由主義と非和解で闘う生き方があり、プロレタリア革命と全人間解放への団結がよみがえる。
 さらに処分攻撃は、裏切り者の御用学生団体があって初めて成り立つ。御用学生団体・学祭実は醜悪にも、法大当局に武田君処分を懇願していた。処分撤回闘争と御用学生団体打倒、闘う学生自治会建設は一体だ。
 4・25法大闘争は、処分に「絶対反対」を貫く法大生と全国学生の固い団結を、物質力を持った集会―デモとして法大資本にたたきつけ、法大の中心部からみずみずしい団結と学生自治会をつくり出すための闘いだ。それは全国大学での自治会建設の突破口となる。
 あらためて暴処法完全無罪の勝利が決定的だ。「処分でしか成り立たない大学とは何か? 弾圧に手を染める国家とは何か? デッチあげを居直る田中新体制とは何か?」――無罪獲得と処分撤回で田中新総長を徹底的に追い詰めることで国家・社会・大学の本質をつかみ、「闘えば勝てる!」確信が大衆的かつ広範に生み出され、自らのキャンパスでの実践の革命的意義への自信と誇りが強まっていくのだ。

安倍打倒へ闘う学生運動を

 法大処分撤回闘争は、安倍政権の改憲・戦争・原発再稼働攻撃をうち破る意義も持っている。「(帝国主義戦争は)他民族虐殺の戦争に労働者人民を駆り立てることによって労働者階級の団結を決定的に破壊し、労働運動を圧殺・解体し、資本家階級の支配をどこまでも維持し続けるための戦争です」(『革共同綱領草案解説』103㌻)。処分攻撃も学生を分断・対立させ戦争に駆り立てるためのものだ。
 安倍の「大学改革」攻撃の核心は「学長(総長)ヘの権限集中によるガバナンス強化」であり「国際競争力の強化=グローバル人材育成」だ。学内の強権支配・統治体制を確立して抵抗運動をたたきつぶし、大学を安倍政権の成長戦略とインフラパッケージ輸出の先兵として動員するものだ。300万学生に〝資本の奴隷となれ、アジア人民収奪・虐殺の先兵となれ〟ということだ。
 しかし安倍の攻撃は破産している。2004年4月の国立大学法人化から10年になるが、法人化政策が停滞する中での窮余の突破策として、安倍は「大学改革」攻撃に凶暴化してのめり込み、法大資本はそのお先棒を担いでいる。法大闘争が8年余も勝利的に闘い抜かれ、全国学生運動の結集軸として新たな担い手を次々生み出していること、京都大、東北大、広島大などで学生自治会の建設と強化に成功していること、「11年3・11」への怒りの中で全学連運動の若い指導部が登場していること――これらが安倍政権を確実に追い詰めている。法大を先頭に全国大学で、新自由主義への怒りを総結集させて自治会建設に成功するならば、それは階級的労働運動潮流と一体で安倍打倒の巨大な力となる。
 キャンパスでの非和解的激突をさらに拡大し、「原発御用学者打倒」を掲げた全国での新歓企画(ふくしま共同診療所講演会)を大成功させよう。日本共産党スターリン主義=民青などとの大党派闘争・新入生獲得戦にかちぬくために、機関紙『前進』を大胆に1千部の規模で持ち込もう。4・25法大闘争への大結集から、首都・全国を席巻する、改憲阻止・安倍打倒の巨大な学生運動をつくり出そう!

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すべての不当処分を撤回しろ!
大学の主人公は学生だ!
4・25法大解放総決起集会
 4月25日(金)12時40分 ※集会後デモ
 法政大学・市ヶ谷キャンパス
 主催/法政大学文化連盟

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